バースト信号取出し装置


   
 
当方の HP の内容を流用して雑誌やインターネットに発表しようとするときは、
当方の許可を得るとともに出所を明らかにしなければなりません。





 基板サイズは 69 x 64mm、35μ ガラスエポキシ。
 電源電圧 5V、消費電流 39mA。
 動作テスト後エミッタフォロワ等を追加したりしていますので、メーカーで言えば試作基板といったところ。
 DIP と違いこのような IC では基板を作成しないと動作テストもできません。



 周波数カウンターを何年も使用しなかった場合、基準周波数はずれていないだろうかと心配になります。
 高精度な周波数基準として身近にカラーテレビのバースト信号(色副搬送波)があるのですが、カラー テレビの裏蓋を外すのは大変です。苦労して裏蓋を外してもテストピンが出ていればまだ良いのですが、 さもなければカラーテレビをひっくり返して基板裏側から取り出さなければなりません。修理ならば 仕方ないですがあまりやりたくない作業ですね。
 本装置はカラーテレビ、ビデオや DVD のチューナー出力、BSチューナー、ケーブルテレビチューナー 等の映像出力から簡単にバースト信号を取り出すことが出来ます。安価にバカでも作ることが可能です。 但し基板を作れればの話ですが・・・。
 バースト信号はカラーテレビの色信号復調のため、映像信号の水平帰線消去期間の水平同期信号の バックポーチに 8〜12サイクル挿入されています。周波数は 3.5795454545…MHz で、放送側と同じ映像を 再現するため周波数の精度は極めて高く、その精度は 10 の -11乗から -12乗というものです。従って 安定にバースト信号を取り出すことが出来れば、いつでも容易に周波数カウンターの基準周波数の確認 や校正を行うことが出来ます。

久しぶりに回路図を

 バースト信号抽出には SONY の VTR用クロマ信号処理 IC CX20032 を使用しています。クロマ信号処理 IC は実に多くの種類があるのですが、3.58M の出力端子がなかったり余計な機能が多すぎたりしてなかなか 適当なものは見つかりません。
 CX20032 は 378fH 用の VCO を内蔵し制御端子も出ているので、外部に分周器と 位相比較器を接続すれば PLL を構成することも可能です。
 63 分周して 88 倍すれば 5.000000MHz (176 倍で 10.000000MHz)、455 分周して 572 倍すれば 4.500000MHz (1144 倍で 9.000000MHz)を得ることができます。



 分周は TC9198P、位相比較は MC14046BCP、VCO には 74LS624 を使用。 信号のやりとりが面倒なため外部基板だけで PLL を構成。

 基準信号がバースト信号ですので周波数の精度は当然ですが、安定度も抜群です。

 バーストゲートパルス抽出には NS の LM1881N を使用しています。水平同期パルスの後縁でバーストゲート パルスが立ち上がり(立ち下がり)、IC 内部キャパシタによって約 4μS 保持されます。このため 水平同期パルスからバーストゲートパルスを作成する方法に比べ、遅延時間や振幅の調整といった面倒な 作業が不要です。昔は水平同期パルスを CR や LCR 回路で遅延させバーストゲートパルスとしていたの ですが・・・。ただ LM1881N のバーストゲートパルスは負極性ですので CX20032 に加えるためには 極性転換しなければなりません。

CX20032 の 3.58MHz 出力はエミフォロですが、エミッタ抵抗が 30KΩと大きいため出力インピーダンスが 高く同軸ケーブル等容量の大きな負荷は繋ぐことができません。方形波のマイナス側が正弦波か三角波の ようになってしまいます。このため信号の立ち下りでも出力インピーダンスの低い(エミッタ抵抗の小さい) エミフォロを追加しています。

 新たに購入したものは IC のみです。従って 450円です。もっとも IC を複数個ずつ購入したり、送料等で 450円というわけにはいきませんが・・・。3.58MHz X'tal はカラーテレビやビデオの中に必ず1つは入っています。 故障してもむやみに捨てず使えそうな部品は外しておきましょう。コイルは 33μH の手持ちがなかったので 100μH のインダクタンスの線を外し、0.32mm のポリウレタン線を巻いています。33μH でも 43μH でも 好きなインダクタンスのコイルが作れます。
 



- 10th Sep〜11th Sep 2007 -











趣味の小部屋に戻る