ポーアイで神大入学式　万能細胞研究の山中教授が講演

山中教授の講演に耳を傾ける神戸大の新入生＝８日午前、ワールド記念ホール（撮影・峰　大二郎）

　神戸大の入学式が八日、神戸・ポートアイランドのワールド記念ホールで開かれた。神戸大医学部を卒業し、世界で初めて人の皮膚から万能細胞（ｉＰＳ細胞）を作った京都大の山中伸弥教授(４５)が記念講演。世界で活躍する大先輩の姿に、スーツ姿の新入生が熱視線を注いだ。

　全十一学部十三研究科の計約四千人が参加した。野上智行学長は式辞で「世界最先端の研究者は別世界の人ではない」と山中教授が卒業生と紹介。「努力を積み重ねれば、願いは実現できる」と語り掛けた。

　講演で山中教授はｉＰＳ細胞の研究を振り返り、「当初、うまくいかないときが続いたが、跳ぶ前に準備しているだけと自分に言い聞かせた」と振り返った。「研究はマラソンのようなもの。勝ち負けではなく、完走して自己ベストを出すことが大事」と後輩にエールを送った。

　発達科学部に入学した香川県出身の大塚早笑さん(１８)は「山中教授の話は分かりやすく、自分でも頑張ればトップレベルの研究ができるかもしれないと自信になった」と話した。（霍見真一郎）

(4/8 12:13)