『亡国のイージス』や『顔』、『KT』など、鋭い切り口で数々の社会問題を取り上げてきた阪本順治監督。北野武主演の『血と骨』では原作者として数々の著名人から賞賛を浴び、直木賞へ候補入りした梁石日の同名長編小説を映画化した『闇の子供たち』が、夏公開に向けて、ついに完成した。
本作は、タイを舞台に、罪のない子供たちが幼児売買や臓器密売などで金銭取引されている現実を取材する新聞記者と、彼の取材に協力するNGO職員やフリーカメラマンが見た“闇”の残酷な真実が描かれている。この問題作に挑んだキャスト陣に、タイ在住の新聞記者に扮する江口洋介をはじめ、NGO職員に扮する宮崎あおい、フリーカメラマンに扮する妻夫木聡、そして佐藤浩市と、日本映画界を代表するトップ俳優陣が顔を揃えている。
撮影は、酷暑のタイで約1か月かけて行われたという。映画化不可能と言われた本作の撮影を終えた阪本監督は、「自分のイメージに固執し、変化を望まない俳優なら当然受けてくれなかったと思う。彼らはあっという間に、この映画の主旨を理解し、意志を受けとめて承諾してくれた。『あぁ〜映画人だなぁ〜』と素直に嬉しかったです」と、俳優陣の活躍を称えた。さらに、物語を引き立てる重要な要素として、トップアーティストの桑田佳祐が、主題歌「現代東京奇譚」を曲を書き下ろしているのも注目したい。
『闇の子供たち』は夏、シネマライズほかにて公開。
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