硫化水素？　一家５人が倒れ１人死亡　大阪・枚方

　４日午前７時１５分ごろ、大阪府枚方市招提南町２丁目の会社員、吉久茂さん（５５）方から、「家族が風呂場で倒れていて、ガスのにおいがする」と１１９番通報があった。枚方寝屋川消防組合消防本部の救急隊が駆けつけたところ、吉久さんの家族５人が住宅内で倒れており、病院に搬送されたが、浴室内で見つかった長女（２３）が死亡し、妻（４７）が意識不明の重体。枚方署は、浴室の扉に粘着テープで目張りがされ、付近に硫黄のようなにおいが漂っていたことなどから、長女が室内で硫化水素を発生させて自殺を図ったとみている。

　このほか同居している吉久さんの義父（７４）と義母（７１）、次女（２１）が軽症。吉久さん方は７人暮らしで、吉久さんと長男（２５）は仕事で外出中だった。

　調べでは、吉久さんの義父が浴室から物音がするのを不審に思い、浴室の扉を開けたところ、長女が倒れていたという。妻は長女を助け出そうとした直後に意識を失い、その場に倒れた。浴室内には、液体のトイレ洗浄剤などの容器が数本残されていたという。

　現場は一戸建ての住宅が立ち並ぶ住宅街。この日は、救急車や消防車などが次々と現場に到着し、現場の民家から半径約２０メートルの範囲内の立ち入りが一部規制されるなど、一時騒然とした。

　近くに住む６０代の女性は４日早朝、吉久さん方の浴室付近から、大きな音で音楽が流れているのを不審に思い、吉久さん方を訪れたところ、次女が震えながら外に出てきたという。玄関からすぐに強いにおいがしたという。