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車内に不明米兵のクレジットカード タクシー運転手刺殺

2008年03月21日03時00分

 神奈川県横須賀市で19日夜、タクシーの中で男性が死亡しているのがみつかった事件で、車内にクレジットカードが残されていたことが20日、神奈川県警の調べでわかった。カードは、現場近くの在日米海軍横須賀基地に所属する米兵名義のものとみられ、県警はこの米兵が何らかの事情を知っているとみて行方を追い、在日米海軍もこの米兵を捜している。

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ブルーシートが敷かれている位置にタクシーがとまっていた=20日午前11時15分ごろ、神奈川県横須賀市汐入町2丁目で

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 県警は、殺人容疑で捜査を開始。同日、男性はこのタクシーの運転手高橋正昭さん(61)=東京都品川区東品川1丁目=だと発表した。

 調べでは、高橋さんは19日午後9時20分ごろ、横須賀市汐入町2丁目の住宅街の一角にエンジンをかけたまま停車したタクシー内で発見された。首に刃渡り約20センチの文化包丁が突き刺さった状態で、運転席でシートベルトをしたまま横たわっていたという。

 司法解剖の結果、死因は胸部大動脈の刺し傷による失血死で、刃先が肺の上部に達していたという。車内に争った形跡がないことから、県警は、運転席にいた高橋さんがいきなり刺されたとみている。

 発見時、タクシーのメーターは「支払い」の状態になっており、料金は1万7000円ほどだった。高橋さんの服やズボンのポケットから数万円、運転席わきの箱から売上金の6万数千円が見つかった。

 高橋さんは00年ごろから、安全タクシー(東京都新宿区)の品川営業所に勤務。会社の関係者によると、高橋さんは羽田空港の周辺で客を待つことが多かったという。

 県警がタクシーの車内を調べたところ、クレジットカードが残っていた。所有者を確認したところ、横須賀基地所属の米兵だったことが判明。関係者によると、米兵は横須賀基地配備の巡洋艦乗組員の下士官で、横須賀を出港した巡洋艦に乗らず、数週間前から行方不明の状態になっているという。在日米軍も、カード名義人の下士官が何らかの事情を知っているとみて捜している。

 在日米海軍司令部(横須賀市)は20日、朝日新聞社の取材に、「米海軍は必要であれば日本側の捜査に全面的に協力する」というコメントを出した。

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