2008年3月29日 (土曜日)

ときには妄想する

「漫画の特許」に関して日本の漫画界は沈黙する

 漫画やアニメにおいて、古くはアメリカが、昨今では、韓国、中国、フランスなどが国家戦略として文化産業の重要な位置付けをしている。

 そうした中で、各国は知的財産権としての著作権の推進と並行して、日本を尻目に、画像や映像技術としての関連特許の出願や登録も着々と積み上げが行なわれている。

 漫画やアニメは、基本的には個人の創造的作業ではあるが、産業面からみると組織的な集団的作業のバックアップ体制の存在が大きく関係してくる。産業化した場合に、製作作業の効率化、迅速化などに画像や映像技術が係ってくる要素があり、その技術の特許権を持つことで事業として莫大な利益を得られる可能性もある。

 このことは、逆にこの産業が「重要な特許」で頭を押さえ込まれたとき、国内では繁栄を続けられたとしても、世界的には衰退していくことになりかねない問題を含んでいることでもある。

 成立した「漫画の特許」の権利範囲は2件とも小さく限定されたものではなく極めて強大である。仮に、この「漫画の特許」を韓国や中国の人が国際出願して取得していたとしたら日本の漫画界はどうなったであろうか?

 「無効にすればいい」と簡単に考えていたら間違いである。日本の特許審査は他国よりは格段に厳しいと言われ、成立した特許は「無効」にするのが難しい。実際、「漫画の特許」を公開して10年、登録されてから4年を経過しているが、だれも「無効」であると手を上げた人はいない。

 むしろ、成立した特許は現在「有効」であり、これを有効利用するほうが得策と言える。なぜなら、特許で外国からの漫画の流入を制限し、国内の産業を保護することも可能となるからだ。業界は現在人手不足であるが、将来人員過剰となったときに役に立つことになるかもしれない。

 それでも、日本の漫画界は沈黙する。

(評論家気取りで一度言ってみたかったのです。この文章はそのうち削除します。)

2008年3月22日 (土曜日)

漫画の特許の解説(4)

誰でもわかるように、2件の特許の内容を解説します。

 先に特許第3520515号の特許を解説します。

 特許公報にある請求項1が特許の権利の基本となる部分です。

この発明は、

「(a)入力装置及び出力装置を備えたコンピューターシステムにおいて、入力装置がキーボード、マウス、コントローラー、イメージスキャナー、マイク及びモデムのうち少なくともキーボード及びマウスを有し、出力装置がモニター、プリンター、スピーカー及びモデムのうち少なくともモニターを有し、前記モニターに出力される画像を見ながら前記入力装置によって入力操作を行なうコンピューターシステムを用い、

(b)前記モニター画面内に一頁分全体の頁画面を映し出せるようにし、その頁画面を小区画に駒割し、

(c)その駒割のいずかの一駒又は複数の駒を選択して頁画面の上に重ねて任意の縮尺に拡大又は縮小させて表示できるようにし、

(d)その拡大又は縮小した一駒又は複数の駒の中に絵を書き込みできるようにし、

(e)その書き込まれた絵のデーターを一駒毎に記憶させ、

(f)それらの複数の記憶した絵のデーターを選択して適時に呼び出してその駒内又は別の駒内に表示できるようにすると共に、その呼び出した絵のデーターに上書きして新しい絵のデーターを書き込みできるようにし、

(g)さらにまたその絵のデーターに文字データーを上書きできるようにし、

(h)そして絵又は絵及び文字を書き込んだ各駒を一つの頁画面内に組み合せてその頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにすると共にそれらの表示画面を随時プリントアウトできるようにしたコンピューターを用いた漫画の製作方法。」

です。

 厳密には請求項の全文で特許権の権利範囲が決まるものですが、そのまま読んでも理解しにくいと思われますので、これを分かりやすく言えば次の通りです。

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 パソコンを使用し、

1)頁画面を小区画に駒割し、

2)その駒割した一駒を選択して拡大させ、

3)その駒の中に絵を書き込み、

4)その書き込まれた絵のデーターを一駒毎に記憶させ、

5)その絵のデーターに文字データーを上書きし、

6)その絵及び文字を書き込んだ各駒を組み合せ、

7)その表示画面をプリントアウトする。

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 この方法によって、無断で漫画を作ったとしたら特許第3520515号の特許権を侵害したことになります。

 次に特願平09-62120号の特許を解説します。

この発明は、

「(A)CPUとメモリを備えたコンピュータと、命令入力装置及びデータ入力装置を有する入力装置と、ディスプレイ装置を含む出力装置とから成り、前記ディスプレイ装置に出力されるモニタ画面を見ながら前記入力装置によってOS及びアプリケーションソフトを介してCPU及びメモリへの入力操作を行なうコンピュータシステムを用い、

(B)前記アプリケーションソフトには、

(イ)頁面全体をそのまま一つの単位区画とするか、頁面内を複数に平面分割して分割された各個を単位区画とするか、頁面上に複数の区画面を重層させそれら各区画面を単位区画とするか、のいずれかによる任意のコマ面を設定する画面制御ソフトと、

(ロ)頁面のコマ面の内部又はその内部から外部へはみ出して、任意の位置に任意の形状の吹出し面を設定する画面制御ソフトと、

(ハ)頁面に設定したコマ面と吹出し面に漫画の絵と字を書込むグラフィクス支援ツール、データベース支援ソフト、デバイス支援ツール、画面制御、データ転送、図形プロセッサ、ワードプロセッサ等のソフトと、

を組込んだ漫画製作ツールを使用し、

(C)前記入力装置によって前記CPU及びメモリへ命令及びデータを入力しつつ前記モニタ画面上で、見開き両頁面又は一頁面にコマ面と吹出し面を設定して、その中に漫画の絵と字の書込みを行なうことを特徴とするコンピュータを用いた漫画の製作方法。」

です。

 これを分かりやすく言えば次の通りです。

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(A)パソコンを使用し、

(B)使用する漫画製作ツールに次の(イ)(ロ)(ハ)のソフトが組み込まれ、

 (イ)単位区画のコマ面を設定する画面制御ソフト

 (ロ)コマ面の任意の位置に任意の形状の吹出し面を設定する画面制御ソフト

 (ハ)コマ面と吹出し面に絵と字を書込む図形ソフトやワープロ等のソフト

(C)モニタ画面上で、頁面にコマ面と吹出し面を設定して、その中に漫画の絵と字の書込みを行なう。

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 この方法によって、無断で漫画を作ったとしたら特願平09-62120号の特許権を侵害したことになります。

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2008年3月15日 (土曜日)

パソコン漫画制作ツールの特許が成立

成立した特許の全文を公開します。

【発明の名称】 

コンピュータを用いた漫画の製作方法及びその方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法

【特許請求の範囲】

  【請求項1】 CPUとメモリを備えたコンピュータと、命令入力装置及びデータ入力装置を有する入力装置と、ディスプレイ装置を含む出力装置とから成り、前記ディスプレイ装置に出力されるモニタ画面を見ながら前記入力装置によってOS及びアプリケーションソフトを介してCPU及びメモリへの入力操作を行なうコンピュータシステムを用い、 前記アプリケーションソフトには、(イ)頁面全体をそのまま一つの単位区画とするか、頁面内を複数に平面分割して分割された各個を単位区画とするか、頁面上に複数の区画面を重層させそれら各区画面を単位区画とするか、のいずれかによる任意のコマ面を設定する画面制御ソフトと、(ロ)頁面のコマ面の内部又はその内部から外部へはみ出して、任意の位置に任意の形状の吹出し面を設定する画面制御ソフトと、(ハ)頁面に設定したコマ面と吹出し面に漫画の絵と字を書込むグラフィクス支援ツール、データベース支援ソフト、デバイス支援ツール、画面制御、データ転送、図形プロセッサ、ワードプロセッサ等のソフトと、を組込んだ漫画製作ツールを使用し、 前記入力装置によって前記CPU及びメモリへ命令及びデータを入力しつつ前記モニタ画面上で、見開き両頁面又は一頁面にコマ面と吹出し面を設定して、その中に漫画の絵と字の書込みを行なうことを特徴とするコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項2】 コマ面と吹出し面の辺縁の周囲の全部又は一部に、任意の幅で任意の形状の枠線を設定できるようにしたことを特徴とする請求項1のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項3】 周囲の枠線を決めるコマ面と吹出し面の辺縁の形状を、あらかじめ製作して登録しておいた複数の形状の中から選択して自由に使用できるようにしたことを特徴とする請求項2のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項4】 絵と字のデータの移動が他のコマ面と他の吹出し面との間でも行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項5】 絵のデータが、三次元立体データであり、メモリに記憶格納した前記三次元立体データを呼び出し、任意の視角を選択してその絵をコマ枠内に書込みできるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項6】 データ入力装置に画像入力装置を有し、入力した画像を、頁面又はコマ面に書込めるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項7】 音声入力装置と音声出力装置を有し、入力された音声のデータを頁面、コマ面及び吹出し面に書込みしてメモリに記憶格納し、モニタ画面の一区画、頁面内の一区画、コマ面内、コマ面内の一区画、絵内の一区画、吹出し面内、吹出し面内の一区画、又は字上を音声データの出力命令ポイントとし、それらの指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると音声出力装置から音声が出力されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項8】 作成して記憶格納した任意の頁面とコマ面の両方又はいずれか一方のデータをモニタ画面に呼び出してその画面を下書き面とし、その下書き面に描かれた絵、画像及び字を透視可能に上書き面に重ね、その上書き面に下書き面の絵、画像及び字を透視しながら書込めるようにし、絵と字を書込んだ上書き面を残して随時に前記下書き面を消去できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項9】 入力装置及び出力装置にモデムを有し、通信回線を介して他のコンピュータシステムからの出力及び入力を行なってプログラム及びデータの遣り取りを行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法。

  【請求項10】 頁面内にコマ面と吹出し面を設定して漫画の絵と字の書込みを行い、頁番号とコマ番号を付与してメモリへ記憶格納させて完成した漫画を、頁番号及びコマ番号の最初の番号からか又は任意の番号から正順又は逆順に転換できるように設定して、番号順に頁捲りとスクロールにより連続してストーリーを展開できるようにし、任意にキー又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法。

  【請求項11】 モニタ画面の、任意の分岐選択可能な区画を含む番号の頁面、コマ面又は吹出し面の任意の指定した分岐選択区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると、その番号の画面内から別系列の番号の画面に分岐移動して異なるストーリーの展開が始って、そのままモニタ画面を見て頁捲りとスクロールにより連続してストーリーを展開できるようにし、任意にキー又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法。

  【請求項12】 モニタ画面の頁面内の任意の指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると、音声付き動画映像又は音声が出力され、任意にキー又はマウスを操作すると元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項7乃至11のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法。

  【請求項13】 モニタ画面の頁捲り又はコマ送りの速度を定速に又は頁毎に設定し、さらにその設定速度を任意の速度に早送り及び遅送りできるように設定できるようにし、前記頁捲り又はコマ送りを自動的に行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法。

【発明の詳細な説明】

   【0001】

【発明の属する技術分野】 

本発明は、コンピュータを用いた漫画の製作方法及びその方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法に関する。

   【0002】

【従来の技術】

 近年日本の漫画は世界の人々に幅広く読まれ親しまれている。そして今や、単にでき上がった漫画を読むことから、自らも思想、信条、感情、感覚等を表現するための手段として漫画を書きたいと望む人が増加している。 それは、漫画が映画、文学、絵画等の既存の表現方法とは異なる特異で豊富な表現形態をとれることが認識されて微妙な感情表現も可能となったからでもある。

   【0003】 そして、単なるナンセンスギャグ漫画から文学、経済、哲学、数学、宗教、歴史、科学、医学、政治の高度な表現を要する書籍まであらゆるジャンルの漫画本が刊行されるに至り、この高度化、多様化の傾向は現在益々進行しつつある。 最近では、企業が商品を分かりやすく知らせるために、広告、バンフレット、カタログ、商品説明書、商品取扱書、会社案内、新商品の案内など業務的な説明に漫画を使用するケースが多くなるなど漫画の用途が広がっている。

   【0004】 日本で漫画に多様で特異な表現形態が産み出されたのは、戦後の道徳・思想・観念的・心理的に束縛されない雰囲気があり且つかなりの表現の自由があったからである。 そして、紙という二次元的空間に、思想、宗教、道徳等の社会的・文化的制約も受けずに自由奔放な音、色、形、味、触感、等の五感の表現形態及び現実を超越する空間的表現、時間的表現手法を確立することができた。 また大脳生理学によれば日本語という言葉は、図形認識と言語認識が密接に関わった左右の脳を使う特殊な言葉であり、漫画はまさに日本語にピッタリとする表現様式ではないかと考えられている。 現在の多様化されて、しかも規則性がある漫画の表現手法自体が発明者の特定されていない偉大な発明ともいえる。

  【0005】 そして、漫画の製作は、通常は漫画作者が絵を書き、これを出版者が編集して本が作られる。 漫画作者は、具体的には紙に構想したシナリオに基づいてコマ割を書き、その中に一場面毎に筆記具を用いて絵を描き込んで製作している。 そして製作する時間に余裕がない時などは、助手にべた塗りや着色など簡単な部分を代行して描いてもらうこともある。 その漫画においての言葉の表現は、絵の中での言葉を発する者のところから吹出し(話し手や、話し手の口許などへ鋭角線を向けて他の部分を丸い線で囲った部分)を囲ってその中に発する者の会話、思考内容などを文字(活字等)で表現することが多い。 強調する場合にはコマ割をはみ出して大きく文字が書かれることもある。

   【0006】 また日本では擬態語、擬声語が数多く作り出され発達している。これは絵の上に上書きされて絵の中に溶け込むように文字で表現されることが多い。 また擬態語、擬声語と同様に文字とも絵とも言えない形喩も数多く作り出され微妙な心理描写の手法が独自に発達してきた。 

  【0007】 また、これまでは、創作された漫画から映画的な手法に、即ちアニメーション化することが多く行なわれている。そして、日本のアニメーションは海外で多く人々に親しまれている。 漫画をアニメーション化するには画面を連続的な動きに見せるために多くの原画を手間暇掛けて製作しなければならない難点があるが、その作業自体には創作力はあまり要求されるものではない。

   【0008】 しかし、アニメーションの基となる漫画を製作することは、創造力、創作力が必要で、本人の才能がそのまま表現されるものであり、才能がないと読者を惹き付けるものは容易にはできない。 また、豊富な表現手法に魅せられてなんとか漫画を書きたいと思っても、一般の人では描写力や表現技術が乏しく且つ表現するのには手間暇がかかるので殆ど製作することはできないのが実態である。

   【0009】 このような状況の中で、コンピュータを用いて漫画を製作しようとしても、これまでは絵や図形のデータを大量に扱うにはコンピュータのメモリの記憶容量があまりに少な過ぎ、またCPUの演算スピードが極めて遅かったので漫画の画面をデータとして大量に書込み、また各種のソフトを駆使して絵や図形や映像の画面加工を行なおうとするには大変困難で、事実上不可能なことであった。

   【0010】 しかし、今日ではOSやグラフィクス、データベース、マルチメディア等各種のアプリケーション支援ソフトが充実し、それらを用いた多様なアプリケーションの開発が容易となっている。 また、画像処理技術も進化して小メモリでも大量の処理ができる文字や図形のデータ圧縮技術も大きく進歩した。 そして各種の、ワードプロセッサ、表計算、仕事管理用のソフトや設計ソフト(CAD)、図形製作ソフトなど画像処理技術のアプリケーションソフトが充実しほぼ出そろって完成の域に近付いている。 またコンピュータゲームなど使用用途が大きく広がり、その上に誰でも専門知識なしに容易にコンピュータを使用できるようなシステムが開発されてきたので一般家庭への大容量で高速性能の安価になったコンピュータが目覚しく普及している。

   【0011】 また、現在大量に漫画雑誌が発行されていて、読み終った大量の雑誌が次々に捨てられている。このような実情のもとで、ディスプレイ装置で漫画を見られるようになることは、紙資源の浪費の防止にも役立つものであると考えられるが、漫画は現在モニタ画面で見られるようには製作されていない。 一方、通信面においては、パソコン通信やインターネット等の通信回線でのコンピュータを介しての画像や文字データの遣り取りがここ数年で急激に盛んになってきている。

   【0012】

【発明が解決しようとする課題】

 本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、コンピュータを用いて漫画の製作がだれでも簡単にできる方法と、その製作方法で作られたマルチメディアタイプの電子的漫画をモニタ画面で見ることのできる方法を提供するものである。

   【0013】 そして、コンピュータを介することによって、新聞、雑誌、写真、ラジオ、テレビ、ビデオ、カメラ、CD、DVD、録音テープ、通信等各種メディアの情報を利用して、漫画の表現手法を現在の紙面という二次元に制約された疑似三次元的表現手法はもとより動画、音声をも取込み、さらには迷路的なストーリーの展開をも可能にして思考の複雑系へと飛躍的に表現手法を高めるとともに、手間暇かかり、描写力の必要な手書き部分をデジタル画像に置き換えてメモリに記憶したデータを何度でも使用再加工できるようにして誰でもが簡単に漫画を製作できるようにする手段を提供し、これによって完成した漫画をだれでもがモニタ画面で楽しむことができるようにするものである。

   【0014】

【課題を解決するための手段】 

上記課題を解決するために本発明は、請求項1においては、CPUとメモリを備えたコンピュータと、命令入力装置及びデータ入力装置を有する入力装置と、ディスプレイ装置を含む出力装置とから成り、前記ディスプレイ装置に出力されるモニタ画面を見ながら前記入力装置によってOS及びアプリケーションソフトを介してCPU及びメモリへの入力操作を行なうコンピュータシステムを用いる。

   【0015】 前記アプリケーションソフトには、(イ)頁面全体をそのまま一つの単位区画とするか、頁面内を複数に平面分割して分割された各個を単位区画とするか、頁面上に複数の区画面を重層させそれら各区画面を単位区画とするか、のいずれかによる任意のコマ面を設定する画面制御ソフトと、(ロ)頁面のコマ面の内部又はその内部から外部へはみ出して、任意の位置に任意の形状の吹出し面を設定する画面制御ソフトと、(ハ)頁面に設定したコマ面と吹出し面に漫画の絵と字を書込むグラフィクス支援ツール、データベース支援ソフト、デバイス支援ツール、画面制御、データ転送、図形プロセッサ、ワードプロセッサ等のソフトと、を組込んだ漫画製作ツールを使用し、 前記入力装置によって前記CPU及びメモリへ命令及びデータを入力しつつ前記モニタ画面上で、見開き両頁面又は一頁面にコマ面と吹出し面を設定して、その中に漫画の絵と字の書込みを行なうことを特徴とするコンピュータを用いた漫画の製作方法である。

   【0016】 また、請求項2においては、上記構成において、コマ面と吹出し面の辺縁の周囲の全部又は一部に、任意の幅で任意の形状の枠線を設定できるようにしたものである。

   【0017】 また、請求項3においては、上記構成において、周囲の枠線を決めるコマ面と吹出し面の辺縁の形状を、あらかじめ製作して登録しておいた複数の形状の中から選択して自由に使用できるようにしたものである。

   【0018】   【0019】 また、請求項4においては、上記構成において、絵と字のデータの移動が他のコマ面と他の吹出し面との間でも行なえるようにしたものである。

   【0020】   【0021】   【0022】 また、請求項5においては、上記構成において、絵のデータが、三次元立体データであり、メモリに記憶格納した前記三次元立体データを呼び出し任意の視角を選択してその絵をコマ枠内に書込みできるようにしたものである。

   【0023】 また、請求項6においては、上記構成において、データ入力装置に画像入力装置を有し、入力した画像を、頁面又はコマ面に書込めるようにしたものである。

   【0024】   【0025】 また、請求項7においては、上記構成において、音声入力装置と音声出力装置を有し、入力された音声のデータを頁面、コマ面及び吹出し面に書込みしてメモリに記憶格納し、モニタ画面の一区画、頁面内の一区画、コマ面内、コマ面内の一区画、絵内の一区画、吹出し面内、吹出し面内の一区画、又は字上を音声データの出力命令ポイントとし、それらの指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると音声出力装置から音声が出力されるようにしたものである。

   【0026】 また、請求項8においては、上記構成において、作成して記憶格納した任意の頁面とコマ面の両方又はいずれか一方のデータをモニタ画面に呼び出してその画面を下書き面とし、その下書き面に描かれた絵、画像及び字を透視可能に上書き面に重ね、その上書き面に下書き面の絵、画像及び字を透視しながら書込めるようにし、絵と字を書込んだ上書き面を残して随時に前記下書き面を消去できるようにしたものである。

   【0027】 また、請求項9においては、上記構成において、入力装置及び出力装置にモデムを有し、通信回線を介して他のコンピュータシステムからの出力及び入力を行なってプログラム及びデータの遣り取りを行なえるようにしたものである。

   【0028】 また、請求項10においては、上記構成において、頁面内にコマ面と吹出し面を設定して漫画の絵と字の書込みを行い、頁番号とコマ番号を付与してメモリへ記憶格納させて完成した漫画を、頁番号及びコマ番号の最初の番号からか又は任意の番号から正順又は逆順に転換できるように設定して、番号順に頁捲りとスクロールにより連続してストーリーを展開できるようにし、任意にキー又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法である。

   【0029】 また、請求項11においては、上記構成において、モニタ画面の、任意の分岐選択可能な区画を含む番号の頁面、コマ面又は吹出し面の任意の指定した分岐選択区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると、その番号の画面内から別系列の番号に分岐移動して異なるストーリーの展開が始まって、そのままモニタ画面を見て頁捲りとスクロールにより連続してストーリーを展開できるようにし、任意にキー又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法である。

   【0030】 また、請求項12においては、上記構成において、モニタ画面の頁面内の任意の指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると音声付き動画映像又は音声が出力され、任意にキー又はマウスを操作すると元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項7乃至11のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法である。

   【0031】 また、請求項13においては、上記構成において、モニタ画面の頁捲り又はコマ送りの速度を定速に又は頁毎に設定し、さらにその設定速度を任意の速度に早送り及び遅送りできるように設定できるようにし、前記頁捲り又はコマ送りを自動的に行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか一項記載のコンピュータを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法である。

   【0032】

【発明の実施の形態】

 本発明の実施の形態につき、先ず本発明に用いるハード的なコンピュータシステムの説明をする。

   【0033】 本発明では、CPUとメモリを備えたコンピュータと、命令入力装置及びデータ入力装置を有する入力装置と、ディスプレイ装置を含む出力装置とから構成され、既存の普及している高能力のパソコンと各種の入力装置及び出力装置を組み合せて用いることができる。 コンピュータは高速演算処理能力のあるCPUと大容量のメモリを備えると良い。 低速演算のCPUでは処理速度が遅くなり多くの時間が必要となる。 また小さい容量のメモリではデータ量の多い画像を処理することができなくなる場合がある。 そして、前記ディスプレイ装置に出力されるモニタ画面を見ながら前記入力装置によってオペレーティングソフト(OS)及びアプリケーションソフトを介してCPU及びメモリへの入力操作を行なうコンピュータオペレーティングシステムを用いる。

   【0034】 用いる入力装置には命令入力装置とデータ入力装置が必要であり、前記命令入力装置としては、キーボード、マウス、コントローラ等がある。 本発明においては、ディスプレイ装置に出力されるモニタ画面を見ながら漫画を製作するものであり、前記命令入力装置によってプログラムソフトへの実行命令を行なうことになる。

   【0035】 また前記データ入力装置については、字(「字」の語は、本発明では活字体及び各種字体及び変形文字及び図形的文字など各種の文字を含む意味で用いる)のデータの入力装置としてキーボードがある。 絵(「絵」の語は、本発明では図形及び画像を含む意味で用いる特に図形及び画像のみを指す場合には図形及び画像の語を使用する)のデータの入力装置としてイメージスキャナ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオ等がある。 音声のデータの入力装置としてマイクロホン、ビデオ、各種オーディオ機器等がある。 また、それらの入力装置を用いてモデムを介してインターネットやパソコン通信によって他のコンピュータシステムへのオンライン入力も可能となる。

   【0036】 また、出力装置のうち、絵と字の出力装置としては、ディスプレイ装置、プリンタ等がある。また音声出力装置としては、スピーカーがある。 そして、それらの出力装置を用いてモデムを介してインターネットやパソコン通信によって他のコンピュータシステムからのオンライン出力も可能となる。

   【0037】 次に本発明に必要な漫画製作用のアプリケーションソフト即ち「漫画製作ツール」を説明する。 本発明では、コンピュータと入力装置及び出力装置を揃えた機械的・電子的なハード的システム構成が漫画を製作するための一つの道具であるように、その機械を操作するためのコンピュータプログラムソフトウエアもまた漫画を製作するための欠くことができない一種の道具(ツール)として使用する。 各種のコンピュータプログラムソフトの介在なしには本発明の漫画の製作は実行できない。

   【0038】 即ち、本発明では、グラフィクス支援ツール(漫画のコマ組み、コマの拡大縮小、コマの移動、カットアンドペースト、吹出しの制御等)、データベース支援ソフト(表情のリスト、背景のリスト、使用頻度の管理等)、デバイス支援ツール(デジタル化、VTR画面制御等)、画面制御(マウスによる選択、移動等)、データ転送(モデムにて他のプログラムやデータ同士のアクセス等)の組み合せによって総合的なコンピュータアプリケーションソフト即ち「漫画製作ツール」が完成する。

   【0039】 漫画はストーリーの展開において、通常一枚の頁又は2枚の繋がった見開き頁の中にまとまりのある場面が完結的に表現される。 そして、その頁全面を一コマで表現することもあるが、多くは、その頁画面を小区画に分割(コマ割り)して、それらのコマを上から下へ、右から左への順で時間的推移を表現する。

   【0040】 コマ割りは作者によって好みがあり、きっちりと均等割りする方法(主として四コマ漫画に多い)、割らない方法(一コマ漫画)、斜め割りする方法(劇画に多い)、部分割りする方法(挿絵漫画)、不規則割りする方法(ストーリー漫画や劇画に多い)などの手法がある。

   【0041】 コマ割り線についても、立体的な影入線によるもの、鋭い細い線によるもの、コーナーを丸めたもの、波型にしたものなど自由に表現している。 そこで、一頁分全体の頁画内に上記のように多様な表現形式に応じることができるように、モニタ画面にそれぞれのコマ面が一つの枠として設定されるようにすることが漫画製作の基本となる。

   【0042】 漫画は通常一コマ毎に一場面が表現される。 また漫画の表現はコマが独立している場合と隣り合うコマ同士を連結させ、絵や文字を複数のコマに跨がって上書きする手法が多用されている。 このような手法で心理的、空間的な連想が関連することを表現するのである。 このようにコマを作ることは極めて大切なことである。 このために、頁面にコマ枠を作成する画面制御ソフトが必要となる。

   【0043】 また、漫画には文字のスペースが多くを占めている。 そして漫画においての言葉の表現は、通常には「吹出し」を囲ってその中に会話、思考内容などを文字で表現する。 強調する場合にはコマ枠をはみ出して大きく文字が書かれることもある。 またコマ枠外や枠間に解説文などを入れる場合がある。 また日本では擬態語、擬声語が数多く作り出されている。 また文字とも絵とも言えない形喩も数多く作り出され微妙な心理描写の手法となっている。 それら、擬態語、擬声語、形喩も「吹出し」内に表現することもあるが、多くは絵の中に上書きされて文字が溶け込むように表現されることが多い。

   【0044】 したがって、「吹出し」は漫画表現の基本形式である。 このために、本発明では、モニタ画面上で、頁面のコマ面の内部又はその内部から外部へはみ出して、任意の位置に任意の大きさなどの形状の吹出し面が上書き可能に設定できる画面制御ソフトが必要となる。 そして、製作中に吹出し面(空間)を呼び出して、その吹出し面内に字のデータを随時書き込めるようにする。 吹出しは一つの独立した字のデ-タ専用枠とし、そしてその字のデータ専用枠内である吹出し枠内にワープロを使用して文字や記号を記入でるようにする。

   【0045】 また画像データはコンピュータの記憶容量を多く必要とする。 字のデータも吹出し面内に絵として書き込みすることもできるが、別にワープロから文字デ-タを書込んだ方がコンピュータの記憶容量が少なくて済むし、文章の作成も極めて簡単となる。 そして例えば吹出し枠内の作成した文字のデータは平仮名の片仮名への文字データ変換を実行するプログラムの作成が可能である。

   【0046】 また、文字のデータ変換機能を用いれば、漫画の国際化の中で、漫画が色々な言語で読まれることになり、その場合には漫画の中に表される文字のみを、他の言語に翻訳して置き換え可能とすることは、例えば輸入漫画で行なわれる吹出し枠内の物理的な切り張り置き換え作業を省略することができる。 特に、自動翻訳機が提供されている現在、文字部分のみ自動翻訳機によって言語転換すれば、他国での出版が極めて簡単となる。 また、漫画の視覚的なイメージと言葉の表現としての外国語文字とが一体的に表現されるものは外国語学習の教材として極めて優れた資料であり、語学向上に資することもできる。

   【0047】 一般的には、これまでの漫画は文字のスペースが多くの面積を占めている。しかし、本発明のモニタ画面で見る漫画においては、モニタ画面を操作しながら文字を音声に転換して出力したり、漫画に文字を書込まずに仕上げることができるようになる。 そうすれば絵の中にスペースを割いて無理な吹出しを入れなくても済むようにもなる。

  【0048】 そこで、上記のような漫画の製作を行なうために用いるアプリケーションソフトについては、コンピュータに前記命令入力手段によって命令を入力しつつ前記モニタ画面上で、見開き両頁面又は一頁面に、次の(イ)(ロ)(ハ)の各ソフトを組込んだ漫画製作ツールを使用する。(イ)前記モニタ画面上で、頁面全体をそのまま一つの単位区画とするか、頁面内を複数に平面分割して分割された各個を単位区画とするか、頁面上に複数の区画面を重層させそれら各区画面を単位区画とするか、のいずれかによる任意のコマ面を設定する画面制御ソフト。(ロ)前記モニタ画面上で、頁面のコマ面の内部又はその内部から外部へはみ出して、任意の位置に任意の形状の吹出し面を設定する画面制御ソフト。(ハ)前記モニタ画面上で、頁面に設定したコマ面と吹出し面に漫画の絵と字を書込むグラフィクス支援ツール、データベース支援ソフト、デバイス支援ツール、画面制御、データ転送、図形プロセッサ、ワードプロセッサ等のソフト。

   【0049】 そして、この漫画製作ツールを用いて前記モニタ画面上でコマ面と吹出し面を設定してその中に漫画の絵と字の書込みを行なう。 そして完成されたそれらの表示画面の全頁枚数を紙にプリントアウトしてそれらを頁順に製本すると一冊の漫画本が完成する。 そしてそれらの個々のモニタ画面は製作の途中や完成させてからも随時プリントアウト可能とすれば、改めて絵や字の点検や修正を行なうことが容易となる。

   【0050】 上記の絵、字、音声のデータ処理操作に必要なプログラムのソフトウェアは、各種のプログラム言語の使用によって構築される。特にマルチウインドウのスタイル、即ち画面の中に別の画面を重層させて表示してその各表示された画像を加工する手法が有効に利用できる。

   【0051】 また、コマ面と吹出し面の辺縁の周囲の全部又は一部に、任意の幅で任意の形状の枠線を設定できるようにする。 コマ面と吹出し面の辺縁の周囲のコマ枠線や吹出し枠線は、単に場面のちよっとした切れ目又は相互に関連した場面として表現され、また意識的に枠線なしにすることもある。 また全部ではなくコマ枠の一部分に枠線を入れて同一空間において別の異なる場面であることを明確にさせる効果を持たせたりする。 また枠線と枠線の間に形成される枠間余白を大きくとることによって場面と場面との時間的空間的な隔たりを表現することができる。

   【0052】 また、周囲の枠線を決めるコマ面と吹出し面の辺縁の形状を、あらかじめ製作して登録しておき、その登録されている複数の形状の中から自由に選択して使用できるようにする。 前記枠線及び前記枠間の形状は直線を用いることが多いが、感動的場面や作者が特別に見て欲しい場面には波型や鋸歯型や稲妻型などの枠線を使用することがあり、コマ面と吹出し面の辺縁の形状の外郭を線として表示させるとそのような各種の枠線ができる。

   【0053】 また、任意に設定されたコマ面と吹出し面を製作単位とし、個々のコマ面内で絵の描画、編集、印刷、転送、登録、削除、終了を行い、また個々の吹出し面内で字の書込み、字形変換、文字変換、編集、印刷、転送、登録、削除、終了を行なえるようにする。

   【0054】 従来の図形プロセッサの機能としては、例えば、描画機能には、画面にメニューを表示して、部品の選択、部品の呼出、数値入力、塗りつぶし、自由曲線、軌跡、連続直線、平行四辺形、正方形、多角形、円、楕円、長方形、直線、色などの選択ができる。 編集機能には、スペース削除、スペース挿入、スペース指定、トレース、分解、合成、拡大縮小、回転、変形、削除、移動、コピーなどがある。指定図形、元図を残すか、残さないかの選択、解除、ボックス掛け、ボックス囲いがありこれらを使用する。

   【0055】 印刷機能には、部分拡大、プリンタ、レイアウト等の機能がある。変更機能には、透過、上下、全部、位置合せ、塗りつぶし、塗り替え、点種、線種などがありこれらを使用することができる。 転送機能には、ファイル保存、読み込み、転送などがある。登録機能には登録、削除がある。書込む文字については、削除、移動、コピー、入力、枠サイズ変更、枠作成、位置変更、字形変更、文字変更などがある。最後に終了には、保存終了と破棄終了がありこれらも使用することができる。

   【0056】 漫画には着色、ハッチング、網掛け、ボカシ等の表現が多用されるが、その場合に以上のような機能を利用して簡単に図形処理を行なうことができる。 例えば、絵のデータの任意の空間内の色及び図柄を、あらかじめ設定してある色及び図柄に転換して塗り換えすることができる。

   【0057】 また、漫画の絵と字の製作中に、任意のコマ枠及び吹出し枠を選択してその枠面を切り取り、その切り取った枠面を拡大及び縮小及び変形を行なえるようにし、そのコマ枠及び吹出し枠の中に絵と字を作成してそのデータを書込み、それら各コマを元の縮尺に戻して頁面内の元の位置に戻すか又は別の位置とコマの入替え配置をして頁面を作成できるようにする。 そしてそのようにコマ枠を拡大すれば細かい部分まで詳細に確認できて正確に書込むことなどが可能である。

   【0058】 また、作成して記憶格納した頁面及びコマ面をモニタ画面に随時に呼び出し、その画面上で絵と字のデータを修正して上書きできるようにする。 一旦完成した絵のデータにさらに文字データを上書きできるようにする。 文字は普通絵ができあがった後から書き入れることが多く、その書き入れかたは、絵の上に直接被せるように書き込む方法と、吹出し又は囲いを設けたり、吹出し面を空けてその中に表示する方法が可能である。 またそれらの方法を場面に相応しく組み合せることができる。

   【0059】 また、絵と字のデータのコピーなどの移動が他のコマ面と他の吹出し面との間でも行なえるようにし、製作中に随時にコマ面の絵と字のデータの切取りと張付けが同じコマ面内又は別のコマ面間で行なえるようにする。 これには図形製作ソフトの一般的な編集手法を利用することができ、前記コマ内の一部又は全部の絵のデ-タの切取り及び張付けなどの機能をもたせると、画面内の部分修正などが容易となる。

   【0060】 また、絵と字のデータの中から1グループを成す線群及び面群及び文字群を抽出し、それらをグループ別のデータにし、そのグループに整理番号を付与してメモリに保存し、製作中の画面に随時に呼び出して書込みが行えるようにする。 一度書かれた絵は、同じ様な場面設定においては、その絵を背景として何度も使用することができる。何時間も手間をかけて最初からそのような絵を書き込むことと比較すると一瞬のうちに表示できることは極めて高効率である。 また、一つの絵、例えば主人公は何度も登場し、顔の形や向きは数種類のパターンで間に合うことが多く、さらに喜怒哀楽の表情の部分を加えればおよその人物は蓄積された図形データで埋められる。そして呼出した背景画面にこの人物図形データを上書すれば一つのコマが簡単に完成することになる。

   【0061】 また、漫画の一つのストーリーファイルの中の複数の頁面に跨がる特定の線群及び面群及び文字群をグループとして系統データ化し、前記ストーリーファイル全体の頁面のデータに対してその系統データを一括して一度にデータ変換して書換えが実行できるようにする。そうすれば、画像データの線を個々に又は一区画内を一括して任意の太さの線種や同一筆種に一括変更できる。

   【0062】 また、絵のデータに、三次元立体データを用い、メモリに記憶格納した前記三次元立体データを呼び出し任意の視角を選択してその絵をコマ枠内に書込みできるようにする。 例えば、一人の人物の三次元立体データによって、前後左右斜め方向等の選択ができ、また顔の表情、手足等体の動作が表せる。 そしてその三次元立体データを紙上の二次元平面データに置き換え書き込みする。そして、コマの中に呼び出した背景の絵にその三次元立体データから作られた二次元平面データを書き込んで一つのコマを完成させることができる。

   【0063】 また、データ入力装置に画像入力装置を用い、入力した画像を、頁面又はコマ面に書込めるようにする。 前記画像入力装置としてイメージスキャナを有する場合には、紙に描かれた絵、写真、文字等をそのまま読み込みそれらをモニタ画面に出力して頁画面全体又は各コマ内に表示してその頁面又はコマ枠に絵のデータとして書き込めるようにする。 それらの絵、写真、文字等はそのまま漫画の背景、下絵等に利用できる。さらに、イメージスキャナで読み込まれたワープロで表現できない文字、即ち、強調文字、変形文字など特殊な文字を前記漫画の背景、下絵等の上にさらに上書きして表示することができる。 また紙に描かれた絵をイメージスキャナによってモニタ画面に表示して、この表示された絵を前記下絵の上にさらに上書きするなど、紙上に保存しておけばこの絵を繰返し何度も利用することができる。

  【0064】 また、前記画像入力装置としてデジタルカメラを有する場合には、漫画の絵と字の製作工程において、映写画像データの中から任意の画像データを頁面又はコマ枠内に書込みできるようにする。 デジタルカメラは絵のデータ入力装置としてはデジタル情報の直接的なデータであるからその画像の加工や処理は容易である。

   【0065】 そして、作成して記憶格納した任意の頁面及びコマ面のデータをモニタ画面に呼び出してその画面を下書き面とし、その下書き面に描かれた絵、画像及び文字を透視可能に上書き面に重ね、その上書き面に下書き面の絵、画像及び文字を透視しながら書込めるようにし、絵と字を書込んだ上書き面を残して随時に前記下書き面を消去できるようにする。 例えば、カメラ撮影画像を下書き面とし、その上書き面にその画像になぞって絵を書込むことによってデッサン技術の劣る人でもバランス良くリアルに絵を描き出すことが可能となる。

   【0066】 また、データ入力装置にテレビ、ビデオカメラ、DVD、ビデオテレビなどの音声付き動画映像入力装置を用い、また出力装置にスピーカーなどの音声出力装置を用いることができる。 そして、入力された音声付き動画映像をデジタル化して音声付き動画映像のデータとして頁面、コマ面及び吹出し面に書込みしてメモリに記憶格納し、モニタ画面の一区画、頁面内の一区画、コマ面内、コマ面内の一区画、絵内の一区画、吹出し面内、吹出し面内の一区画、又は字上を音声と動画映像のデータの出力命令ポイントとし、それらの指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックするとモニタ画面の動画映像と共に音声出力装置から音声が出力されるようにし、また前記音声付き動画映像のデータの中から任意の画像を静止画像のデータとして頁面又はコマ面に書込みしてメモリに記憶格納できるようにする。

   【0067】 そして、そのデジタル化した所望の一瞬場面の静止画像をモニタ画面に表示したら、これをコマ内の背景部分としてそのまま使用するか、又は下絵として利用することもできる。 さらに、テレビ、カメラ、CCDカメラ、DVD及びそのビデオの動画映像についても、それらの動画映像をデジタルに変換してモニタ画面に表示してメモリに記憶格納させたり、静止画像に加工したり、ハードディスク(HD)、フロッピーディスク(FD)、光ディスク、光磁気ディスクやCD-ROM等の記憶媒体に画像、字及び音声のデータを記録し再生させることも可能となる。 また、それら画像を再生させ加工する画像処理ソフトも各種提供されているのでこれらを有効に利用できる。 さらに、絵、図形、画像と関連させて音楽、会話、動物、物音などの音声などのマイクロホンで音声入力したりそれをコマ面内の絵や文字を指示して出力させたりすることができる。

   【0068】 また、音声入力装置と音声出力装置を用いる場合、入力された音声のデータを頁面、コマ面及び吹出し面に書込みしてメモリに記憶格納し、モニタ画面の一区画、頁面内の一区画、コマ面内、コマ面内の一区画、絵内の一区画、吹出し面内、吹出し面内の一区画、又は字上を音声データの出力命令ポイントとし、それらの指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キ-又はクリックすると音声出力装置から音声が出力されるようにする。 前記音声入力装置には、マイクロホン、各種オーディオ、電子楽器、テープレコーダー、録音媒体、CDプレーヤーが利用できる。

  【0069】 また、漫画の絵と字の製作中において、次のコマ枠に製作移動すると、その直前のコマ枠に書込まれたデータが製作中のコマ枠内に呼び出されるようにする。 コマ画面は連続することも多いので、コマ移動で自動的にそのこま内に直前のコマに書込んだデータを呼び出せば次のコマの効率的な製作ができる。 また、製作してメモリに記憶格納したデータの呼び出しの使用頻度に応じて優先順序で並べ換えできるようにすれば、使用したい加工前の下書き用の絵と字のデータを早く効率良く呼び出すことができる。

  【0070】 また、入力装置及び出力装置にモデムを用い、アプリケーションソフトにデータ転送ソフトを有し、通信回線を介して他のコンピュータシステムからのプログラム及デ-タの出力及び入力を行なってプログラム及びデータの遣り取りを行なえるようにする。 これによって、通信回線を介して別々のコンピュータシステムが接続されれば、前記漫画製作ツールと製作した漫画の絵、文字又は絵、文字、音声のデータを別のコンピュータシステムへ送信し、おのおのがモニタ画面を見ながら出力及び入力し、別の所にいながらお互いに協力して漫画を製作することができ、またできた漫画を他のコンピュータシステムのモニタ画面に出力させ見ることが可能になる。 そうすれば本を運搬することなく、通信によって漫画を海外にまで発信できるし、海外の漫画を受信して見ることができるようになる。

   【0071】 また、上記コンピュータを用いた漫画の製作方法を用いて作られた漫画をモニタ画面で見る方法において、頁面内にコマ面と吹出し面を設定してその中に漫画の絵の制作と字の書込みをし、頁番号とコマ番号を付与してメモリへ記憶格納させて完成した漫画を、頁番号及びコマ番号の最初の番号からか又は任意の番号から正順又は逆順に転換できるように設定してモニタ画面で見ながら頁捲りとスクロールにより連続してストーリーを展開できるようにし、任意にキー又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できるようにする。

   【0072】 また、前記漫画をモニタ画面で見る方法において、モニタ画面のある分岐選択可能な区画を含む番号の頁面内、コマ枠又は吹出し枠の任意の指定した分岐選択区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キー又はクリックすると、その番号の画面内から別系列の番号に分岐移動して異なるストーリーの展開が始ってそのままモニタ画面で見ながら頁捲りとスクロールにより連続してストーリーを展開できるようにし、任意にキー又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できるようにする。

   【0073】 また、未完成及び完成した頁面とコマ枠に直列又は複数並列の整理番号を付与してメモリに記憶格納し、それらをそれぞれ直列又は複数並列の番号順又はある番号からの任意選択可能な枝番号順に配列してモニタ画面又はプリンタに出力できるようにする。

   【0074】 順当な方法としては頁面及びコマ面を順次シナリオにそって直列の番号順に配列した場合には、頁面及びコマ面を頁順及びコマ面順に頁捲及びコマ面送りすることができる。 しかし本発明においては、頁面及びコマ面に複数並列の整理番号を付与して、頁面及びコマ枠を整理番号順に頁面及びコマ面を送れるようにし、ある頁面及びコマ面においてその頁面及びコマ面から次の選択し得る複数並列の頁面及びコマ面即ち別々のストーリーの展開窓口として新たなストーリー展開を開始してモニタ画面で見ながら頁面及びコマ面が捲られストーリーを進行することができる。

   【0075】 例えば同時平行的に進行するストーリーをそれぞれの側からの心理描写しつつ同じ場面を別解釈で展開することができる。このように複数並列の枝順番に並べ換え、移れるようにする方法が可能となる。 また、そのコマに関連する過去の追憶や、関連データを呼び出してストーリーに変化をもたせたり、その人物の心理の解説をしたり、見る人の選択事項を挿入することによりこれまでの紙面による漫画では表現できない時差的描写、別解釈的描写、及び多視点的描写などの新表現技法が可能となる。

   【0076】 また、前記漫画をモニタ画面で見る方法において、モニタ画面の頁面内の任意の指定した区画部位にカーソル又はマウスカーソルを移動して打キ-又はクリックすると音声付き動画映像又は音声が出力され、任意にキー又はマウスを操作すると元の画面に戻るか又は終了できるようにする。

   【0077】 また、前記漫画をモニタ画面で見る方法において、モニタ画面の頁捲り又はコマ送りの速度を定速に又は頁毎に設定し、さらにその設定速度を任意の速度に早送り及び遅送りできるように設定できるようにし、前記頁捲り又はコマ送りを自動的に行なえるようにする。

   【0078】

【発明の効果】

 本発明は上記のようで、コマ割りとコマ枠の制御及び吹出し枠の設定と制御によってそれら漫画特有のコマ面と吹出し面内の絵と字が混合された表現手法の基本を容易に製作できるようにしたことによってコンピュータを用いての漫画の製作がだれでも簡単にできるようになり、そしてその制作方法で作られた漫画をモニタ画面で見る方法によってモニタ画面で見て楽しむことが可能となった。 そして、コンピュータを介することによって、写真、デジタルカメラ、テレビ、ビデオ、CD、録音テープ、データ通信等各種メディアを利用して、漫画の表現手法を飛躍的に高めるとともに、各種専門的分野の複雑な描写など、手間暇かかり且つデッサン力や立体表現力などの芸術的センスの必要な手書部分をコンピュータに読み込んだ画像に置き換えて利用すればだれでも簡単に漫画を製作することができるようになる。

   【0079】 また、絵や字のデータ管理ができるため、一度コマに絵ができ上がればその描いた絵を記憶させ、これを基に使いたいとき絵を呼出して下絵として何度も利用することができ、何時間も手間をかけて最初からそのような絵を書き込むことと比較すると極めて高効率に製作できる。 さらに、コマ枠内への映写記録画像などの取り込によって、絵の中に生な映像を活用することが可能となる。これらは、描写表現力が乏しく絵を描くことが苦手な人にとって、漫画製作の一つの大きな関門を克服することになる。

   【0080】 そしてできた漫画は、前記漫画をモニタ画面で見る方法によって、モニタ画面で、単に平面的、直列的に見るのみならず、動画で、立体的に、音声を聞きながらコマを楽しめ、さらに並列的、重層的にストーリーを展開して楽しむことができるようになった。 通信手段を利用すれば多くのデータの遣り取りができるので、本発明の漫画の製作方法を用いて多くの人々が協力しながら漫画を製作して、その方法で製作した漫画をモニタ画面で見る方法によって、個人などのホームページからインターネットを介して全世界の多くの人々に見てもらうことも可能となる。 また、電子出版システムに載せてオンデマンドに供給することも可能となる。

2008年3月12日 (水曜日)

田舎のジャガイモ

Cimg0522 田舎から送られてきたジャガイモです。

また漫画の特許が成立しましたが、妻は「特許を取っても何の腹の足しにもならない」と顔を曇らせました。

「ジャガイモの方がいい」 か・・・・・  あーあ

2007年3月31日 (土曜日)

パソコンで漫画は発展する

 だれでも、落書きするようにパソコンで漫画ができる。

 投稿サイトの漫画の賑わいが目に浮かぶ。

 二つ目の特許はそれを可能とする。

 出願した10年前に想像していた将来の漫画は現在の漫画とは違うものだった。

 現実の漫画界の進化の歩みは10年前と殆ど変わっておらず物足りない。

2007年1月24日 (水曜日)

特許証が届きました

「ごみ置場」の特許証が届きました。

特許第3900315号です。

また特許維持費用が嵩んできます。

<嬉しくもあり、悩ましくもある 特許証>  か。

2007年1月20日 (土曜日)

我思うゆえに我あり

「波力で前進する船」の発明は特許になりませんでした。

30年も前に、同じようなことを考えた人がいたということを知って、なんとなく嬉しく思いました。

特許は、独占権が得られることで金銭欲を駆り立てるものですが、個人の多くの発明は、特許を取って、金儲けができるとは考えていない場合が多いのではないかと思います。

むしろ自分という人間が存在した「はず」だとする歴史的確認手段として、自己の知的存在証明書(特許証)の発行を求めている面があるのではないかと思います。

死んでしまったら、その人の記憶もいつの間にか消えてしまいます。しかし特許庁の過去帳にはいつまでも記憶され、時には技術情報に中の名前が呼び出されるものと思い込んでいるのです。

そんなこと、ばかばかしいと言われでしょうが、発明者の気持の隅にはこのようなささやかな「欲望」もあるのです。

過去に同じようなものを考えて出願した人がどういう人かは知りませんが、もし私のような思いを持っていた人で、今はなき人であったとしたら、草葉の陰できっと喜んでくれていることでしょう。(生きていたらごめんなさい。)

2006年12月29日 (金曜日)

現在特許審査の応答中です

この特許は波のエネルギーで進む船の技術です。

波のエネルギーの利用は最近殆ど進んでいません。

特許が成立しなくても波エネルギーの利用が可能であることには変わりません。

現在審査の応答中です。先行同一事例がなかったことから、まもなく特許が成立するかもしれません。

これも、新年のお楽しみです。

 

  【請求項1】

船体(S)の吃水線(L)よりも下方位置に船体(S)の進行方向(A)と直交して水平方向に水平枢支軸(2)を設け、この水平枢支軸(2)に翼前部(1a)に水平枢支部(5)を備えた水中擺動翼(1)を枢支すると共に前記水中擺動翼(1)の翼後部(1b)を水平位置を基準に上下略同角度(α),(β)に擺動角度(θ)範囲を拘束する上限ストッパ-(3)と下限ストッパ-(4)を設けてその角度(θ)範囲を自由擺動可能とする船舶謡動推進装置。

  【請求項2】

上限ストッパ-(3)と下限ストッパ-(4)に水平位置を基準に上下略同角度(α),(β)の角度調節手段(6)を設け、水中擺動翼(1)の擺動角度(θ)範囲を調節可能にして成る請求項1の船舶謡動推進装置。

  【請求項3】

水平枢支軸(2)及び水中擺動翼(1)が、船体S内に没入させて、船体S面に張付状態にさせて又は水面上に浮上させて船体Sの進行方向への抵抗体とならないように位置移動ができるようにした請求項1又は2の船舶謡動推進装置。

2006年12月28日 (木曜日)

漫画の特許が2件目も成立しました

一部を修正して特許が成立しました。

【特許請求の範囲】(修正前)
【請求項1】 CPUとメモリを備えたコンピュ-タと、命令入力装置及びデ-タ入力装置を有する入力装置と、ディスプレイ装置を含む出力装置とから成り、前記ディスプレイ装置に出力されるモニタ画面を見ながら前記入力手段によってOS及びアプリケ-ションソフトを介してCPU及びメモリへの入力操作を行なうコンピュ-タシステムを用い、前記アプリケ-ションソフトには、前記命令入力手段によって命令を入力しつつ前記モニタ画面上で、見開き両頁面又は一頁面に、(イ)頁面全体をそのまま一つの単位区画とするか、頁面内を複数に平面分割して分割された各個を単位区画とするか、頁面上に複数の区画面を重層させそれら各区画面を単位区画とするか、のいずれかによる任意のコマ面を設定する画面制御ソフトと、(ロ)頁面のコマ面の上と内に、任意の位置に任意の形状の吹出し面を設定する画面制御ソフトと、(ハ)頁面に設定したコマ面と吹出し面に漫画の絵と字を書込むグラフィクス支援ツ-ル、デ-タベ-ス支援ソフト、デバイス支援ツ-ル、画面制御、デ-タ転送、図形プロセッサ、ワ-ドプロセッサ等のソフトと、の各ソフトを組込んだ漫画製作ツ-ルを使用して、コマ面と吹出し面を設定してその中に漫画の絵と字の書込みを行なうことを特徴とするコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項2】 コマ面と吹出し面の辺縁の周囲の全部又は一部に、任意の幅で任意の形状の枠線及び/又は枠間を設定できるようにしたことを特徴とする請求項1のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項3】 枠線及び枠間の形状をあらかじめ製作して登録しておいた複数の形状の中から選択して自由に使用できるようにしたことを特徴とする請求項2のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項4】 設定されたコマ面と吹出し面を漫画の製作単位とし、個々のコマ面内で絵の描画、編集、印刷、転送、登録、削除、終了を行い、また個々の吹出し面内で字の書込み、字形変換、文字変換、編集、印刷、転送、登録、削除、終了を行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項5】 絵と字のデ-タの移動が他のコマ面と他の吹出し面との間でも行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項6】 製作されたグル-プを成す線群及び面群及び文字群を独立デ-タ化して保存し、製作中の画面に随時に呼び出して書込みが行えるようにすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項7】 漫画の一つのスト-リ-ファイルの中の複数の頁面に跨がる特定の線群及び面群及び文字群を系統デ-タ化し、前記スト-リ-ファイル全体の頁面のデ-タに対してその系統デ-タを一括して一度にデ-タ変換して書換えが実行できるようにすることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項8】 絵のデ-タが、三次元立体デ-タであり、メモリに記憶格納した前記三次元立体デ-タを呼び出し任意の視角を選択してその絵をコマ枠内に書込みできるようにしたことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項9】 デ-タ入力装置に画像入力装置を有し、入力した画像を、頁面又はコマ面に書込めるようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項10】 デ-タ入力装置に音声付き動画映像入力装置を有し、出力装置に音声出力装置を有し、入力された音声付き動画映像をデジタル化して音声付き動画映像のデ-タとして頁面、コマ面及び吹出し面に書込みしてメモリに記憶格納し、モニタ画面の一区画、頁面内の一区画、コマ面内、コマ面内の一区画、絵内の一区画、吹出し面内、吹出し面内の一区画、又は字上を音声と動画映像のデ-タの出力命令ポイントとし、それらの指定した区画部位にカ-ソル又はマウスカ-ソルを移動して打キ-又はクリックするとモニタ画面の動画映像と共に音声出力装置から音声が出力されるようにし、また前記音声付き動画映像のデ-タの中から任意の一瞬の画像を静止画像のデ-タとして頁面又はコマ面に書込みしてメモリに記憶格納できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項11】 音声入力装置と音声出力装置を有し、入力された音声のデ-タを頁面、コマ面及び吹出し面に書込みしてメモリに記憶格納し、モニタ画面の一区画、頁面内の一区画、コマ面内、コマ面内の一区画、絵内の一区画、吹出し面内、吹出し面内の一区画、又は字上を音声デ-タの出力命令ポイントとし、それらの指定した区画部位にカ-ソル又はマウスカ-ソルを移動して打キ-又はクリックすると音声出力装置から音声が出力されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項12】 作成して記憶格納した任意の頁面又は/及びコマ面のデ-タをモニタ-画面に呼び出してその画面を下書面とし、その下書面に描かれた絵、画像及び字を透視可能に上書面を重ね、その上書面に下書面の絵、画像及び字を透視しながら書込めるようにし、絵と字を書込んだ上書面を残して随時に前記下書面を消去できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項13】 入力装置及び出力装置にモデムを有し、通信回線を介して他のコンピュ-タシステムからの出力及び/又は入力を行なってプログラム及びデ-タの遣り取りを行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法。
【請求項14】 頁面内にコマ面と吹出し面を設定して漫画の絵と文字の書込み製作して頁番号とコマ番号を付与してメモリへ記憶格納させて完成した漫画を、頁番号及びコマ番号の最初の番号からか又は任意の番号から正順又は逆順に転換できるようように設定して頁捲りとスクロ-ルにより連続してスト-リ-を展開できるようにし、任意にキ-又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法で作られたモニタ画面で見る漫画。
【請求項15】 モニタ画面のある分岐選択可能な区画を含む番号の頁面内、コマ面又は吹出し面の任意の指定した分岐選択区画部位にカ-ソル又はマウスカ-ソルを移動して打キ-又はクリックすると、その番号の画面内から別系列の番号に分岐移動して異なるスト-リ-の展開が始ってそのまま頁捲りとスクロ-ルにより連続してスト-リ-を展開できるようにし、任意にキ-又はマウスを操作して元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法で作られたモニタ画面で見る漫画。
【請求項16】 モニタ画面の頁面内の任意の指定した区画部位にカ-ソル又はマウスカ-ソルを移動して打キ-又はクリックすると音声付き動画映像又は音声が出力され、任意にキ-又はマウスを操作すると元の画面に戻るか又は終了できようにしたことを特徴とする請求項1乃至15のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法で作られたモニタ画面で見る漫画。
【請求項17】 モニタ画面の頁捲り又はコマ送りの速度を定速に又は頁毎に設定し、さらにその設定速度を任意の速度に早送り及び遅送りできるように設定できるようにし、前記頁捲り又はコマ送りを自動的に行なえるようにしたことを特徴とする請求項1乃至16のうちいずれか一項記載のコンピュ-タを用いた漫画の製作方法で作られたモニタ画面で見る漫画。

2006年12月27日 (水曜日)

ごみ置場に特許が成立

 「ごみ置場」について特許が認められました。

 この発明は請求項の数は次の「3」です。装置としては誰でもできるような極めて単純なものですが、それでも特許となったのはこの発明の「技術思想」が評価されたからです。

  【請求項1】

 底面の漏水防止処理がなされていないか又は漏水防止処理がなされていたが損なわれている地面に直に設けられたごみ置場において、置場の上面全体を防水カバー又は屋根で覆って密閉してごみの山に雨水が侵入するのを防止し、前記防水カバー又は屋根内の空間を除湿させる除湿機を設けて該除湿機の稼動で前記ごみの山内を強制的に乾燥状態にし、ごみに含まれている有害物質が水に溶け出さないようにするとともに前記ごみの山に接する地中部分と地中の内部との湿度差によって生じる水蒸気浸透圧によるごみの山に接する地中部分に地中の内部からごみの山へ向う水蒸気の流れと、前記ごみの山に接する地中部分と地中の内部との含水率差によって生じる毛細管現象によるごみの山に接する地中部分に地中の内部からごみの山へ向う水の流れとを発生させることによって、ごみの山から地中へ向かう水分の流れを発生させないようにして、ごみに含まれている水蒸気と水に混ざった有害物質の地中への漏出を完全に防止できるようにし、且つ前記防水カバー又は屋根内の空間を減圧させる減圧手段を設けて、ごみの山内部を地中よりも減圧状態にし、ごみの山に接する地中部分に地中からごみの山へ向う空気の流れを作り、ごみの山から地中へ向かう空気の流れを発生させないようにして、ごみに含まれている有害気体の地中への漏出を完全に防止できるようにしたことを特徴とするごみ置場。

  【請求項2】

 防水カバー又は屋根内の空間にある有害ガスを吸着するガス吸着手段を設けて、ごみの山から発生する有害ガスを吸着することによって有害ガスの大気中への拡散を防止できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のごみ置場。

  【請求項3】

 防水カバー又は屋根内の空間にある悪臭を除去する脱臭手段を設けて、ごみの山から発生する悪臭を除去することによって悪臭の大気中への拡散を防止できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のごみ置場。

2006年12月26日 (火曜日)

漫画の特許の解説(3)

特許法では、間接侵害も権利抵触するとの解釈をしています。

製造方法の特許では、その方法で生産された物やその方法を実施するための製造装置に対しても権利が間接的に及ぶことになります。

例えば、饅頭の製法の特許の場合、その方法で製造された饅頭も侵害の対象になります。この場合饅頭の製造会社とそれを販売した販売会社が侵害当事者として、被告になります。

これと同じように、この漫画の製造方法では、漫画を描く者(漫画家)と、その漫画を販売した出版社に対して、この漫画の製作方法で描かれた漫画そのものを差し止め請求することが可能です。具体的には、出版停止、回収、廃棄などの要求ができます。

また、同様に、この漫画の製作工程を持って製作することを実現するための漫画製作ソフトの製作会社や販売会社に対しても同し要求ができます。

漫画には著作権がありますが、著作権は表現された創作物に対する漫画そのものの所有権です。これに対して、製作方法の特許は製作するための技術思想に対する所有権です。

特許権は著作権を否定するものではありません。

しかし、その技術思想(特許)でなければその漫画が創作できなかったとしたらその漫画は特許侵害をした著作物になるでしょう。またほかの方法でも同じ漫画を製作できるものであった場合でも、実際にはその技術思想を使用したiとしたら特許侵害をしたことになるでしょう。

この場合、どのように製作したか他人には知ることができないから知らん振りすれば良いと考える人がいると思いますが、その人は「後ろめたさ」が生じる点で人が生きるうえで大切な「良心」を傷つけることになるでしょう。どうするかは人の生き方の問題で個人の自由だと思います。

2006年12月25日 (月曜日)

漫画の特許の解説(2)

この特許は漫画の製作方法の特許です。

したがって、特許権の侵害関係が起こるのは、同じ方法で漫画を製作した人と法人が対象となります。

具体的には、漫画家、漫画スタジオが直接的な関係にあります。また、漫画の製作方法を実行する工程に沿ったプログラムを持った漫画製作ソフトも間接侵害としての特許侵害の対象となるので、その場合、漫画製作ツール、漫画製作ソフト自体の商品が対象となります。

また、漫画の制作を、漫画製作専用ソフトではない図形ソフトやワープロを適宜組み合わせて使用し漫画を製作した場合は特許権の範囲になります。

しかし、図形ソフトやワープロなどの漫画製作用ではないソフト自体は全くの対象外です。

また、デジタル漫画のなかでも、既に発刊された漫画をスキャナーなどで複写してデジタル化しただけのものはこの特許権の対象になりません。

したがって、旧来型のデジタル漫画の多くは特許侵害の対象にはならないでしょう。

2006年12月24日 (日曜日)

漫画の特許の解説(1)

漫画の製作方法についての特許の解説をします。

(Q)特許が成立したか?

(A)すでに成立しています。

(Q)権利期間はいつまでか?

(A)2016(平成28年)で終了します。

(Q)特許権があることを知らなかった場合損害賠償をしなくていいいのか?

(A)特許は公開された時点で、知らなかったとはいえない制度になっています。特許は知らないからと言って逃れることはできません。

(Q)仕事としていない個人は関係ないか?

(A)個人であるか法人であるかは関係なく法適用されます。ただし投稿して利益を得る(金銭だけではない)ような場合には適用されますが、外部に発表せずに自宅で楽しむだけなら、だれもそのことを知ることもできないし、使用する個人としては適用はされないでしょう。

(Q)出願前に同じような漫画の製作方法があったので特許は無効なのではないか?

(A)特許庁に無効審判を起こして特許権を無効にするまでは有効です。したがって現在は有効な特許権です。

(Q)特許を無効にするにはどうしたらいいか?

(A)証拠がなければ無効審判をしても無効であるとの審決は出ません。証拠次第です。

(Q)証拠とは何ですか?

(A)発行した日が証明できる刊行物(雑誌等)が証拠となります。インターネット上のデータは証拠となりません(旧法の条項による)。

(Q)1987年頃に製作されたデジタル漫画は証拠となりますか?

(A)製作されて紙面に残された雑誌の漫画では証拠となりません。どのように製作されたかを証明できないからです。

(Q)デジタル漫画の電子データがあったら証拠になりますか?

(A)製作過程が証明でる電子データがあっても証拠にはなりません。製作者が知っていても他の人はその時点で知らなければ、公知ではないからです。証拠は漫画そのものではなく、その漫画の製作過程などの内容が発表や公表されたものであることが条件です。

(Q)製作過程などの内容が発表や公表された刊行物の証拠があれば無効にできますか?

(A)その内容が特許請求の範囲の請求項に照合させ、技術的に同一であるか同じようなものであるかによって無効にされる範囲が異なります。訂正審判により一部訂正された内容の権利が維持される場合や権利が全部無効とされる場合があります。

(Q)特許権侵害の訴訟がなければ、無視していていいのですか?

(A)訴訟にならなくても、話し合いで解決される場合があります。おたがいに誠意を持った交渉ができなかった場合は訴訟で解決することになります。最終的に侵害を知られないですむ場合もあります。しかし、損害賠償は特許権が切れた後であっても権利が有効であった期間中に行われたものは請求権が残っています。当然、権利期間が終了した後に行っ たものについては権利を主張することができません。

(Q)特許権とは何ですか?

(A)特許法68条「排他的実施権」、100条「差し止め請求権」、民法709条「損害賠償権」が認められています。特許権利者の許可なく特許技術を使用できないこと、それでも実施していたら国家権力で強制的に実施をやめさせることができること、はからずも侵害をしてしまった場合は侵害していた間に受けた損害を賠償請求できることが特許を持つ者の権利として規定されています。

(おことわり)

以上の(Q)と(A)は、私的見解であり、弁理士、弁護士の方に検証していただいてから判断されることをお勧めします。

2006年12月 3日 (日曜日)

デジタルコミック

      コンピューターを用いた漫画の製作方法

      及びその方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法

特許番号  特許第3520515号
出願日   平成8年6月25日(1996.6.25)
公開日   平成10年1月16日(1998.1.16)
登録日   平成16年2月13日(2004.2.13)
発行日   平成16年4月19日(2004.4.19)
請求項の数 16

実施許諾  特許権者において、権利譲渡または実施許諾の用意がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

入力装置及び出力装置を備えたコンピューターシステムにおいて、入力装置がキーボード、マウス、コントローラー、イメージスキャナー、マイク及びモデムのうち少なくともキーボード及びマウスを有し、出力装置がモニター、プリンター、スピーカー及びモデムのうち少なくともモニターを有し、前記モニターに出力される画像を見ながら前記入力装置によって入力操作を行なうコンピューターシステムを用い、前記モニター画面内に一頁分全体の頁画面を映し出せるようにし、その頁画面を小区画に駒割し、その駒割のいずかの一駒又は複数の駒を選択して頁画面の上に重ねて任意の縮尺に拡大又は縮小させて表示できるようにし、その拡大又は縮小した一駒又は複数の駒の中に絵を書き込みできるようにし、その書き込まれた絵のデーターを一駒毎に記憶させ、それらの複数の記憶した絵のデーターを選択して適時に呼び出してその駒内又は別の駒内に表示できるようにすると共に、その呼び出した絵のデーターに上書きして新しい絵のデーターを書き込みできるようにし、さらにまたその絵のデーターに文字データーを上書きできるようにし、そして絵又は絵及び文字を書き込んだ各駒を一つの頁画面内に組み合せてその頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにすると共にそれらの表示画面を随時プリントアウトできるようにしたコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項2】

絵のデーターと文字データーを書き込んでモニター画面に表示した全体の頁画面に、さらに絵のデーター又は/及び文字データーを上書きしてその頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにした請求項1のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項3】

絵のデーターの入力装置がイメージスキャナーを有し、紙に描かれた絵をモニター画面に出力された頁画面全体又は各駒内に表示できるようにした請求項1又は2のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項4】

絵のデーターの入力装置にモデムを有し、通信回線を介して送られた絵のデーターをモニター画面に出力された頁画面全体又は各駒内に表示できるようにした請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項5】

絵のデーターが、三次元立体データーであり、任意の視角を選択してその立体を表示できるようにした請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項6】

絵のデーターが、テレビ又はビデオ映像を基に、画像データーを動画として又はその中から任意の静止画像データーを取り出してその静止画像又は動画の中から選択した一瞬の画面をデジタル化して絵としてモニター画面に表示できるようにした請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項7】

絵のデーターのうち任意の空間内を、あらかじめ設定してある色及び図柄に塗り換えできるようにした請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項8】

駒内の一部又は全部の絵のデーターの切り取り及び張り付けができるようにした請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項9】

頁画面内に絵のデーターに上書きして吹出し又は吹出し空間を呼び出して表示できるようにし、その吹出し空間内に文字データーを書き込めるようにした請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項10】

一つの駒から次の駒に移動すると、その駒内に直前の記憶した絵のデーターを自動的に呼び出して表示できるようにした請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項11】

あらかじめ記憶させた絵のデーターを使用出現頻度に応じた優先順序で並べ換えできるようにし、呼び出したい下書用の絵のデーターを効率良く選択して呼び出しできるようにした請求項1乃至10のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法。

【請求項12】

記憶された絵のデーターを頁順に並べてその順にスクロールしながら連続してモニター画面で見られるようにし、又はその表示画面に同時に画面の任意の区画にカーソル又はマウスカーソルを移動してクリックしてスピーカーから音声を聞けるようにした請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法。

【請求項13】

記憶させた絵のデーターを頁順に並べてその順に頁捲りしながらモニター画面で見られるようにした請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法。

【請求項14】

駒内の一部又は全部の絵のデーターにカーソルを合せキー又はマウスを押すと、デジタル化して記憶したテレビ又はビデオ映像の動画がそのまま又はその静止画像としてモニター画面の全部又は一部に出力表示され、テレビ又はビデオ映像が終わるとまた元の画面に戻るようにした請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法。

【請求項15】

入力装置にマイクを、出力装置にスピーカーを有し、絵のデーター及び/又は文字データーの指定した区画及び/又は頁画面全体又はその内の一部及び/又は各駒内の区画にカーソル又はマウスカーソルを移動してクリックするとスピーカーからあらかじめマイクを用いて入力書込みしてある音声データーがスピーカーに出力されるようにした請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法。

【請求項16】

モデムを有し、絵、文字又は絵、文字、音声のデーターを通信回線を用いて別のコンピューターシステムから出力及び/又は入力できるようにした請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のコンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】

本発明は、コンピューターを用いた漫画の製作方法及びその方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法に関する。

【0002】
【従来の技術】

近年日本の漫画は世界の人々に幅広く読まれ親しまれている。そして今や、単にでき上がった漫画を読むことから、自らも思想、信条、感情、感覚等を表現するための手段として漫画を書きたいと望む人が増加している。それは、漫画が映画、文学等の既存の表現方法とは異なる特異で豊富な表現形態をとることが認識されて微妙な表現も可能となったからでもある。
【0003】そして、単なるナンセンスギャグ漫画の低俗なものから文学、経済、哲学、数学、宗教、歴史、科学、医学、政治の高度な表現を要する書籍まであらゆるジャンルの漫画本が刊行されるに至り、この多様化の傾向は現在益々進行しつつある。多様で特異な表現形態が漫画に産れたのは、道徳・思想・観念的・心理的に極めて自由・無制約な日本人であってはじめて、紙という二次元的空間に、思想、宗教、道徳等の社会的・文化的制約も受けずに自由奔放な音、色、形、味、触感、等の五感の表現形態及び現実を超越する空間的表現、時間的表現を確立できたことが大きく影響している。このような漫画の表現手法自体が発明者が特定されていない偉大な発明ともいえる。
【0004】そして、通常漫画の製作は、漫画作者が絵を書き、これを出版者が編集して本が作られる。漫画作者は、具体的には紙に構想したシナリオに基づいて駒割を書き、その中に一場面づつ筆記具を用いて絵を描き込んで製作している。そして製作する時間に余裕がない時などは、助手に簡単な部分を代行して描いて貰うこともある。その漫画においての言葉の表現は、絵の中での言葉を発する者のところから吹出し(話し手や、話し手の口許などへ鋭角線を向けて他の部分を丸い線で囲った部分)を囲ってその中に発する者の会話、思考内容などを文字(活字等)で表現することが多い。強調する場合には駒割をはみ出して大きく文字が書かれることもある。
【0005】できた漫画からは映画的な手法に、即ちアニメーション化することが多く行なわれている。漫画をアニメーション化するには画面を連続的な動きに見せるために多くの原画を手間暇掛けて製作しなければならない難点があるが、その作業自体には創作力はあまり要求されない。しかし、基となる漫画を製作することは、創造力、創作力が必要で、本人の才能が表現されるもので才能がないと売れるもの(読まれるもの)は容易にはできない。また、豊富な表現手法に魅せられてなんとか漫画を書きたいと思っても、一般の人では描写力や表現技術が乏しく且つ表現するのには手間暇がかかるので殆ど製作することはできないのが実態である。
【0006】そこでコンピューターを用いようとしても、これまでは絵、図形のデーターを大量に扱うには記憶容量が少な過ぎ、また演算スピードが遅かったので漫画画面を書き込み、画面加工を行なうには極めて困難であった。しかし今日では各種のオペレーイョンシステム(OS)や設計ソフト(CAD)、ワープロ、ゲーム、表計算、仕事管理等のソフトや面画像処理技術などのアプリケーションソフトの充実が完成の域に近付き、また使用用途が広がり、そのうえだれでも専門知識なしに容易に使用できるようになったので一般家庭への大容量の安価になったコンピューターが目覚しく普及している。そのモニター画面で漫画を見られることは、紙資源の浪費の防止にも役立つものと考えられるが、漫画は現在モニター画面で見られるようには製作されていない。また、通信面でもパソコン通信、インターネット等通信回線でのコンピューターを介しての画像や文字データーのやり取りが盛んになってきた。

【0007】
【課題を解決しようとするための手段】

本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、コンピューターを用いて漫画の製作がだれでも簡単にできる方法及びその方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法を提供するものである。そして、コンピューターを介することによって、写真、テレビ、ビデオ、CD、録音テープ、通信データー等各種メディアを利用して、漫画の表現手法を飛躍的に高めるとともに、手間暇かかり、描写力の必要な手書き部分を画像に置き換えてだれでも簡単に漫画を製作できるようにする手段を提供するものである。

【0008】
【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本発明は、入力装置及び出力装置を備えたコンピューターシステムにおいて、入力装置がキーボード、マウス、コントローラー、イメージスキャナー、マイク及びモデムのうち少なくともキーボード及びマウスを有し、出力装置がモニター、プリンター、スピーカー及びモデムのうち少なくともモニターを有し、前記モニターに出力される画像を見ながら前記入力装置によって入力操作を行なうコンピューターシステムを用いる。
【0009】そして、前記モニター画面内に一頁分全体の頁画面を映し出せるようにし、その頁画面を小区画に駒割し、その駒割のいずかの一駒又は複数の駒を選択して頁画面の上に重ねて任意の縮尺に拡大又は縮小させて表示できるようにし、その拡大又は縮小した一駒又は複数の駒の中に絵を書き込みできるようにし、その書き込まれた絵のデーターを一駒毎に記憶させ、それらの複数の記憶した絵のデーターを選択して適時に呼び出してその駒内又は別の駒内に表示できるようにすると共に、その呼び出した絵のデーターに上書きして新しい絵のデーターを書き込みできるようにし、さらにまたその絵のデーターに文字データーを上書きできるようにし、そして絵又は絵及び文字を書き込んだ各駒を一つの頁画面内に組み合せてその頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにすると共にそれらの表示画面を随時プリントアウトできるようにしたコンピューターを用いた漫画の製作方法である。
【0010】また、前記絵のデーターと文字データーを書き込んでモニター画面に表示した全体の頁画面に、さらに絵のデーター又は/及び文字データーを上書きしてその頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにしたものである。
【0011】さらに、前記絵のデーターの入力装置がイメージスキャナーを有し、紙に描かれた絵をモニター画面に出力された頁画面全体又は各駒内に表示できるようにしたものである。
【0012】さらにまた、前記絵のデーターの入力装置にモデムを有し、通信回線を介して送られた絵のデーターをモニター画面に出力された頁画面全体又は各駒内に表示できるようにしたものである。
【0013】また、前記絵のデーターが、三次元立体データーであり、任意の視角を選択してその立体を表示できるようにしたものである。
【0014】さらに、前記絵のデーターが、テレビ又はビデオ映像を基に、画像データーを動画として又はその中から任意の静止画像データーを取り出してその静止画像又は動画の中から選択した一瞬の画面をデジタル化して絵としてモニター画面に表示できるようにしたものである。
【0015】さらにまた、前記絵のデーターのうち任意の空間内を、あらかじめ設定してある色及び図柄に塗り換えできるようにしたものである。
【0016】また、前記駒内の一部又は全部の絵のデーターの切り取り及び張り付けができるようにしたものである。
【0017】さらに、前記頁画面内に絵のデーターに上書きして吹出し又は吹出し空間を呼び出して表示できるようにし、その吹出し空間内に文字データーを書き込めるようにしたものである。
【0018】さらにまた、一つの駒から次の駒に移動すると、その駒内に直前の記憶した絵のデーターを自動的に呼び出して表示できるようにしたものである。
【0019】またさらに、あらかじめ記憶させた絵のデーターを使用出現頻度に応じた優先順序で並べ換えできるようにし、呼び出したい下書用の絵のデーターを効率良く選択して呼び出しできるようにしたものである。
【0020】また、記憶された絵のデーターを頁順に並べてその順にスクロールしながら連続してモニター画面で見られるようにし、又はその表示画面に同時に画面の任意の区画にカーソル又はマウスカーソルを移動してクリックしてスピーカーから音声を聞けるようにした上記コンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法である。
【0021】さらに、記憶させた絵のデーターを頁順に並べてその順に頁捲りしながらモニター画面で見られるようにした上記コンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法である。
【0022】さらにまた、前記駒内の一部又は全部の絵のデーターにカーソルを合せキー又はマウスを押すと、デジタル化して記憶したテレビ又はビデオ映像の動画がそのまま又はその静止画像としてモニター画面の全部又は一部に出力表示され、テレビ又はビデオ映像が終わるとまた元の画面に戻るようにした上記コンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法である。
【0023】また、前記入力装置にマイクを、出力装置にスピーカーを有し、絵のデーター及び/又は文字データーの指定した区画及び/又は頁画面全体又はその内の一部及び/又は各駒内の区画にカーソル又はマウスカーソルを移動してクリックするとスピーカーからあらかじめマイクを用いて書込みしてある音声データーがスピーカーに出力されるようにしたものである。
【0024】さらに、上記構成において、前記モデムを有し、絵、文字又は絵、文字、音声のデーターを通信回線を用いて別のコンピューターシステムから出力及び/又は入力できるようにした上記コンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画をモニター画面で見る方法である。

【0025】
【発明の実施の形態】

本発明を以下詳しく説明する。本発明に用いる入力装置及び出力装置を備えたコンピューターシステムは、既存の普及している装置を組み合せて用いる。例えば、入力装置については、キーボード、マウス、コントローラー、イメージスキャナー、マイク及びモデムが普及されている。本発明においては、そのうち少なくともキーボード及びマウスを用いてコンピューターシステムに組み込む。また、出力装置についても、モニター、プリンター、スピーカー及びモデムが普及されている。本発明においては、そのうち少なくともモニターを用いてコンピューターシステムに組み込む。そして、前記モニターに出力される画像を見ながらキーボード及びマウスを用いて前記入力装置によって入力操作を行えるようにする。
【0026】そして、上記装置の操作に必要なプログラムのソフトウェアーは、各種のプログラム言語の使用によって構築することができる。特にマルチウインドウのスタイル、即ち画像の中に別の画像を表示してその表示された画像を加工する手法が有効に利用できる。また、絵及び文字のデーター処理については、拡大、縮小、変形、回転、切取り、貼り付け、コピー、消去、塗付け、塗替え等の各種編集機能を有する多くの図形処理ソフトが提供されている。
【0027】さらに、テレビ及びそのビデオの動画についてもテレビ映像をデジタルに変換してモニターに表示し、記憶させたり、静止画像に表示させたり、ハードディスク(HD)、フロッピーディスク(FD)やCDーROM等の記憶媒体に画像・音声等のデーターを記録し再生させることも可能となっている。また図形の回転、連続繰返し、軌跡移動、往復移動等のプログラムも提供されている。
【0028】さらに、図形と関連させて音楽、会話、動物の声などの音声入力したり出力させたりすることができるものもある。本発明では従来使用されている各種の上記アプリケーションソフト及び装置を利用して為される漫画の製作技術であり、OSを含むコンピュータープグラムの介在なしには本発明の漫画の製作は実行できない。本発明においては、コンピューターと入力装置及び出力装置を揃えた機械的・電子的システム構成が漫画を製作するための一つの道具であるように、その機械を操作するためのコンピュータープログラムソフトもまた漫画を製作するための欠くことができない一種の道具として使用する。
【0029】次に、漫画の製作工程を説明すると、前記モニター画面内に一頁分全体の頁画面を映し出せるようにする。漫画は、通常一枚の頁又は2枚の繋がった見開き頁の中に完結的に表現される。そして、その頁全面を一駒で表現することもあるが、多くは、その頁画面を小区画に分割(駒割)して、それらの駒を上から下へ右から左への順で時間的推移を表現する。
【0030】駒割は作者によって好みがあり、きっちりと均等割する方法(主として四駒漫画に多い)、割らない方法(一駒漫画)、斜め割する方法(劇画に多い)、部分割する方法(挿絵漫画)などの手法がある。駒割線についても、立体てきな影入線によるもの、鋭い細い線によるもの、コーナーを丸めたものなど自由に表現している。一頁分全体の頁画面内にそれらの多様な表現形式に応じることができるように、モニター画面にそれらの駒が一つの枠として設定されるようにする。
【0031】そして、その枠を作ること即ち駒割のいずかの一駒又は複数の駒を選択して頁画面の上に重ねて任意の縮尺に拡大又は縮小させて表示し、その拡大又は縮小した一駒又は複数の駒の中に絵を書き込みできるようにする。漫画は一駒毎に一場面が表現される。その駒を拡大すれば細かい部分まで詳細に書込むことができる。また漫画の表現は駒が独立している場合と隣り合う駒同士を連結させ、絵や文字を複数の駒に跨がって繋げて上書きする手法が多用されている。このような手法で心理的、空間的な連想が関連することを表現することもある。
【0032】そして、その書き込まれた絵のデーターを一駒毎に番号を付与して記憶させ、それらの複数の記憶した絵のデーターの番号を選択して適時に呼び出してその駒内又は別の駒内に表示できるようにすると共に、その呼び出した絵のデーターに上書きして新しい絵のデーターを書き込みできるようにする。一度書かれた絵は、同じ様な場面設定においては、その絵を背景として何度も使用することができる。何時間も手間をかけて最初からそのような絵を書き込むことと比較すると一瞬のうちに表示できることは極めて高効率である。
【0033】また、一つの絵、例えば主人公は何度も登場し、顔の形や向きは数種類まパターンで間に合うことが多い。さらに喜怒哀楽の表情の部分を加えればおよその人物は蓄積された図形データーで埋められる。この呼出した背景画面にこの人物図形データーを上書すれば一つの駒が簡単に完成することになる。
【0034】さらにまたそれらの一旦完成した絵のデーターにさらに文字データーを上書きできるようにする。文字は普通絵ができあがった後から書き入れることが多い。その書き入れかたは、絵の上に直接被せるように書き込む方法と、吹出し又は囲いを設けたり、吹出し空間を空けてその中に表示する方法とがある。またそれらの方法を場面に相応しく組み合せる方法もある。
【0035】そして、絵又は絵及び文字を書き込んて完成した各駒を一つの頁画面内に組み合せてその完成させた頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにする。この一頁づつの頁画面を順次シナリオにそって頁番号を付与して全頁分製作して頁番号の順にストーリーを展開する漫画が完成する。
【0036】そして、完成されたそれらの表示画面の全頁枚数を一頁づつ紙にプリントアウトしてそれらを頁順に製本すると一冊の漫画本が完成する。それらの表示画面は製作途中や完成させてからも随時プリントアウト可能とすれば、改めて絵や文字の点検、修正を行なうことが容易となる。
【0037】また、前記絵のデーターと文字データーを書き込んでモニター画面に表示した全体の頁画面に、さらに絵のデーター及び文字データーを上書きしてその頁画面の全体をモニター画面に表示できるようにする。絵のデーターはコンピューターの記憶容量を多く必要とする。文字データーも絵としてを書き込みすることもできるが、別にワープロから文字データーを書き込んだほうがコンピューターの記憶容量が少なくて済むし、文章の作成も極めて簡単となる。また、漫画の国際化の中で、漫画が色々な言語で読まれることになり、その場合には漫画の中に表される文字のみを、他の言語に翻訳して置き換え可能とすることは、例えば吹出し内の切り張り作業を省略することができる。特に、自動翻訳機が提供されている現在、文字部分のみ自動翻訳機によって言語転換すれば、他国での出版が極めて簡単となる。
【0038】また、前記絵のデーターの入力装置にイメージスキャナーを有する場合には、紙に描かれた絵、写真、文字等を入力読み込みできる。そして、それらをモニター画面に出力されて頁画面全体又は各駒内に表示できるようにする。それらの絵、写真、文字等はそのまま漫画の背景、下絵等に利用できる。さらに、イメージスキャナーで読み込まれたワープロで表現できない文字、即ち、強調文字、変形文字など特殊な文字を前記漫画の背景、下絵等の上にさらに上書きして表示できるようにする。また紙に描かれた絵をイメージスキャナーによってモニター固面に表示して、この表示された絵を前記下絵の上にさらに上書きして表示するなど、紙上に保存しておけばこの絵を繰返し何度も利用することができる。
【0039】また、前記絵のデーターの入力装置にモデムを有し、通信回線を介して送られた絵のデーターをモニター画面に出力された頁画面全体又は各駒内に表示できるようにする。そうすれば、本を運搬することなく、漫画を海外にまで発信できるし、海外の漫画を受信することができるようになる。
【0040】また、前記入力装置にマイクを、出力装置にスピーカーを有し、絵のデーター及び文字データーの指定した区画及び頁画面全体又はその内の一部及びは各駒内の区画にカーソル又はマウスカーソルを移動してクリックするとスピーカーからあらかじめマイクを用いて書込みしてある音声データーがスピーカーに出力されるようにする。これまでの漫画は文字のスペースが多くを占めている。しかし、モニター画面で見る漫画においては、モニター画面を操作しながら文字を音声出力したり、漫画に文字を書込まずに仕上げることができるようになる。そうすれば絵の中に無理な吹出しを入れなくても済む。
【0041】また、前記絵のデーターが、三次元立体データーであり、任意の視角を選択してその立体を表示できるようにする。例えば、一人の人物の三次元立体データーによって、前後左右斜め方向等の選択ができ、顔の表情、手足等体の動作が表せる。そしてその三次元立体データーを紙上の二次元平面データーに置き換えで書き込み表示できるようにする。駒の中に、呼び出した背景の絵にその三次元立体データーから作られた二次元平面データーを書き込んで一つの駒を完成させることができる。
【0042】また、前記絵のデーターが、テレビ又はビデオ映像を基に、画像データーを動画として又はその中から任意の静止画像データーを取り出してその静止画像又は動画の中から選択した一瞬の画面をデジタル化して絵としてモニター画面に表示できるようにする。そのデジタル化した一瞬の場面をモニター画面に表示したら、これを駒の背景部分としてそのま使用するか、又は下絵として利用する。
【0043】また、前記絵のデーターの線で囲まれた空間内を、あらかじめ設定してある色及び図柄に塗り換えできるようにする。図形製作ソフトの一般的なペイントプログラムの手法であるが、漫画には着色、ハッチング、網掛け、ボカシ等の表現が多用されるが、その場合に大変簡単に絵の面的処理を行なうことができる。
【0044】また、図形製作ソフトの一般的な編集手法を利用することができ、前記駒内の一部又は全部の絵のデーターの切り取り及び張り付けの機能をもたせると、部分修正などが容易となる。
【0045】また、前記頁画面内に絵のデーターに上書きして吹出し又は吹出し空間を呼び出して表示できるようにし、その吹出し空間内に文字データーを書き込めるようにする。吹出しは一つの独立した文字データー専用枠としてプログラムすることもできる。そしてこの文字データー専用枠内にワープロを使用して文字記入でるようにする。
【0046】また、前記一つの駒から次の駒に移動すると、その駒内に直前の記憶した絵のデーターを自動的に呼び出して表示できるようにする。駒画面は連続することも多いので、自動設定にして画面を呼び出せば次の駒の効率的な製作ができる。
【0047】また、別にあらかじめ記憶させた絵のデーターを使用出現頻度に応じた優先順序で並べ換えできるようにし、呼び出したい下書用の絵のデーターを効率良く選択して呼び出しできる。
【0048】また、上記コンピューターを用いた漫画の製作方法で作られた漫画は、記憶させた絵のデーターを頁順に並べてその順にスクロールしながら連続してモニターで見られるようにし、又はその表示画面に同時に画面の任意の区画にカーソル又はマウスカーソルを移動してクリックしてスピーカーから音声を聞けるようにして完成した漫画をモニター画面で見ることができる。
【0049】さらに、完成した漫画を、記憶させた絵のデーターを頁順に並べてその順に頁捲りしながらモニター画面で見ることもできる。さらに、前記記憶させた絵のデーターを頁順に頁捲りし、ある駒にさしかかったら、その駒から別のストーリーの頁に入り込む方法もできる。例えば同時平行的に進行するストーリーを複数の枝順番に並べ換え、移れるようにする方法も可能である。その駒に関連する過去の追憶や、関連データーを呼び出し表示してストーリーに変化をもたせたり、その人物の心理解説したり、見る人の選択事項を挿入すると紙による漫画では表現できない描写技法が可能となる。
【0050】また、前記駒内の一部又は全部の絵のデーターにカーソルを合せキー又はマウスを押すと、デジタル化して記憶したテレビ又はビデオ映像の動画がそのまま又はその静止画像としてモニター画面の全部又は一部に出力表示され、テレビ又はビデオ映像が終わるとまた元の画面に戻るようにして上記製作方法で作られた漫画をモニター画面で見ることができる。
【0051】また、上記コンピューターを用いた漫画は、モデムを有し、絵、文字又は絵、文字、音声のデーターを通信回線を用いて別のコンピューターシステムから出力及び入力できるようにすればそれを基に別の所にいながらモニター画面で見ながら製作することができる。

【0052】
【発明の効果】本発明は上記のようで、コンピューターを用いて漫画の製作がだれでも簡単にでき、できた漫画をモニター画面で見ることが可能となる。そして、コンピューターを介することによって、写真、テレビ、ビデオ、CD、録音テープ、通信データー等各種メディアを利用して、漫画の表現手法を飛躍的に高めるとともに、各種専門的分野の複雑な描写など、手間暇かかり且つデツサン力や立体表現力などの芸術的センスの必要な手書部分をコンピューターに読み込んだ画像に置き換えて利用すればだれでも簡単に漫画を製作することができるようになる。

2006年11月29日 (水曜日)

時間と記憶

一休さんは経験した記憶の中で人が作られると言った。

でも人は忘れることでその人が作られるとは言わなかった。

どちらも、その前の人と後の人とはどこかが違うという点で同じような違うような?

15年ぶりに友人と会ったとき、昔の友人と目の前の友人との違いを記憶が修正すかのような数十秒のめまいがあった。

奇妙な経験だった。

そのめまいは15年の時間を昨日のように短縮した。友人はやはり昔の友人だった。

しかしその間の二人の経験はお互い全く知らないことばかりだった。

人は経験で変わるのか?時間で変わるのか?それとも変わらないのか?

2006年10月29日 (日曜日)

黒松の盆栽です

この黒松は実生9年です。長生きしないと盆栽はできません。1811_2

2006年8月20日 (日曜日)

夏は花が少ない

  さるすべりの赤い花が咲いている以外花がない 。

2006年5月 7日 (日曜日)

時間と行為

今日も何もしないで一日が終わりました。

そして、同じように一年が終わるのです。

でも、いつも何かしたいと思っているのです。

これでは何も出来るわけがありません。

今一番やりたいことを自覚的に意識することと、それを確実に今やることが肝心です。

その結果、何かができるのです。

ふりかえったとき、そこの何かが残るのです。

一日は短いが、一年は長く、一生はさらに長い。ということでしようか。

2005年12月25日 (日曜日)

寒くなりました

小梢の枯葉もちじこまっています。

寒さは木々にも相当」こたえているようです。

2005年10月22日 (土曜日)

散歩

ぶらりと歩く。
自然に何かが感じられる。
ただそれだけで何かが体と心を動かす。
いいもんだ。

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