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米下院、チベット弾圧の停止要求を決議
このニュースのトピックス:慰安婦問題
【ワシントン=山本秀也】米下院本会議は9日、「チベット弾圧の停止」などを中国政府に要求する決議を、賛成413、反対1のほぼ全会一致で採択した。決議は中国首脳に対し、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との直接対話に乗り出すよう求める条項も盛り込んだ。
決議は民主党のペロシ議長が3日提出していたもので、異例のスピード採択となった。チベット騒乱への弾圧を「世界の良心に対する挑戦」と同議長が非難していたのに対し、中国国営新華社通信は論評記事で、「いかなる外圧にも屈しない」と反発していた。
内容をみると、弾圧停止とダライ・ラマとの対話要求のほか、独立した国際監視団と報道関係者のチベット訪問許可▽収監されたチベット人の即時釈放−を中国政府に要求。米国務省に対しても、中国を人権抑圧国のリストから除外した人権報告書の判断を撤回するよう迫っている。慰安婦問題をめぐる対日非難決議と同様、今回の決議にも強制力はない。
チベット問題に国際的な関心が高まるなか、決議は与野党議員が足並みをそろえる超党派の支持を獲得した。反対した唯一の議員は、マケイン上院議員の指名獲得が確定した共和党の大統領指名争いになお形式的に参加しているロン・ポール氏だった。