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聖火リレー、妨害次々 ロンドン騒然 

2008年04月06日20時41分

 【ロンドン=土佐茂生】季節はずれの雪が舞うロンドンで6日、北京五輪に向けた聖火リレーが行われた。12年の次の夏季五輪開催地だが、祝福ムードはほとんどなく、開始直後から、リレーを阻もうと沿道から次々と飛び出す人たちを中国からの伴走者や警察官がかわし続ける異様な展開となった。

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ロンドンの聖火リレーで、警察官に取り押さえられる抗議者=AP

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聖火リレーが出発したウェンブリー・スタジアムの外で、チベット騒乱に抗議する人権団体のメンバーら=ロンドン、AP

 ロンドンは未明から雪化粧。聖火は午前10時半に西部ウェンブリー・スタジアムをスタートしたが、抗議はその直後から。チベットの旗を掲げた3人と警官隊がもみ合う騒ぎを皮切りに、抗議者たちは聖火を消そうとしたり奪おうとしたり。自転車で突っ込もうとする人や消火器を持ち出す人もいた。

 ランナーには中国からの10人あまりの「警備要員」と英国の警官数十人が伴走する物々しさで、断続的に現れる抗議者を阻みながらのリレーはさながら障害物レース。その一方で、北京五輪を支持する中国人らのデモもあり騒然としたイベントになった。

 リレー参加者は金メダリストや児童、著名人ら約80人。中華街やトラファルガー広場などを通る約50キロのコースにロンドン警視庁は約2千人を配置して警備にあたった。

 警視庁によると、在英や欧州のチベット人や人権団体など少なくとも6団体が、1千人以上を動員する抗議デモを計画。このため最後まで一部区間の走者が公表されない異常事態になった。

 ブラウン首相も首相官邸前で聖火ランナーを出迎え。しかし野党や人権団体からは「世界に誤ったメッセージを送る」と批判の声があがった。

 聖火リレーは7日、やはり抗議行動が予想されるもう一つの「危険地帯」パリに舞台を移して続けられる。

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