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ミラーマン植草被告、弁護士5人がかりでも救出失敗

 電車内で女子高生に痴漢行為をしたとして、都迷惑防止条例違反の罪に問われ、1審で懲役4月の実刑判決を受けた元早大大学院教授・植草一秀被告(47)の控訴審初公判が17日、東京高裁(田中康郎裁判長)で開かれた。弁護側はあらためて「真犯人は別の人物」と無罪を主張したが、10項目以上の取り調べ請求はすべて却下されてしまった。控訴審はわずか1時間ほどで結審し、判決は4月16日に言い渡される。

 “逆転無罪”への扉が、片っ端から閉ざされていった。弁護側は、1審とは別の逮捕者の証人尋問など、10項目以上に及ぶ取り調べ請求を提出。しかし、田中裁判長は「必要のないものとして却下します」と、すべての項目を却下した。容赦ない却下の連発に、植草被告の表情はみるみるうちにこわばっていった。

 控訴審に挑んだ5人の「植草弁護団」は、1審判決について「いわゆる(2004年4月に逮捕された)手鏡事件は冤罪(えんざい)であるにもかかわらず、予断や偏見で判断された」と批判。パソコンを駆使して大型スクリーンに動画や図を映し、5人が代わる代わる控訴理由を説明した。

 弁護側は、1審での被害者の女子高生や目撃者ら検察側証人供述については「主観的で信用性がない」と指摘。一方、弁護側の目撃証人の供述については「客観的で信用性が高い」などとし、「無罪であることは明らか。被害者の右後ろにいた被告が犯人と間違われた。真犯人は被害者の後ろにいた別の人物だ」と主張した。

 しかし、取り調べ請求が却下されたため、控訴審で新たな証拠調べは行われないことに。結局、開廷からわずか1時間ほどで田中裁判長が「結審します」と宣言。すぐさま「判決は4月16日」と告げた。

 あまりにあっけない幕切れに、植草被告は戸惑った様子で弁護団の方へ視線を投げかけたが、なすすべもなく閉廷となった。

 植草被告は、06年9月、京浜急行の電車内で、女子高生のスカートの中に手を入れて尻をさわるなどしたとして逮捕・起訴された。1審東京地裁は昨年10月、「再犯の恐れも否定できない。もはや社会内での更生は期待できない」と懲役4月(求刑同6月)の実刑判決を言い渡した。

 ◆小細工通じず新住所ばれた ○…植草被告が、自ら引っ越し先を明かす羽目になった。人定質問で本籍(自宅住所)を尋ねられた植草被告は、昨年引っ越したことを明かしたが、傍聴席に報道陣が多数いるためか、番地以下をあいまいな発音でごまかした。しかし、田中裁判長から「もう一度、はっきりと言ってください」と注意されてしまい、再度、住所を言い直すこととなってしまった。

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(2008年3月18日06時01分  スポーツ報知)

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