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最終更新:2008年3月20日(木) 19時25分

チベット暴動で24人逮捕、当局が発表

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 チベット自治区で起きた暴動で、中国当局は「国家安全危害罪」という容疑で24人を逮捕したと発表しました。一方、国営テレビでは、軍や警察の武力弾圧によって死傷者が出ていることには全く触れずに、暴動の被害だけを強調しています。

 「暴動の首謀者に対しては、厳しい処罰が与えられます」(中国・国営テレビ)

 強硬な取り締まりを続ける中国当局。20日、初めて24人を逮捕したと発表しました。容疑は「国家安全危害罪」。死刑もあり得るという厳しい罪名を適用しています。

 このニュースを伝えたのは、中国共産党の機関紙「人民日報」が運営するニュースサイトです。中国当局のいら立ちが際立つ、こんな記事もあります。

 「我々はダライ・ラマに対し、生きるか死ぬかの戦いを繰り広げている。彼は僧侶の服を着たオオカミで人の顔をした悪魔だ」(中国当局)

 チベット自治区を管轄する中国当局トップのこの発言。インドへの亡命を強いられ、国際社会の同情とチベット人の信頼を一身に集めるダライ・ラマ14世に対し、敵意をむき出しにしました。

 「ラサ中心部で14日、洋服店が暴徒によって放火されました」(中国・国営テレビ)

 一方、中国の国営テレビのニュースでは20日、特定の映像が繰り返し流されました。暴徒によって襲撃され放火されたという洋服店。泣きじゃくる被害者。暴動の無法ぶりを露骨にアピールし、一般市民がチベット人の凶悪な暴徒に襲われたという構図を強調します。しかし、一連のニュースで、平和的なデモや、軍や警察による武力弾圧の映像は一切ありません。

 「各方面の努力でラサの治安は次第に回復しつつあります」(中国・国営テレビの記者)

 暴力的な取り締まりの映像が海外に流れることを恐れる中国当局。当局の発砲などによる死者が出たと見られる14日以降、外国人はチベット地区から締め出されています。

 「マシンガンを持った兵士たちが街のあちらこちらを歩き回っていた。こんな厳戒態勢は1989年の天安門事件以来、中国で見たことがない」(英誌『エコノミスト』中国特派員 ジェームズ・マイルズ記者)

 こうした中、ラサで中国当局の発砲を目撃したというイギリス人の記者が、北京で取材に応じました。別の取材で許可を得て、偶然、ラサにいたというイギリスの経済誌「エコノミスト」のマイルズ記者。死者の数は中国側の発表よりも多いはずだとし、自身が目撃した発砲の様子について、こう話しました。

 「(15日)兵士がチベット人街の路地に入っていくのを見ました。彼らは少人数の集団に分かれていて、何発か発砲しました」(英誌『エコノミスト』中国特派員 ジェームズ・マイルズ記者)

 また、今回のチベット人による抗議行動の背景について、マイルズ記者は、「チベット鉄道が開通したことにより、中国人の移住が進み、以前にも増してチベット人の生活を圧迫するようになった」との見方を示しています。(20日17:58)



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