2期目の都知事選で「資金繰りに苦しむ中小企業を救済する」というオイシイ話をまき散らして「東京都知事」になった石原慎太郎だが、「新銀行東京」構想は、金融について詳しい人たちは皆、「うまくいくはずがない」と予測していた。
都庁職員でさえ、この銀行にほとんど「預金」していないという。無理に預金を集めるために「高金利」にし、従って「融資」も8%とかいう高金利だ。マトモな会社は、こんな銀行から借りはしない。 しかし「融資実績」をつくるために、ゆるい審査で、アブナイ会社や縁故の会社にどんどん融資した。必然的に、融資先の多くが倒産したりして「返済不能」になり、いわゆる「焦げ付き」が増え続けた。 にっちもさっちもいかないこの「新銀行」に、東京都は、さらに400億円の投入を議会に求めている。当初の1000億円に続いて、これも無駄ガネになることは間違いない。 石原都知事は、自分が音頭を取って強引につくらせた銀行なのに、経営陣が悪い、とか、あげくに「無能な人材を紹介した財界が悪い」とか、何でもヒトのせいにしている。 07年4月の都知事選挙ポスター(撮影:安住るり) これについては、2003(平成15)年第1回都議会定例会において、1審、2審と敗訴していた都は、上告審での敗訴の可能性を考えていたにもかかわらず、多額の還付加算金というリスクを回避する具体策については、ほとんど考えようとしなかったという背景もある。 結果、「銀行税(外形標準課税)」を実施するための職員の労力のほかに、還付加算金約123億円、「裁判」のための職員の労力と、「訴訟経費(約9億3200万円)」、それらのすべてが、石原さんの選挙向けの「大風呂敷」の後始末のために、都民の血税から浪費されたのだ。 行政の中身に疎い多くの有権者は、慎太郎の自信満々の態度と、大風呂敷にだまされていたが、ようやく、慎太郎マジックからさめるときがきた。 ミーハーに人気の石原さんに抵抗できずになびいていた「都議会」も、4期目はない慎太郎に、今度こそ、「都民のための正しい判断」をすることが求められる。 (私は都民ではありませんが、家族親せきには都民が何人もいます) 【編集部注】おわびと訂正(2008/03/26 20:10) 編集部の事実確認が不十分だったため、記事内容に誤りがありました。読者の指摘で誤りに気付き、事実確認する間、掲載を一時中止いたしました(初出2008/03/11 08:00、掲載中止2008/03/14 15:53)。読者のみなさまと記者にご迷惑をおかけしたことをおわびします。訂正内容は以下の通りです。 ◆訂正前(現記事6段落目後半): 裁判に負けて、銀行から取った税よりはるかに多い金額を還付することになり、都民に損害を与えた。 ◆訂正後(現記事6段落目後半から8段落目): 裁判に負けて、都は銀行からもともと徴収していた約3173億円(業務粗利益の3%)のうち、約2221億円(同2.1%)返還することになったうえに、還付加算金として123億もの大金を上乗せするハメになった。 これについては、2003(平成15)年第1回都議会定例会において、1審、2審と敗訴していた都は、上告審での敗訴の可能性を考えていたにもかかわらず、多額の還付加算金というリスクを回避する具体策については、ほとんど考えようとしなかったという背景もある。 結果、「銀行税(外形標準課税)」を実施するための職員の労力のほかに、還付加算金約123億円、「裁判」のための職員の労力と、「訴訟経費(約9億3200万円)」、それらのすべてが、石原さんの選挙向けの「大風呂敷」の後始末のために、都民の血税から浪費されたのだ。
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