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「よっしゃ」の声も 大江氏支援者 (2/2ページ)
梅沢さんは「お国のために戦ってきたのに、なぜ事実がねじ曲げられるのか」。秀一さんも「兄の無念を晴らしたかった」と高齢を押して提訴。約2年8カ月にわたり、法廷で“無実”を訴えてきた。
一方、大阪司法記者クラブで記者会見した大江氏は、欄外にまでびっしりとメモが書き込まれた原稿用紙を手元に置き、報道陣をまっすぐ見据えながら質問に答えた。
「大勢の沖縄の人たちが軍に強制されて自殺した。私は歴史的事実を書いた」。
訴訟は、元戦隊長らを含めた「軍の自決命令」の有無が最大の焦点だった。会見で大江氏は「裁判所に『沖縄ノート』を読んでもらえたら、(出張)理解してもらえると思っていた」と強気の発言。判決は「自決命令が真実とは断定できないが、合理的資料などがある」との判断だったが、大江氏は「裁判所はよく(沖縄ノートを)読み取っていただいた」と評価した。
「沖縄ノート」の記述が名誉棄損にあたるかどうかの判断について、大江氏は訴訟の本人尋問で「事件は、ひとりの隊長の選択で行われたものではなく、軍隊の行ったことと考えていた」と主張。「集団自決は戦争下の国、日本軍、現地の軍までを貫くタテの構造の力で島民に強制された」と指摘し、「地元の資料を読み、執筆者から話を聞き、集団自決は軍隊の命令という結論に至った」などと軍命令説の正当性を強調していた。