欧州・ロシア

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

五輪聖火:採火式妨害行為に触れず 中国のメディア

 【北京・堀信一郎】ギリシャで24日に行われた北京五輪の聖火採火式で、チベット情勢への中国当局の強硬姿勢に抗議する妨害行為が起きたことで、中国政府はチベット問題の世界的な影響を実感したことになる。五輪開幕までの4カ月半、聖火リレーの妨害が拡大すれば、「平和の象徴」であるはずの聖火が「人権抑圧」のシンボルと化し、北京五輪のイメージを傷つける恐れもある。

 「五輪聖火の採火に成功」(人民日報)、「激情は燃え、夢が伝わる」(中国体育報)--。25日付の中国各紙は1面トップに採火式のカラー写真を掲載し、成功をたたえた。主要紙は採火式があったオリンピック発祥の地オリンピア遺跡に記者を派遣し、大々的に報じた。だが、妨害行為には触れていない。中国当局の意向に沿ったとみられる。

 中国国営中央テレビも24日夕、採火式の模様を放送したが、妨害場面はカットされた。

 一方、中国外務省の秦剛副報道局長は25日の定例会見で採火式での妨害行為について「五輪を破壊しようとする行為は許されない。卑しいのは中国ではなく、破壊分子だ」と非難。「中国は五輪を無事に行うことに自信がある」と述べた。

 聖火は31日に北京入りした後、ロンドン(英国)、サンフランシスコ(米国)、キャンベラ(豪州)、長野などを経て、8月6日に再び北京入りする。

 この間、リレーのハイライトになる世界最高峰チョモランマ(エベレスト)への登頂のため聖火は6月19日にチベット自治区に入り、20~21日に区都ラサを通過する。ラサの情勢は「沈静化した」と中国当局は発表しているが、聖火入りに合わせて抗議行動が再燃する可能性も否定できない。

 五輪成功に国家の威信をかける中国は期間中、武装警官など約9万人態勢で安全確保を目指す。だが、海外での聖火リレーは各国の協力に頼るしかなく、推移を見守る以外に打つ手はなさそうだ。

毎日新聞 2008年3月25日 20時10分(最終更新 3月25日 23時57分)

検索:

瞬間ベストセラーランキング

【本:旅行・留学・アウトドア】の売れ筋商品!

関連記事

3月25日五輪聖火:採火式妨害行為に触れず 中国のメディア

欧州・ロシア アーカイブ一覧

 

おすすめ情報