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統合した三越と伊勢丹はどちらが格上か?両デパートを「しょうゆ」で比較してみると北澤 強機(2008-04-01 20:30)
4月1日、大手百貨店の三越と伊勢丹が経営統合し、三越伊勢丹ホールディングスが発足した。約1兆5800億円の売上高を誇り、百貨店業界のトップに立つことになった。
新宿にある伊勢丹本店。創業121年を数える老舗だ(撮影:北澤強機) 日本橋のたもとにある三越本店。創業334年になる(撮影:北澤強機) 「うちの方がセレブな客が多い」「いやいや金持ちに愛されているのはこつちだ」と、両者の品格争いを見てきた消費者は、「で、結局どっちの品格が上だったの?」という気になるのではないか? そこで、私は「しょうゆ」に注目した。 たとえセレブであっても、日本人なら、しょうゆを1滴も摂取しない日は少ない。そしてセレブは、高級なしょうゆを使うにちがいない。つまり、どちらのデパートが高価な「しょうゆ」を扱っているかを調査すれば、三越と伊勢丹はどちらが格上か判断できるはずだ。 伊勢丹でもっとも高価なしょうゆがコレ。香りがすごくいい(撮影:北澤強機) 新宿にある伊勢丹本店には、開店と同時に行った。ロココ調の独特の建物の外壁には「誕生祭」のポスターがかかっていた。店員によると、いつもとあまり変わらない人出らしい。 地下1階の食品売り場に行き、「伊勢丹でいちばん高いしょうゆをください」というと、しょうゆが並ぶコーナーへ導かれ、すぐに手渡してくれたのは「有機生醤油 生江戸醤(なまえどひしほ)濃口」。 しょうゆの名産地として名高い千葉県の大高醤油の製品だ。価格は525円(税込)だが、内容量はたった120ミリリットル。つまり100ミリリットルあたり416.67円。 伊勢丹の醤油コーナーには、薄口、濃口、たまりなどのスタンダードのものに加え、ワインをベースにしたキワモノまで、約50種類が並んでいた。そしてすべての値札には、100ミリリットルあたりの単価も書かれている。店員が迷わずに渡してくれた理由も、この単価表示があったからこそ。 「伊勢丹、なかなかやるな」 ちなみにこのしょうゆが高価な理由は2点だ。 ・有機大豆(遺伝子組み換えでない)使用 ・ いちども火入れをしていない「生」 いっぽう、日本橋にある三越本店に着いたのは12時少し前。 限定BE@RBRICK(ベアブリック)ケータイストラップ(300円)を買おうとする人の行列ができていた。地下1階の食品売り場は、ものすごい活気。これは時間帯だけのせいではなく、伊勢丹ではやっていなかった、限定企画のべんとう、総菜に行列ができていたためのようだ。 限定ベアブリックを求めて行列ができていたは三越本店のほう(撮影:北澤強機) 白いブレザーを着た男性店員に「高いしょうゆを」と、告げると、すまなそうな笑顔をうかべて「しょうゆは、あの一郭だけです」と案内してくれた場所には、伊勢丹よりはるかに少ない約17種類(しょうゆ認定がむずかしいポン酢寄り、ダシ寄りをふくむ)。100ミリリットルあたりの単価表示もないため、暗算でもっとも高いものを見つけた。 三越本店で一番高かったしょうゆ。値段では伊勢丹に負けた~!!(撮影:北澤強機) 「三越の負けかな……」 この両しょうゆ、性格がまったくちがうので比較しづらいが、昼食のハンバーガーに1滴たらしてみたところ、より甘さを感じる「関ヶ原たまり」が好ましく感じられた。 統合記念セールは4月1日から2週間。三越と伊勢丹の全国32店舗で開催される。
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