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防衛相が訪米断念 米軍再編の具体論求められ?

2008年04月10日06時13分

 石破防衛相が5月の大型連休中に予定していた米国訪問とゲーツ国防長官との会談を断念したことが、9日わかった。会談の日時や場所がほぼ決まっていたにもかかわらず、訪問自体が取りやめとなる異例の事態だ。テーマをめぐる日米間の思惑のずれが主な理由と見られる。

 日米関係筋によると、石破氏は、防衛相就任後初の外遊先に米国を選び、両国の調整で5月5日午後にワシントンでゲーツ氏と会談する日程が固まっていた。だが、協議内容をめぐる水面下の打ち合わせで、石破氏側は(1)米軍再編の全体像(2)日米安全保障体制の今後――など大枠の議論を要望。これに対して、米側は米軍再編について、普天間飛行場の移設計画や沖縄の米海兵隊8千人のグアム移転の見通しなど、具体的な協議を求めた。

 普天間移設問題では、沖合への移設を求める沖縄側と政府の交渉が難航している。防衛省の環境影響評価(アセスメント)の調査が遅れるなど2014年の移設が危ぶまれている。米側はブッシュ政権の任期中の具体的な前進を求めており、防衛省内には「今訪米してもくぎを刺されに行くようなもの」(幹部)と消極論が広がった。

 防衛省首脳は9日、「国会日程が厳しく、イージス艦の事故で危機管理が問われる中、訪米してどれだけプラスになるのか考える必要がある」と述べた。(山田明宏)

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