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この週刊誌がすごい

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火曜は新聞社系 「なるほど、人は見た目が9割」

元木昌彦(2007-03-13 19:10)
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 私のHP「編集者の学校」で、だいぶ前になるが「編集者的日乗」という“随想”らしきものを連載していた。これは「メディアを思う日々」(ロコモーションパブリッシング刊)として本になっているが、その中で、「日本一面白くない『読売ウイークリー』の研究」という一文を書いたことがある。

 詳しい内容は省くが、要は、どうしたらこんなに面白くない雑誌ができるのかと書いたのだ。昨年、読売新聞の某エライさんから、どうしたら「読売ウイークリー」が面白くなるか聞かせてくれと、一夕、席を設けられたことがある。

 そのときも、「大変失礼だが、一番の近道は、私を編集長にすえることだ。そうすれば、あっという間に10万部は伸ばせる」と、酔いに任せて豪語してしまった。今号の読売を見ても、その考えは変わらない。

 なぜ、表紙に大見出し、「東大・京大合格ランキング」と「皇后傷つける週刊誌『皇室報道』」があるのに、同じ表紙のタイトル横に、同じ見出しをつけなくてはいけないのか。編集長としては、キオスクで平積みされているときはいいが、立てて置かれたとき、上の見出ししか見えなくなるからと、同じものを置いたのだろうが、これはいただけない。万が一、大スクープがあったときはこれでもいいだろうが、今週のような特集では、置いても意味がない。

 ちなみに、今週の新聞社系週刊誌はすべて、東大・京大に入った高校ランキングを売り物にしている。「週刊朝日」だけはやや小さいが、毎日と読売はバカでかい。そんなに東大と京大がエライか! 私大出身のアホな私は、そう僻(ひが)んでしまうのだ。

 読売のトップはなんと「『がん告知テク』特訓授業」だ。我慢して読んでみると、1カ所だけうなずけるところがあった。それは、がん告知を患者にするとき、医者が気をつけなくてはいけないことをこう書いている。

 「笑顔で安心感を与えることが大切です。良いコミュニケーションへの寄与率は言葉が7%、声の調子が38%、表情、姿勢、身ぶりが55%を占めるという研究がありますから」

 なるほど、「人は見た目が9割」。医者といえど、例外ではない。

 皇室への報道被害を批判しているのかと読んだ「皇后を傷つける」は、週刊誌に書いてあることを引用しながら、同じようなことをいっているだけだった。「サンデー毎日」も読むところは少ないが、小さな記事だが、「引退した旭鷲山『突然の訪朝』」が目を引く。モンゴル出身力士で昨年秋に引退した元小結・旭鷲山が今年2月に、北朝鮮を訪問していたというのだ。

 旭鷲山はモンゴルで36もの企業を経営する大実業家なのだそうだ。いずれ政界入りを狙うためもあって、国交がある北朝鮮に行って、ちょんまげに和服といういでたちで、平壌市民の大歓迎を受けたという。今場所の相撲を見ていると、朝青龍も早く引退して、北朝鮮との仲介役になったほうがいいと思うのだが。

 そう書きながら、朝青龍戦を見ていると、勝ちましたな今日は。ひたむきに、必死に前へ出る姿に、思わず頑張れと声をかけたくなった。これで、引退はもう少し先かな。

 朝日は、スクープと謳っている「永田前議員の妹が逮捕された 『SM怪死』事件の全貌」が面白い。

 ガセメール問題で辞職した永田寿康前議員の異母妹に当たる女が、女王様役で彼氏と「SMプレイ」した末に、相手の男を死なせてしまったというのだ。詳しい内容は書けないが、永田一族というのは、問題ありの一家なんだね。

 「フラッシュ」は「リア・ディゾン ヌード流失」「女子アナ『最高官能撮』55連発」「めざましキャスター 高木千佳子クン初スキャンダル」などなど、今では「フライデー」がなくしてしまった迫力がまだ残っている。いるだろうな、こういうのが好きな人。こちらも頑張れとエールを送っておく。

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