島根原発(松江市)の周辺で起きる可能性がある最大地震による揺れの強さ(加速度)を示す「基準地震動」について、中国電力がこれまでの最大2倍となる600ガルに引き上げる方針を決めたことが24日分かった。

 原発の南を走る宍道断層(鹿島断層)の活断層の長さを、10キロから20キロ超に見直すのを受けた措置。専門家はこの場合、マグニチュード(M)7程度の地震への備えが必要と指摘している。

 中国電力は「主要機器の安全性には十分な余裕があり、基準地震動が600ガルになっても耐震基準を下回らない」と説明。一方で「現時点で大規模な耐震補強工事の予定はないが、今後必要性が出てくれば検討する」としている。

 近く経済産業省原子力安全・保安院に報告する。

 中国電力はこれまで、島根原発周辺で巨大地震が起きた場合、1号機の原子炉など主要機器では最大加速度300ガルの基準地震動を想定。地盤や構造などの違いから、2号機は398ガル、建設中の3号機は456ガルとしていた。