(CNN) 南米ブラジルのリオデジャネイロ州当局によると、同州を中心としたデング熱の流行で、今年に入ってからの感染者が5万7000人を超え、死者は67人に達した。病院ではベッド数が不足するなどの事態となっている。
同州保健当局が3日発表したところによると、死者の半数近くは13歳未満の子ども。感染者5万7010人のうち、重症型の病態であるデング出血熱の患者が513人を占めるという。
地元紙がマイア・リオデジャネイロ市長の話として伝えたところによると、同市の病院には市外からも患者が殺到し、受け入れが追いつかない状態。同紙によれば、病院での待ち時間は平均8‐28時間にも及ぶという。州保健当局は、国内各地の小児科医に応援を要請した。また、連邦当局は今週、保健当局職員や軍要員2000人による緊急対策に着手。住民の家庭を訪問して、デング熱を媒介する蚊の生息地を知らせるなどの対応を進めている。
米疾病対策センター(CDC)によると、デング熱の感染者は世界で年間1000万人に上ると推定される。ワクチンなどはなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法。デング出血熱は死亡率が高いが、適切な治療をすれば致死率は1%以下に抑えられるという。