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ワーホリ・ビザ悪用した豪州への遠征売春が横行

 昨年9月25日、塾講師のEさん(26)=女性=は、オーストラリアで働きながら旅行もできる「ワーキング・ホリデー・ビザ」を取得し、オーストラリアに旅立った。Eさんは「レストランで働きながらお金も稼ぎ、英語も学べる」というブローカーの言葉を信じていた。

 しかし、Eさんが到着した場所は、オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)地方で中国人が運営する売春業者だった。到着当日、Eさんはパスポートとビザをすべて取り上げられた。中国人社長は「お前をここに連れてくるのに先払いで2万ドル(約237万円)を支払ったから、それを返せ」と脅し、売春行為を強要した。Eさんは10月14日、生理のため1日休みになったすきを利用してオーストラリアの警察に駆け込み、ようやく売春業者から逃れることができた。

 最近、こうしたワーキング・ホリデー・ビザを悪用した海外遠征売春が横行している。ソウル警察庁外事課は24日、ワーキング・ホリデー・ビザで大学生など韓国内の女性89人をオーストラリアの売春業者に送り、売春をあっせんしたイ某容疑者(33)など3人を立件した。ただしワーキング・ホリデー・ビザを利用し、オーストラリアで売春行為を行った女性らのうち、多くのケースは売春行為を行うと知りつつ自ら選択していたと警察は明らかにした。

 例えばHさん(27)=女性=は、まさにそうしたケースだ。Hさんは昨年8月、インターネットサイトの掲示板で、「オーストラリアの売春業者で1カ月 400万ウォン(約51万円)稼げる」という広告を見てワーキング・ホリデー・ビザを取得、出国した。Hさんが働いたオーストラリア・シドニーのA売春業者は韓国人相手のルームサロンだった。

 なおワーキング・ホリデー・ビザを利用して入国する韓国人は、2002年には3346人だったが、昨年は2万4077人と7倍以上に増えている。

 警察関係者は「性売買特別法の施行(04年)後、もともと売春に従事していた女性だけでなく、会社員や大学生までもがオーストラリアに遠征売春に赴くケースが非常に増えている」と語った。

朴蘭姫(パク・ランヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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