2008年03月30日

再現系



ゆりあP作品
大半の視聴者は実はとても保守的である。彼らは貴重な時間リソースを純粋な好奇心だけで費やすよりは、面白い事が補償されている作品を欲する。P補正、曲補正の正体がこれであり、ランキングに上がってくる作品が更に伸びるのもこれが理由だ。
再現系と呼ばれる作品の受けがいいのも当然のことで、元ネタの知名度が高ければ視聴者の安心感も増す訳だ。
アイマスである必用はあるのか? という作品も無い訳じゃないけれど、こう言うのは作者を労いながら何も考えずに楽しむのが正解なんだろう。
この作品の影像のすごさに、こちらの方がティンと来たのも無理はない。ただこれについては、元ネタとの親和性は非常に高いように感じられる。「2.5次元」とか「モニタの中に入る」とかそういう言葉が飛び交う「ニコマス」と、現実と虚構の認識に強烈な揺さぶりをかけた元ネタ「マトリックス」。なにか、こう、現実とモニタの向こうが地続きであるような妄想に囚われてしまった……のは多分俺だけなんだろうな。



以下、とある別作品を壮絶にdisる事になる。
MCSの投票も関係してくるので、読むことはお勧めしない。


再現系は元ネタを知らずともある程度楽しめるものが多い。元ネタはなんといってもプロの作品であり、絵がきちんと出来ている。ただ元ネタ作品のメッセージ性が強い場合、元ネタを切り離して絵だけ持ってくるとメッセージが歪んで伝わる事になる。そんな危険性に気づかず、ただ面白いから、みんな知っているだろうで作ってしまった動画がここの2番目だ。
ゴミ貯めや廃墟やキノコ雲を背景に大口開けて笑うアイドル達に、自分は嫌悪感を覚えてしまった。
私は元ネタを知らない。
だが、元ネタにはこの絵に意味があったのだろう。
しかし、この再現系の動画からは意味やメッセージは一切感じられなかった。

IRCで某PがMSCに残った作品を見て「ニコマスに失望した」と言っていた。視聴者もPもアイドルマスターという世界を消費物のように扱っていると。あと、MSCについてはこちらでもdisり気味の記事が上がっている(もっとも応援していた作品が勝てなかったひがみもあるのだろうけれどw)。私が見た限りにはこの2番目と、あと4番のピエカトは露骨すぎと思った。

以上はあくまで個人の嗜好の問題であり、私個人のひがみも多分に混じっている。

ただ勝つ為に作品の構成を歪めたり、受ける為にどんなネタでも使うという風潮がはびこるのであるならば、確かにMSCはこれっきりにして欲しいとは思う。
posted by tlo at 20:46| Comment(6) | TrackBack(0) | 動画紹介
この記事へのコメント
MSCの大会趣旨は「限られた時間の中で良い作品を見抜く」ことだったと思うのですが、これが2回目になって「全力で釣られる」大会に変貌しつつあるのは間違いないと思います。

「祭りだからいいじゃねーか」ってコメントもよく見ますが、順位付けとそれに伴う勝敗が存在する以上参加者は胃をギリギリさせながらこの1ヶ月過ごしてるでしょうし、それをこの規模でみんなで仲良くニコニコお祭りってのは残念ながらもう無理でしょうw。

僕はどの作品も手間暇かけているのは感じましたし、そのそれぞれの手法に関してはなんでもありでいいとは思いますが、むしろそれを選別する「目」は投票する方に委ねられていることをここらで再確認しておかないと、将来的にさらに壮絶な禍根を残しそうで怖いですね。
あとカクテルみたいに参加人数絞るとか。明らかに個人が趣旨や方向性をコントロールできる範疇超えてますし。
Posted by Die棟梁 at 2008年03月30日 22:41
MAD的な視点から行くと、受けを狙うのは当然で。
受けを狙う以上本歌取りに走るのはむべなるかな。
問題は元が映画オープニングだって事で。
本編への期待を高める導入部だけ置かれても、「だから?」って言いたくなる時は確かにありますねw
本人が自覚してるとそうでもないんですが。

大事なこと思い出した。
予選流し見して投げたんだったw
前回は投票までしたんですがねえ。

まあ、ニコニコは掛けた手数とミスマッチを過剰評価してくれる優しい場所だからw
視聴者の傾向をつかむためのアンケート企画だと考えれば良いんじゃないでしょうか?
Posted by よっぱらい。 at 2008年03月31日 02:45
横からいきなり口出しして恐縮ですがDie棟梁Pとかなり同意見かもです。

MSCは大人数のPが一斉に動画を見せ合うユルいなぁなぁの「祭」としての側面と、P同士が真剣で斬り合う様なガチのトライアルの「大会」としての側面の両方を持っていると思うので、
そこを考えるとdisるべきは投票者サイドなのかなぁと思います(これを書くとPをdisる以上に好感度が下がってオススメ!)

リアルの世界の賞を例に出すまでもなく、選考者は出品者よりも偉いという構図でなければ(本来は)いけないんじゃないかと、少なくともそこに近づこうという意思は必要なんじゃないかと思います。
それが「大会」としての体を守るための最低限の条件であり、今回のもやもや感は「祭」としてのテンションに引き摺られて"視聴者"が"採点者・投票者"の意識になれないまま票を入れた、というのが多々あったせいの結果だと自分は分析しています。
バカやったり実験的なことをやって許されるのは出品者サイドだけの特権であって選考者はもっと厳かにやれよ、と、簡潔にいえばこんな感じです。

つまり例の2番目の作品も(自分も映像のインパクト以上のものは感じられなかったけど)出品されることに関しては大いにアリだったと思います。
これを15秒見続けてなお続きが見たいと思った人が多かったというのが果てしなく意味不明ではありましたが。(元ネタを知っている人なら30秒、1分でさしたる変化が無いことも解ってた筈だし)

上のことも含めてだけどそもそもの一番大きな問題は、これが第二回目であることに起因すると感じました。
前回の教訓を活かして、と言えば聞こえは良いけど実態は水が低いところに流れるように勝つ手段を探す様態だったし、1回目でガチ作品だけが勝ち残った反動も投票サイドには恐らくあったでしょう。
レギュレーションの中でベストを尽くしたと見るなら間違いなく正しい流れではあるけれど、その結果がこれならば大会趣旨自体が動画の面白さの本質とは別の部分を加速させるものだったという結論に達すると思います。

あぁ、すごい広範囲にわたってdisってしまった。
はやく自ブログで絶賛記事を書く作業に戻らないと。
Posted by 婿固め at 2008年03月31日 13:29
アイマスを素材として扱う最右翼にいるような私が言うのも何なのですが。。
再現系はMSCのように作品同士を競わせる場では、出すべきじゃないと思っています。
再現系は構成や演出が「自分」を表現する部分を放棄しています。半分以上他人が作ったような習作映像を、自分のですって大会に出すようなものですから。
映像として面白いとか以前に審査対象外です。
Posted by AToll at 2008年04月03日 02:27
記憶が定かではないのですが、cx0101PがMSCを思いついたきっかけというのは某スレで「P名無しでその動画を見た時、底辺と頂点に違いはあるのか」という話題がでたときじゃなかったかと思います。
P名の代わりにプロの作品を持ってくるのは、確かに大会の趣旨に反するでしょうね。ATollPのご指摘は極めて明快と思います。但し、MSCが純粋に「大会」であるならば、です。
MSCが「大会」としての側面と別に「祭」という側面を持つというDie棟梁Pと婿固め氏の指摘がありました。お二人はその二面性の弊害が見る側に影響を与えていると主張されましたが、作る側にも影響は大きいのでしょうね。これを作られた方はきっと、これはみんなでわいわい騒ぐ「祭」だと思っていると信じたいです。
MSCが今後、レギュレーションや審査体制を整えた「大会」になっていくのか、勝ち残りを排して精々ファン投票程度の緩い「祭」になるのか、そもそも3回目があるのか、cx0101Pの舵取りに期待したいところです。
Posted by tlo at 2008年04月03日 21:19
壮絶にdisと聞いて、自分の作品に対することなのだから発言の権利くらいはあるかな?と思い書き込ませていただきます。まだ発表が行われていないので仮名です。
読ませて頂いて思ったのが、「ステージの違い」もしくは「スタンスの違い」「目的の違い」と言ってもいいでしょうか。
tloPさんがアイマスMADを作ることの目的は何なのかわかりませんが、私ははっきり言えます。それは「楽しむこと」。作って楽しい、観て楽しい。それが目標であり、シンクロ、歌ってみた、描いてみた再現エフェクト嘘コミュ、すべてそれに至る道でしかない。僕はこんなの面白いと思うけど、君達どうなの?それ以上の意味を持っていません。語弊があるとすいませんが、「アイドルへの愛の発露」や「自己の表現」「技術力」「オリジナリティ」、すべて手段でしかない。この大会の目的にも、「こういうの面白いでしょ?続きみたいよね?」以上の意味は感じていません。

再現系に対する考えを書かせていただきます。私は、自己を表現したり愛を伝えるよりも、自分の好きな何かと何かをくっつける、ということがとても楽しく感じます。そこに自分はいらない、できるだけ削ぎ落として接着剤になりたいと思っています。そして一番嬉しい瞬間は、「これを見て○○に興味を持ったよ」と言われるときです。この時の嬉しさは、パロディをやってみた人なら分かるかと。
自分が気持ち悪く感じた、理解できなかったという理由で失望しているのなら、元ネタに触れてみてはいかがでしょうか?分からなかったメッセージも分かるでしょう(ありますw)。それは新たな可能性にも繋がるかもしれません。

最後に、「『勝つ為』なら何でもアリ」だとするならば「てめえはアイマス使って目立ちたいだけだろ」という言葉に反論させていただきますが、私は当然一回戦で負けるものと思っていました。妄想代理人というアニメは決して有名ではなく、むしろ極マニア向けです。他にこのOPを再現した作品を私は知らない。つまり、やってもウケるかどうかまったくわかりませんでした。平沢進という偉大なアーティストの歌は衝撃ですが、実は平沢×アイマスも以前に存在しません。他の方の作品も素晴らしいですが、ヤスタカ、サンホラ、mosaicといった手堅く強い選曲を差し置いて、色物を「勝つために何でもする」と言われたことが一番の苦笑いです。固定ファンがいるそれらに比べ、どうみても賭けじゃないですか?
大会の結果はどうなるかわかりませんが、私は優勝作品には惜しみない祝福をするでしょう。願わくばtloPさんや他の皆さんもそうであって欲しいと思います。長文失礼しました。
Posted by F-2P(仮) at 2008年04月04日 06:08
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