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中国国家副主席に習近平氏選出 胡錦濤氏の後継を想定

2008年03月15日10時36分

 【北京=峯村健司】中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)は15日午前、全体会議を開き、曽慶紅(ツォン・チン・ホン)国家副主席(68)の後任として習近平(シー・チン・ピン)・共産党政治局常務委員(54)を選出した。胡錦濤(フー・チン・タオ)総書記(65)は国家主席・中央軍事委員会主席に再任。習氏の起用は、5年後に引退が予想される胡総書記の後継を想定しているとみられ、最高指導者の最有力候補として補佐していく。

表

全国人民代表大会の投票結果

写真

習近平氏

 呉邦国(ウー・パン・クオ)氏(66)も全人代常務委員長に再任。16日に温家宝(ウェン・チア・パオ)首相(65)が再選、17日に李克強(リー・コー・チアン)・政治局常務委員(52)が筆頭副首相に選出される見通しで、新体制が発足する。

 習氏は、昨年10月の中国共産党大会で政治局常務委員入りした後、党の重責を任されるようになった。胡総書記も務めた中央党校校長や、党務を仕切る党中央書記局筆頭書記に就いており、今年1月には党「北京五輪・パラリンピック指導グループ」の責任者に就任し、国家的イベントの成功に向けて手腕を振るう。

 こうした実績に加えて国家副主席に就任したことで、「12年の次期党大会で『ポスト胡錦濤』の最有力候補の地位を固めた」(中国筋)とみられ、ライバルとされる李克強氏は次期首相に就任する可能性が高くなった。

 地方勤務が長く、中央での行政や外交活動の経験は比較的浅いが、胡主席のサポート役として外交舞台での活動の場が増える。目前に迫った北京五輪の成功に向けて真価が問われることになる。

 また全人代は15日、環境対策強化のための環境保護省設立などを柱とする政府の機構改革案も可決、承認した。

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