奈良放送局

2008年3月27日 19時33分更新

角の童子キャラに寺が異議

シカの角を生やした童子のようなデザインが物議を醸している奈良の「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターについて、奈良や京都の寺でつくる団体が「仏を連想させるものでありシカの角を生やすデザインに違和感を禁じ得ない」として、キャラクターを考え直すよう求める意見書を主催団体に提出しました。
このマスコットキャラクターは、再来年に行われる奈良の「平城遷都1300年祭」をアピールするもので、頭にシカの角を生やした愛きょうのある童子のような姿をしたデザインをめぐって、「気持ち悪い」などという批判が寄せられ物議を醸しています。
このキャラクターについて、奈良市の十輪院など奈良県と京都府の20の寺でつくる団体「南都二六会」の会長らが、27日主催団体を訪れ意見書を提出しました。
意見書は、「キャラクターには仏の特徴である長い耳や光を放つといわれるみけんの白い毛・白毫があり明らかに仏を連想させる」と指摘しています。
そのうえで、「仏の頭にシカの角を生やすことに、違和感や嫌悪感を禁じ得ない」などとして、キャラクターのデザインを考え直すよう求めています。
これに対して、主催団体の「平城遷都1300年記念事業協会」の一柳茂会場運営部長は、「キャラクターはあくまでも架空の存在であり、仏教を冒とくするような考えは一切ない。意見はしんしに受け止めるが、現時点でデザインを変更する考えはない」と話しています。
意見書を提出した南都二六会の橋本純信会長は、「記念行事には協力したいと思うが、僧りょとして仏様をちゃかしたようなキャラクターは受け入れられない。ほかの寺などにも協力を求めていきたい」と話しています。