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■社会

国歌斉唱不起立 担任全員、指導認める 門真の第三中

 大阪府門真市立第三中学校の卒業式で、男子生徒1人を除く卒業生が国歌斉唱時に起立しなかった問題で、この学年を受け持っていた5人の担任全員が、市教育委員会などの調査に対し「君たちには内心の自由がある。君が代を歌わなくてもいい」などと指導したと認めていることが1日、分かった。担任らは「立たなくてもいいとは教えたが、不起立を促してはいない」と主張しているという。5人は大半の生徒と同様、国歌斉唱の開始と同時に着席し、斉唱していなかった。

 問題の発覚後、市教委や第三中は、卒業生の学年を受け持っていた担任5人、副担任6人への聞き取り調査を実施した。

 関係者によると、調査に対し5人の担任は「君が代を歌っても歌わなくてもいい」「自分自身の考えで判断しなさい」「親御さんと相談して決めなさい」といった内容を生徒たちに話したことを認めた。これらの指導は卒業式の当日か前日のホームルームなどの場で行われ、中には「先生は起立しないから」と生徒に告げた教員もいたという。

 このほか、副担任のうちの一人も「(昨年度の)最後の授業で、卒業式での君が代斉唱について生徒たちに話した」と答えている。

 ただ、調査に対し担任らは「起立や斉唱をしない自由もあると言っただけで、強要はしていない」などと訴え、不起立を促す指導ではなかったと主張。また、申し合わせたうえでの指導ではなく、各教員がそれぞれの判断で行ったと説明しているという。

 府教委小中学校課は「現時点で聞き取っている内容は最終的な調査結果ではない。市教委による事実関係の詳細な確認を待ち、指導が適切だったかどうかを判断する」と話している。

 第三中の卒業式は先月13日に行われ、卒業生172人のうち160人が出席。このうち159人と、担任5人、副担任3人が国歌斉唱開始時に着席した。

 

 (2008/04/02 8:30)

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