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映画「靖国」公開白紙に 上映館全て辞退 トラブル警戒

2008年03月31日23時10分

 中国人監督が撮ったドキュメンタリー映画「靖国」をめぐり、公開日の4月12日からの上映を決めていた映画館5館すべてが、31日までに上映中止を決めた。すでに1館が3月中旬に中止を決めていたが、残り4館も追随したかたちだ。

 いずれもトラブルや嫌がらせなどを警戒しての判断という。5月以降の上映をほぼ決めていた別の数館は、日程や上映の可否も含めて配給側と協議を続けている。

 映画は4月12日から都内4館、大阪1館での上映が、配給・宣伝を担当するアルゴ・ピクチャーズと映画館側との間で決まっていた。

 今回中止を決めた銀座シネパトス(東京都中央区)を経営するヒューマックスシネマによると、3月20日過ぎから街宣車などの抗議を受けたことなどから、27日にアルゴに「降りたい」と伝えた。「お客さんや近隣の店への迷惑もあり、自主的に判断した」という。

 また、Q―AXシネマ(同渋谷区)も31日、「お客様に万が一のことがあってはならない」と判断。シネマート六本木(同港区)とシネマート心斎橋(大阪市中央区)を経営するエスピーオーも「他の映画館が中止すると、こちらに嫌がらせが来るのではないか」と、ひとまず中止にした。この3館については、これまで嫌がらせや抗議などはなかったという。

 これより先に新宿バルト9(東京都新宿区)が中止を決め、15日にアルゴ側に申し入れていた。

 この映画をめぐっては、公的助成金が出ていることを疑問視した自民党の稲田朋美衆院議員側が文化庁に問い合わせたのをきっかけに、国会議員向けの異例の試写会が3月12日に開かれた。

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