東京電力柏崎刈羽原発の「焼却炉建屋」排気口から微量の放射性物質が検出された問題で、同社は8日、実際の放射線量が、公表した数値の1億倍だったと発表した。環境への影響はないという。県は東電に対し、公表する数値について十分確認するよう指導した。
東電は2日に実施した定例測定で、微量のアルファ線を発する粒子を検出。放射線量は胸部エックス線検査で被爆する量の5兆分の1程度と発表していた。しかし、8日に改めて測定した際、数値の誤りを発見したという。
東電によると、測定されたデータは、作業用のソフトで処理された上で数値として表される。だが、ソフトに入力されていたアルファ線の計算式が誤っていたという。同原発の広報担当者は「これまでアルファ線について入力されたことがなく、誤りに気づかなかった。どの時点で誤りがあったのかは不明」と説明した。
また、東電は8日、同じ場所から同様の放射性物質が再び検出されたと発表。東電によると、アルファ線は原子炉から生じないため、今回の放射性物質はコンクリートから放出された可能性があるという。【渡辺暢】
毎日新聞 2008年4月9日 地方版