現在位置:asahi.com>社会>その他・話題> 記事

高校生6割「宮崎ってどこ?」 地理教育どげんかせんと

2008年03月20日01時28分

 高校生の6割近くが、地図上で宮崎県の場所を答えられず、大学生でも約3分の1が分からない――。日本地理学会は19日、こんな調査結果を発表した。国の位置を問う問題でも、イラクの場所を答えられたのは高校生の約4分の1、大学生の約半数。同学会は「知事が話題となっても、宮崎の場所を正確に知っている生徒は少ない。地理教育の充実が必要不可欠だ」と訴えている。

表

  

表

  

 調査は同学会の地理教育専門委員会が昨年12月〜今年2月、全国の51校(うち37校は東京都内)に通う6159人の高校生と31大に通う3747人の学生を対象に実施。白地図から10都県や10カ国の位置を選ばせた。

 都県では、高校生の正答率は宮崎が最低で、愛媛とともに5割を切った。大学生でも愛媛、宮崎、島根の3県は約3分の2にとどまった。宮崎の場合、隣県の熊本、大分と取り違えた学生が多かったが、音の響きから東北の宮城と間違えた例もあった。

 国では、フィンランド、ケニア、ベトナム、スイス、イラクの正答率が高校生で5割未満。イラクは大学生になると5割を超えたが、3年前の調査に比べると、正答率は6.3ポイント落ちていた。誤答では隣国で音の響きも似ているイランを選んだ学生が最も多かった。

 高校で地理を選択履修している場合、国の正答率は高校、大学とも未履修組より高かった。地理学会の滝沢由美子・帝京大教授は「国際化が進む中、地図上で物を考えることができる若者が少ないのは問題」と分析。地理教育の充実や、地理を専門とする教員の確保などを求めている。

PR情報

このページのトップに戻る