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患者の暴力深刻 全国の病院半数以上で被害

2008.4.13 01:06
このニュースのトピックス病気・医療

 昨年1年間に全国の病院の半数以上で、病院職員が患者や家族から暴力を受けていたことが12日、全日本病院協会の調査で分かった。医師らの対応や待ち時間への不満が引き金になった事例が多く、深刻化する「モンスターペイシェント」と呼ばれる患者の実態が浮かび上がった。同協会は今夏をめどに最終報告をまとめる方針で、厚生労働省も調査結果を受け抜本的な対策に乗り出す。同省によると、「院内暴力」をめぐり全国規模で調査が実施されたのは初めて。

 調査は昨年末から今年1月末にかけ、47都道府県にある2248病院を対象に実施し、1106病院から回答を得た(回答率49.2%)。このうち患者から暴言や暴力があったと回答した病院は576病院で、暴力やクレームの発生件数は6882件に上り、1病院当たり年平均で約12件の院内暴力が発生したことになる。

 内訳をみると、患者から暴言を吐かれるなどした精神的暴力が2652件と最も多く、患者の暴力でけがをしたなどの身体的暴力は2253件、セクハラ(性的嫌がらせ)は900件だった。また患者の家族から暴力やクレームを受けたケースも904件あった。

 ただ病院側が実際に警察に届け出たケースは、全体の5.8%。弁護士に相談したケースも2.1%にとどまっており、医療現場が患者の暴力への対応に苦慮している実態もうかがえる。

 患者の暴力で職員が精神的ショックを受けたケースは70.1%で、施設の備品が損壊したケースも24.7%に上った。また暴力を受けた職員のうち看護師が約9割と最も多く、次いで事務職や医師だった。患者の暴力に耐えかねて退職する職員も増加しているという。

 院内暴力を防ぐための措置としては、約4割の病院が「監視カメラを設置している」と回答。警備員の巡回を増やしたり、警察官OBの配置や、護身用のスプレーを常備する−などと回答した病院もあった。

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