「靖国ＹＡＳＵＫＵＮＩ」は、日本在住の中国人、李纓監督が、靖国神社を舞台に作ったドキュメンタリー映画です。神社に奉納する刀を作る職人や軍服を着た参拝者、それに合祀に反対する台湾の人たちなど、靖国神社をめぐるさまざまな立場の人の姿を紹介し、ことし３月の香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しました。一方、文部科学省が所管する独立行政法人が製作費用を助成したことなどについて、国会議員の一部が問題にしていました。配給会社によりますと、この映画を４月１２日から公開する予定だった東京と大阪の４つの映画館が、３１日までに、すべて公開中止を決めたということです。東京では、すでに別の映画館も公開中止を決めていて、東京で上映する映画館は今のところなくなったことになります。公開中止を決めた映画館の１つは、「詳しい理由は言えないが、周辺の商業施設に迷惑をかけるおそれがあることなどを考えた」と話しています。配給会社の「ナインエンタテインメント」は、「お客様に謹んでおわびするとともに、このような事態に陥ったことをたいへん遺憾に思う。日本における言論の自由、表現の自由への危機を感じている」と話しています。