リオデジャネイロ──南米ブラジルのリオデジャネイロ州でデング熱が流行しており、今年に入ってからの死者が少なくとも54人に達したと、同州の保健当局が27日に発表した。
病院では114人が死亡しているが、デング熱と確認されたのが54人で、残る60人については現在調査中。そのため、デング熱による死者は、さらに増える恐れがある。
今年1月からの感染者はリオデジャネイロ州だけで4万3000人を超え、昨年1年間の感染者2万5107人の倍近くになっている。
死者のうち31人は、リオデジャネイロ市で発生した。また、約半数が13歳未満の子供だった。
リオデジャネイロ州の保健当局では、デング熱が発生する11月から5月だけではなく、年間を通じて媒介する蚊の対策が必要だと指摘。今年5月以降の対応によっては、来年の犠牲者はさらに増える可能性があると警戒している。
ブラジルのホテル協会によると、デング熱の流行でリオデジャネイロを訪れる観光客は、25%減少。経済面でも打撃を受け始めている。
デング熱はマラリアと同様、蚊が媒介する感染症。厚生労働省検疫所によると、デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカなどは、空き缶にたまった水などでも繁殖するため、都会での流行も多いという。しかし、治療や対症療法だけで特効薬はなく、予防薬もないため、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法だという。