ニュース: 事件 RSS feed
「見張り不適切。回避措置も不十分」 イージス事故で中間報告 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:イージス艦衝突事故
石破茂防衛相は21日、閣議後の会見でイージス艦「あたご」の衝突事故に関する調査の中間報告を明らかにするとともに、防衛省は同日、イージス艦中枢情報流出、護衛艦「しらね」火災事案の最終調査報告も公表した。
「あたご」衝突事故では、海上保安庁の捜査とは別に海上幕僚監部の艦船事故調査委員会が乗組員からの聞き取りや、残された艦内データの分析など独自の調査を行ってきた。事故原因究明のカギとなる事故当時の当直士官などへの直接の聞き取りができていないという不十分な段階だが、石破防衛相はこれまでの調査から「艦全体として周囲の状況について見張りが適切に行われていなかった。衝突直前にとった回避措置は十分なものでなかった可能性が高い」として、あたご側の過失を認める内容であることを明らかにした。
さらに報告書では衝突1分前に当直士官が「この漁船近いなあ」と述べ、別の当直員も「近い、近い」と艦橋で発言し、窓から海上を確認したところ「右70度方向、約100メートルに近接した清徳丸とみられる紅灯を視認した」と衝突直前に目標を確認したにもかかわらず十分な回避行動がとれなかった実態が明らかになった
また、イージス情報流出に関する防衛省の報告書によると、プログラム業務隊に在籍していた3等海佐、松内純隆被告(34)=日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反罪で起訴=が作成した資料と、同容疑で書類送検された3等海佐が第1術科学校(広島県江田島)勤務中に松内被告から郵送で入手した資料を基に作成した別の資料という2種類の特別防衛秘密を含む資料が作成されていた。