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統一教会系の講師が教壇に/厚木市立北小学校で授業
- 子育て・教育
- 2008/03/23
厚木市立北小学校(滝本かな子校長)=同市山際=が、世界基督教統一神霊協会(統一教会)を実質的な運営主体とするとされる「世界平和女性連合」のメンバー三人を講師に招き、「国際交流」をテーマとする授業を昨年と今年の二回行っていたことが二十二日、分かった。全国霊感商法対策弁護士連絡会は「霊感商法によって被害が相次いでいる統一教会の活動に、市が賛同しているかのような誤解を生む」として、小林常良市長と滝本校長に抗議文を送った。
同市教育委員会によると、同校はボランティア講師として今月十三日、モンゴル滞在の経験を持つ同連合メンバーの女性三人を招いた。
三人は同日の二、三、四校時、一緒に教壇に立った。国語の授業で学んだモンゴルの民話「スーホの白い馬」の関連授業という。授業を受けた二年生八十四人は創作ダンスを踊って三人を歓迎。三人はモンゴルでの暮らしぶりや言葉などを紹介したほか、民族楽器を弾いたり、児童とともに民族衣装に触れたりした。
授業を企画した同小の教師が三人のうちの一人と個人的な知り合いで、謝礼を支払い、同団体を講師に招いたと同市教委。「昨年も同団体のメンバーを招いて同様の授業を行ったが、宗教についての話はなく、児童に悪影響を及ぼす内容ではなかった」と釈明した。
同市の平井広教育長は「地域との連携を深めようと学校に民間の講師を招いてきたが、講師の選定が甘かった。申し訳ない」と話している。今後は講師の選定を厳格化する方針だ。
同弁護士連絡会によると、同連合の総裁は統一教会の文鮮明教祖の妻で、事務局も信者が運営。「同教会の正体を伏せて女性を勧誘し、資金を集める窓口にもなっている組織」という。
このため、同連絡会は「厚木市が推奨する良質な団体であると誤信した女性や市民が資産を奪われ、人生を狂わされる被害が続出しないか、深刻に憂慮している」とする抗議文を市長らに送った。その上で【1】講師が統一教会の関連団体と認識していたのか【2】講師の審査はどう行われたのか【3】今後も続けるのか-の三点について回答を求めている。
同連絡会の調べでは、印鑑やつぼを高額で売るといった統一教会による国内の霊感商法の被害件数は二〇〇六年十二月までの約二十年間で約二万八千件、被害総額は約九百八十三億円に上る。現在も被害は続発しているという。
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