【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は19日、イラク戦争開戦5年に合わせて国防総省で演説し、昨年来の米軍増派戦略が現地の治安情勢を好転させたと強調、「我々が目撃している成功は否定できないものだ」と訴えた。また改めて、フセイン・イラク大統領(当時)の打倒を目指した開戦を「正しい決定」だったと正当化し、戦争継続に強い決意を示した。
ブッシュ大統領は昨年1月のイラク新政策に基づく3万人増派が治安の改善だけでなく、「より広範な対テロ戦争での勝利へ扉を開いた」と主張。駐留米軍は約2万人の削減計画を進めているが、大統領は今後の動向について「達成した成果を危険にさらすものであってはならない」と述べ、本格削減には慎重な姿勢を示した。
開戦から5年を経ても米軍撤退の見通しが立たない現状に関し、大統領は「予想したより困難で高くつく戦いになった」と回顧。しかし、イラク戦争は対テロ戦争の一環として「勝たねばならない戦いだ」と強調した。
イラクには現在、増派分を含め開戦以来最大規模の米軍約16万人が駐留する。
毎日新聞 2008年3月20日 0時39分
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