聖火リレー、妨害次々 ロンドン騒然2008年04月06日22時43分 【ロンドン=土佐茂生、村上研志、尾形聡彦】季節はずれの雪が舞うロンドンで6日、北京五輪に向けた聖火リレーが行われた。12年の次の夏季五輪開催地だが、祝福ムードはほとんどなく、開始直後から、リレーを阻もうと沿道から次々と飛び出す人たちをかわし続けながら走る異様な展開となり、後半ついに一部コースをバスで通過する事態になった。
聖火は午前10時半に西部ウェンブリー・スタジアムをスタートしたが、抗議はその直後から。チベットの旗を掲げた3人と警官隊がもみ合う騒ぎを皮切りに、抗議者たちは聖火を消そうとしたり奪おうとしたり。消火器を持ち出す人もいた。 ランナーには中国からの10人余りの警備要員と英国の警官数十人が伴走する物々しさで、断続的に現れる抗議者を阻みながらのリレーはさながら障害物レースとなった。ロンドン警視庁はスタートから4時間余りで30人の身柄を拘束したとしている。 大英博物館前やトラファルガー広場を聖火が通過すると、待ちかまえていた「フリー・チベット!」と叫ぶ抗議デモ隊の怒号やブーイングがわき起こる一方、別の場所では、中国学生らの聖火歓迎デモもあり、騒然としたイベントに。中心部のセントポール寺院付近で2階建てバスに乗せて運ぶはめになった。 リレー参加者は金メダリストや児童、著名人ら約80人。中華街やトラファルガー広場などを通る約50キロのコースに警視庁は約2千人を配置して警備にあたった。 警視庁によると、在英や在欧州のチベット人や人権団体など少なくとも6団体が抗議デモを計画。リレーには傅瑩駐英中国大使も参加したが、抗議の的になるのを恐れ事前に公表されず、ルートも変更された模様だ。 次期開催国という立場から、ブラウン首相も首相官邸前で聖火ランナーを出迎えた。しかし野党や人権団体からは「世界に誤ったメッセージを送る」と批判の声があがった。 聖火リレーは7日、やはり抗議行動が予想されるもう一つの「危険地帯」パリに舞台を移して続けられる。 ■ダライ・ラマ「妨害行為するべきではない」 【ニューデリー=高野弦】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は6日、在外チベット人らによる北京五輪への妨害活動が相次いでいることについて、「すべてのチベット人は、オリンピックを妨害する行為はするべきではない」との声明を発表した。 PR情報国際
|
ここから広告です 広告終わり どらく
鮮明フル画面
一覧企画特集
特集
アサヒ・コム プレミアム朝日新聞社から |