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【科学】青森県六ケ所村、動き出す「巨大化学工場」 原発の核燃料再生 「使い捨て」から「リサイクル」へ (2/3ページ)

2008.3.24 08:41

 原発では、燃えやすいウランの濃度を3〜5%に高めた濃縮ウランを使用、原子炉内で核分裂を起こさせる。このとき、燃えにくいウランの一部は、核分裂で発生する中性子を吸収しプルトニウムに変わる。燃えやすいウランの一部も核分裂せずに燃え残る。

 使用済み核燃料には、燃えにくいウラン(95%)と高レベル放射性廃棄物となる核分裂生成物(3%)のほかに、燃えるウランとプルトニウムが1%ずつ含まれる。燃料としてまだ使えるウランやプルトニウムを回収して再利用するのが、核燃料サイクルだ。

 再処理工場では、使用済み核燃料に化学的処理を行い、燃料として使えるようにする。燃えるウランは通常の燃料として再利用。プルトニウムと燃えないウランはMOX燃料工場で混合してMOX燃料に。核分裂生成物はガラスで固め、高レベル放射性廃棄物として厳重保管する。六ケ所村の再処理工場が稼働するまでの間、日本の原発の使用済み燃料の再処理は、英仏に委託している。

 プルトニウム濃度を4〜9%に調製したMOX燃料は、軽水炉の原発で濃縮ウランと同様に使用できる。ここまでの一連の過程が「プルサーマル」と呼ばれる。プルトニウムと軽水炉(サーマルリアクター)からとった造語だ。

 一方、日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」のような高速増殖炉では、燃やした燃料よりも多くのプルトニウムが炉内で生成される。発電しながら燃料が増えていくわけだ。ウランを輸入に頼っている日本にとっては貴重な“国産燃料”を獲得でき、将来の日本のエネルギー政策の本命に位置づけられている。

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