宝塚市議会は26日、旧日本軍の従軍慰安婦問題に誠実に対応するよう国に求める意見書を、全会一致で採択した。意見書は「問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、誠実な対応されるよう」求めている。近く福田康夫首相と衆参両院議長あてに郵送する。全国市議会議長会によると、慰安婦問題をめぐって地方議会から国に意見書が出されるのはここ数年で例がないという。
民族問題や平和問題に関心のある市民らが結成した「請願を実現する会」が今年2月、約1000人の署名を添えて議会に提出した請願がベース。請願が求めていた「慰安婦問題を教科書に記述すること」などの具体的な項目は、議員間で見解の相違もあって意見書には盛り込まれなかったが、実現する会の木下達雄代表(58)は「関心のなかった市民が歴史に向き合おうとするきっかけになってくれれば」と意見書の意義を強調する。「小さな地方での動きが全国に広がっていってほしい」と話している。【山田奈緒】
〔阪神版〕
毎日新聞 2008年3月27日 地方版