広島市立安佐市民病院は十七日、高校一年の男性入院患者(16)=山口県平生町=に、筋肉注射するはずの中枢神経抑制剤を静脈に注射するミスが十六日にあったと発表した。患者は死亡。病院の届け出を受け、安佐北署が業務上過失致死の疑いで調べている。
病院側は「死因が特定できておらず、現段階で因果関係は不明」としている。
病院によると、十六日午前十時十八分、女性看護師(23)がフェノバルビタール(商品名・フェノバール)三ミリリットルを誤って静脈に注射した。処方せんを十分に確認しなかったという。患者は正午すぎに呼吸数や心拍数が低下し心停止。午後三時二十四分に死亡した。
この薬剤は静脈注射した場合、呼吸抑制や血圧低下の副作用が出る可能性があるという。
患者は二月十八日、発熱と全身けいれんにより意識不明の状態で岩国市の病院に入院。二十六日、安佐市民病院に転院し原因不明の脳症と診断された。
けいれんが続くため三月十二日から一日二回、この薬剤の筋肉注射による投与を受け、十四日には短い会話ができるほどに回復したが、肺炎を併発し十五日に再び意識不明となっていた。
会見した日高徹病院長は「あってはならない事故で深くおわびする。職員教育を充実していきたい」と話した。
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