米兵らの犯罪相次ぎ摘発 「基地の町」三沢も怒り
「通院で7日も仕事を休まなければいけない。職場まで車で30分はかかるのに、復帰しても車は使えなくなった」。16日未明、自称アルバイトの元米兵にひき逃げされた十和田市のパート女性(44)が憤る。 女性は首にけがをし、車は部品が道路上に散乱するほど大破した。元米兵はそのまま逃走し、素知らぬ顔で知人方で酒を飲んでいたという。知人方そばには自分の妻所有の壊れた車があった。知人も元米兵の運転を認めているのに、「自分は運転していない」と供述しているという。 同様の事件がわずか6日前に立件されたばかりだった。酒気帯び状態の現職米兵が昨年10月14日朝、駐車場から車を出そうと後進させた際、三沢市の無職男性=当時(62)=をはね、頭にけがをさせて逃げた容疑で書類送検された。「運転していたのは知人だ」と主張しているという。 ほかにも、元兵士が元妻を殺害して車ごと火を付けた殺人、死体遺棄事件(06年7月)、兵士3人が絡んだブロンズ像の窃盗未遂事件(07年5月)と、基地関係者の犯罪が続発している。 基地と共存してきた地元は、基地の経済効果に頼らざるを得ないとはいえ、沖縄でも女子中学生暴行など米兵による事件が相次ぎ、怒りが一段と高まっている。三沢基地周辺町内会連合会の岩本芳勝会長(70)は「基地関連の犯罪がさっぱりなくならないし、最近のひき逃げは特に卑劣だ」と怒りをあらわにする。 三沢市選出の小桧山吉紀県議は県議会2月定例会の文教公安常任委員会で、この問題を取り上げた。「基地内までは捜査されないと思うのか、米兵らは犯罪への意識が低い。沖縄県でのこともあり、地元住民は非常に不安がっている。県警は『悪に国境はない』という厳粛な態度で臨んでほしい」と訴える。
2008年03月25日火曜日
|