フジテレビは2日、昨年7月に放送した「FNS27時間テレビ」の中でスピリチュアルカウンセラー(霊能師)の江原啓之(ひろゆき)さんが一般女性の同意を得ずにカウンセリングしたことについて、「一番の問題点は非科学的、荒唐無稽(こうとうむけい)な霊視を番組の中核に置いたこと」と、番組制作の誤りを認める報告書を同局のホームページで公表した。
番組のコーナー「ハッピー筋斗雲」では、江原さんが「女性の亡くなった父の声」とする言葉を基に女性を批判。フジは報告書で、「霊視を断定や信じ込ませる取り扱いはしていないが、全体として肯定的に扱っているとの批判は免れがたい。バラエティー番組だから許されるレベルの問題ではない」とした。
この番組をめぐっては「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会が今年1月、「『おもしろさ』『わかりやすさ』をよりどころとし、出演者の生活への影響を考えていない」と批判する意見書をまとめている。【丸山進】
毎日新聞 2008年4月3日 2時30分(最終更新 4月3日 2時40分)