MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 事件 犯罪・疑惑事故・災害裁判写真RSS feed

地裁所長襲撃の14歳少年5度目の審理へ 再び家裁に差し戻し

2008.3.25 23:16

 大阪市住吉区で平成16年2月、当時の大阪地裁所長(65)=退官=が襲われ重傷を負った事件で、強盗致傷の非行事実で中等少年院送致となった後、大阪家裁の差し戻し審で刑事裁判の無罪に相当する不処分の決定を受けたアルバイト作業員の少年(18)=事件当時(14)=の第2次抗告審が25日、大阪高裁であり、大渕敏和裁判長は昨年12月の不処分決定について「必要な証拠調べが行われていない」として取り消し、有罪・無罪の判断に踏み込まないまま審理を再び家裁に差し戻した。

 16年5月の逮捕から3年10カ月が経過し、審判は異例の長期化。今回の決定で、少年は家裁の第2次差し戻し審で5度目の審理を受けることになる。

 決定理由で新たな証拠調べが必要と指摘されたのは、検察側が家裁の差し戻し審で証拠申請し、警察官4人が現場付近を走る状況を撮影したDVD映像。実行犯4人が写った実際の防犯ビデオ映像は、画質が鮮明でないことなどを理由に高裁の第1次抗告審が証明力に疑問を示す決定をしたことから、検察側がビデオ映像を補強する新証拠として申請。検察側は「実際に体格差がある場合でも、画像上は位置関係によって体格差がほとんどないように見える」と主張したが、家裁は採用を却下していた。

 大渕裁判長はDVD映像について、検察側の主張通りの事実が立証された場合、「少年を不処分とした結論が覆る可能性が否定できない」として、証拠採用しなかった家裁の手続きに法令違反があると指摘した。

 少年付添人の前川直輝弁護士は「証拠から無罪が明らかな事案であるのに、手続き上の枝葉にとらわれて少年を不安定な立場に起き続けるもので、はなはだ不当な決定だ」と批判した。

広告
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。