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大阪・キタでファッション対決 三越伊勢丹VS阪急

かつて提携 手の内知る

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三越伊勢丹が出店するJR大阪駅北側(後方はヨドバシカメラ)(8日午後、本社機から)=上田尚紀撮影

 2011年に大阪・梅田のJR大阪駅前に再進出を計画していた三越の大阪店が、流行に敏感な首都圏のOLらから圧倒的な支持を集める伊勢丹の主導で、店作りをすることになった。すぐ南側では、阪急百貨店の梅田本店が11年の完成を目指して増床工事を進めており、ファッション業界で「東の伊勢丹、西の阪急」と並び称される両百貨店が、阪急の本拠地で“ガチンコ対決”する。

◇8万平方メートル

 「(JR西日本が運営する)隣の専門店街の3万平方メートルとの相乗効果で8万平方メートルの店作りをする」

 新店の売り場面積は約5万平方メートルだが、三越と伊勢丹を傘下に持つ三越伊勢丹ホールディングスの武藤信一会長は8日、大阪での記者会見で強調した。阪急・梅田本店が11年、甲子園球場が2個収まる広さの8万4000平方メートルに増床することを強烈に意識した発言だ。1997年に関西で初出店したジェイアール京都伊勢丹で成功した“伊勢丹流”で、真っ向勝負する作戦だ。

◇ライバル

 ファッションに定評のある伊勢丹と阪急百貨店は、企業体質も似ていると言われる。業界再編に先駆けて96年、衣料品の商品開発などで業務提携(07年12月に解消)し、互いの手の内は知り尽くしている。阪急が2月、梅田の「HEPナビオ」に開業した「メンズ館」は男性のおしゃれ心に火を付けた。だが、元はといえば、伊勢丹が東京・新宿の本店に03年に開業した「メンズ館」を参考にした経緯がある。

 伊勢丹は、新進デザイナーの発掘などでアパレルメーカーに対する発言力を高め、売れ筋の商品を確保しやすい体質を作った。伊勢丹の品ぞろえは、関西系の百貨店にない最先端の「とんがったファッション」が特色とも言われる。阪急が品ぞろえやサービスで「西の横綱」の地位をどう死守するかが焦点となる。

◇梅田一人勝ち?

 伊勢丹と阪急の対決は消費者には朗報だが、他の地域の百貨店関係者は「客の目が梅田に集中しかねない」と戦々恐々だ。

 難波の高島屋は10年、阿倍野の近鉄百貨店も13年にも増床を予定。だが、11年に6万4000平方メートルに増床する大丸梅田店、今年10月に阪急と合併し建て替えも検討する阪神百貨店を合わせ、4店が競合する梅田の勢いは止まりそうにない。

2008年4月9日  読売新聞)

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