ワシントン(AP) 米航空宇宙局(NASA)は20日、地球から肉眼で観測できる物体としては最も遠い距離にある恒星の爆発を観測衛星がとらえたと発表した。
爆発した巨大星はこれまで知られていなかった銀河系にあり、地球からの距離は75億光年。「宇宙の果て」までの距離の中間地点に位置するという。爆発で放出されたガンマ線が19日に初めて地球に到達し、NASAのスウィフト衛星が午前2時12分にとらえた。
爆発の光は非常に明るく、肉眼でも見えるほどだったという。これまでの記録によれば、肉眼で見えた物体の地球からの距離は250万光年が最長だったが、75億光年はこれを大幅に上回る。「これほど遠い所にありながらこれほど明るいものは見たことがない」とNASA職員は話している。
爆発が起きたのは、宇宙ができてから現在までの年月の半分に満たず、地球もまだ誕生していない75億年前。爆発前の星は、太陽の約40倍の大きさに膨れ上がっていたという。爆発で、近くにあった惑星は蒸発した。
しかし、この輝きが観測できたのは1時間足らずだったため、天体観測で見つけたという報告は寄せられていないという。