ソウル――北朝鮮の慢性的な食糧不足問題で、韓国の対北援助団体「グッドフレンズ」は3日、首都・平壌の住民への食糧配給が半年間中止される見通しだと報告した。北朝鮮当局者の情報としている。
平壌でのこれほど長期の食糧配給の中断は初めてとしている。北朝鮮は昨年夏の大規模洪水で農地が甚大な被害を受けており、食糧不足が極めて深刻な状況をうかがわせている。
同団体は先月、平壌居住の中位、下位公務員へのコメ配給が3月に入り停止、2月には通常の60%まで削減されたと報告していた。平壌には、金正日総書記の体制に忠実とされる公務員、住民だけが居住をみとめられるとされ、同市の食糧事情は地方部に比べ、恵まれた状況にあると推測されてきた。
南部の一部地方は昨年11月から食糧配給がない状態で、集団農場の従業員は仕事も出来ず、今春の農作物の植え付け時期の準備が遅れる悪影響も出ているとしていた。
北朝鮮への食糧援助に当たる世界食糧計画(WFP)は先に、昨年夏の大規模洪水で北朝鮮がここ数年で最悪規模の食糧不足に遭遇していると警告。洪水禍で、北朝鮮の農地の11%以上が破壊したとしている。
北朝鮮は農政の失敗などから1990年半ば以降、食糧を外国からの援助に大きく頼ってきた。一時期には最大で数百人規模の住民が餓死したとの情報も流れている。