ここから本文エリア 大阪対東京「福岡の陣」 「教員の卵」九州で探せ2008年04月05日 大阪府と東京都の教育委員会が今年から、九州での新人教員の採用活動に本腰を入れる。団塊世代の大量退職で、2千人を超す採用が必要な事情は同じ。近年、双方の地元や名古屋などで「教員の卵」を取り合ってきたが、手つかずだった九州にそろって狙いを定めた。 大阪府教委は6日、堺市と合同で福岡市内で100人規模の説明会を開く。7月の1次試験の面接も、福岡市を会場の一つに加える予定だ。府教委の担当者が3月半ばに福岡県教委を訪れ、「九州全域から広く集めるためで、福岡を狙いうちするわけではない」と理解を求めた。 大阪府では第2次ベビーブームと高度経済成長による人口流入が重なり、児童・生徒が急増、70〜80年代に教員を大量採用した。その結果、50代が約半数を占める年代構成となり、大量退職に伴って05年度以降、2千人規模の採用を続けている。募集増により競争倍率が低下。小学校では99年度の32.3倍(募集枠50人)から08年度には2.8倍(同1270人)と急落した。3倍を切ると質が維持できないとされ、志願者を増やすことは重要課題だ。 このため府教委は5年前から説明会場を大阪以外に広げ、昨年は東京、名古屋、高松、広島で開催。今年は九州に「上陸」することにした。 やはり志願倍率の低下に悩む東京都教委は、昨年から東北地方での採用活動を本格化。さらに今年は、4月19日に鹿児島市で、同20日に福岡市で100人規模の説明会を開く。担当者は「大阪と説明会のタイミングが合ったのは偶然だが、狙いは一緒のはず。都会嫌いの志願者には、自然に恵まれた多摩地区や離島も職場とアピールしたい」としている。 九州は教職課程のある大学が多い半面、教員募集は大都市部に比べると少ない。例えば小学校の倍率は福岡県6.4倍、鹿児島県9.2倍、宮崎県10.7倍(いずれも08年度試験)と、学生にとってはまだ「狭き門」だ。 大阪府教委の担当者は「九州、山陽の新幹線が3年後に結ばれれば大阪と九州はより近くなる」と福岡で呼びかけるつもりだ。また、橋下徹知事が5日に大阪の説明会場でしたあいさつを福岡を含む地方会場でも流す。 対する福岡県は、10年後の採用のピークに向け募集を増やしていく計画。担当者は「何らかの対抗策を練る必要がある」と警戒感を示している。(石木歩) PR情報関西ニュース
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