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2005年12月06日

いのしし旨い!

岡山のT君からイノシシが届いた。

留守電に、

「あのぉ~今、イノシシの血抜きをしとるんですが、いるようでしたら送ります。」

要るに決まってるぜ!食いたい!

このT君は、数週間前に築地の「うまいもん屋」で呑んでいる時に、「やまけんさんのブログみて岡山から来たんですよぉ~大満足でした!」と出会った若者である。市の職員でもありながら農業者でもある彼の目線が強く、まっすぐなところが一目で気に入った。その後、岡山物産展で出展していたという見事な桃太郎ブドウを送ってくれた。

品種は瀬戸ジャイアンツだが、同類のものと比べて明らかに栽培技術が上の人が作ったのだろう、超絶絶品であった。小売店では一房4000円以上になるのではないだろうか。

その後、また東京に来ると言い、「匠に行きたい」というので、御礼に寿司をご馳走した。

「東京の寿司も旨いですのぅ!」

と感動して帰っていったと思ったら、この電話である。イノシシ、大好きだぜ。

送ってきてくれたのは骨付きの腿(もも)肉、ロース&バラ、そしてスペアリブだ。全部で2Kgくらいあるだろうか。

「岡山ではどうやって食べるのよ。」

「そうですねぇ、モモ肉はトンカツならぬシシカツにして食べると旨いですねぇ、その際には味が濃ゆいので豚肉より屋や薄目に切った方が旨いです。ロースは焼いても佳いし、シシ鍋やシシ汁にしてもいいですよ。」

うおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんちゅう旨そうな!

ということで早速 塩と胡椒を振り、小麦粉をはたいて卵に通し、パン粉をつけてカラッと揚げ、シシカツにする。

ぐ、 ぐ、 グレートに旨い!!
なんじゃこの優しい食感と、湧き出る芳醇な旨味!
獣肉特有の獣臭など全くしないゾ。むしろ、豚肉よりも上品。牛肉よりクセがない!
思わず5枚も食べてしまった。

これは、日本橋ぼんぼり京橋店の小池ちゃんの火の通し方を参考に中をレア加減に揚げてみました。ていうか分厚くてこうなっちゃった。これも美味なり。けど、個人的には火を通しきって脱水したほうが旨味が出ると思う。
野生のイノシシは、ジストマや寄生虫を持っていることが多くリスクが高いので、レアで食べてはいけません。私の揚げ方がはヘタなのでこうなってしまいました。皆さんは真似をされませぬよう、、、

あまりに旨いので久しぶりに加賀谷とタケを呼んでイノシシを焼く。

二人ともイノシシは初めてだという。「ちょっと匂いがきついんでしょ?」というのを、ふふふと笑ってとにかく焼いて食べさせた。

「!」

「う、旨い、、、」

二人とも、10秒ほど声が出ない。
それほどに旨いイノシシ肉だったのだ。ちなみに調味料は塩と胡椒だけ。
こんなに旨いのも、イノシシの血抜きと処理が旨いからだ。筋の周辺、血が混じった箇所は若干あの獣臭がしたが、それにしても上品な肉である。
バラとロースは薄切りにしてミソ仕立てのイノシシ汁にした(イノシシ肉を煎って油を出し、昆布出汁と共に煮る。根菜類をイノシシ油で炒めて一緒に煮て味噌で仕立てる)。
イノシシ肉はどんなに煮込んでも堅くならない。そして上品かつ野趣溢れる味である。
T君、ご馳走様でした。噂の奥方にいずれお会いしたいものです。

このイノシシ、関西以南ではかなりの個体が人里に現れている。山中に食べ物がないからである。そして人里でねらい打ちされるのは畑である。人間が食べて旨いものはイノシシが食べても旨い。なにせ、自然状態の植物ではなく、品種改良して味を追求したのが作物だから、彼らにとっては夢のご馳走である。畑を荒らさないわけがない。そう言うわけで、今や岡山の中山間地での栽培は、畑を電気柵で囲ってイノシシが入ってこられないようにしなければならない。当然、高いコストがかかる。

「だもんで、我々はけっこうイノシシを食べる機会が増えています」(T君)

イノシシは旨いが獣害は困る。
しかし獣にとってみれば、環境の大変動の中で山中に食料が無くなり、人里に降りざるを得ないのであろう。人の営みと自然の営みをどのように合わせていけばいいのだろうか、そろそろ人間の方が生活レベルを下げていかないといけないのかもしれないなぁ、と旨いイノシシを突きながら、それが実現可能なのかどうかを胸の中で問うてみた。

Posted by yamaken at 2005年12月06日 11:09 | TrackBack
Comments

いやぁ、ごっちゃんでした。
ホンマに旨かった!!
ありがとさん。体調気ぃつけえよ~

Posted by: 竹 at 2005年12月06日 13:10

12:22、「噂の奥方」がボルシチの仕込み中。鍋を確認したところ、前段階ボルシチの中に当該イノシシの前足・肩胛骨などを発見。どうやら「猪骨ボルシチ」が完成に向かっているらしい。あたらしい世界への扉が開かれようとしています・・・

Posted by: T at 2005年12月06日 17:35

ムオッ!そうかシシカツは薄く切ることがポイントなのか いやぁ~参考になりましたぞ!
ここ兵庫でもシシ鍋は冬の定番になろうかの勢いだ 今年も旨いシシを食べまくるぞ!
やまけん貴重な情報をありがとう!

Posted by: プチ雄山 at 2005年12月07日 03:09

はじめまして。かずまんと申します。

きのう、兵庫県丹波の猪肉屋に取材に行きました。
そして今日やまけんさんのブログを見るとイノシシについてのことが・・・これは書かないわけにはまいりません。

生産者の方が言うには、猪肉が臭いという先入観はイノブタの臭さから来るものだそうで。
実際、イノシシもしっかり血抜きして処理されたものは全く臭くなく、美味なるもの。
外見は猪もイノブタも成長したらプロが見てもわからないそうでよくイノブタを猪として提供しているお店がありそういうところから「もう二度と猪は食べたくない」ってなるそうです。

それに比べて特に丹波のイノシシは純系が守られているから肉もうまいらしいです。

イノシシ丼をご馳走していただきました。

「ししかつ」もうまそうですね。

Posted by: かずまん at 2005年12月07日 17:34

イノシシは宮崎県日向市で一度だけ食べました。塩こしょうで焼いただけでしたが、味が濃くて旨みが多くてメチャクチャ旨かったですね。しかし同伴した人はイマイチ気に入らなかったらしい。不思議ですね。特に臭くもなかったです。とにかく旨かったという記憶だけ残っています。また何時か食べてみたいです。

Posted by: かにぬー at 2005年12月08日 00:16

桃太郎ぶどうは一房4000*2以上ではなかろうかと存じます。
おいしいですよね。
大手まんじゅう最高。
山珍のぶたまんも最高ですよ。

Posted by: bima at 2005年12月10日 07:54

はじめまして。イノシシのバラ肉をベーコンにすれば
さぞかし美味しいんでしょうねえ。

Posted by: 練習菌 at 2005年12月12日 14:05

シシ肉ベーコンは旨いですよ。舌に浸透するような旨みはちょっと豚では再現できないでしょう。野菜と炒めてよし、スープの出汁にしても最高。炙ったものを噛んでいると口の中でスープが作られて行くようです。

Posted by: T at 2005年12月12日 17:28

やはりそうですか。機会があればシシ肉ベーコンに挑戦してみたいと思います。

Posted by: 練習菌 at 2005年12月14日 22:10
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