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更新日時:2008/03/17  10:31
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G20気候変動会合:排出削減目標の設定方法を提案も課題残し閉幕

3月16日(ブルームバーグ):千葉市で行われている地球温暖化に関する 閣僚級会合(G20会合)が16日、閉幕した。地球温暖化が議題のひとつとなる G8北海道洞爺湖サミットに向けてリーダーシップの確保を狙う日本は独自の温 室効果ガス削減目標の設定手法を提案したが、インドや南アフリカなど一部の発 展途上国からは賛成が得られず、今後に課題を残した。

  日本政府は今回のG20会合で、発電やエネルギー多消費産業、民生など8 つの分野を対象に、分野ごとに温室効果ガスの削減量を積み上げて国全体の目標 を設定する「セクター別アプローチ」と呼ばれる手法を初めて提唱した。分野ご とにエネルギー効率を改善することで、排出の削減につながる。

  既存の京都議定書では先進国のみに排出削減目標が課せられ、発展途上国は 削減義務を負わないことから、京都議定書の約束期間が終了する13年以降の 「ポスト京都」の枠組みづくりに向けた議論が進む中で、発展途上国は削減目標 の設定手法をめぐる議論に慎重な姿勢をみせている。

  閉幕後の記者会見で甘利明経済産業相は「セクター別アプローチの有効性に ついては評価があった。しかし、これがすべてに取って代わるのではないかとい う警戒感があったことも事実」と明かし、セクター別アプローチが導入されるこ とで包括的な削減義務が負わされるのではないかという、途上国の懸念の払拭が 今後の課題だと強調した。

  その上で「利害が対立する国が集まり、忌憚(きたん)ない意見を交換し、 お互いに具体的に何を取り組むべきかが明らかになったことは評価すべきこと。 今回出された意見を集約し、洞爺湖サミットに届ける。今後の議論のたたき台が できた」(甘利氏)と、今回の対話の成果を評価した。各国間の「差異ある責 任」を前提に今後議論を詰めるという。

  欧州委員会のジョス・デルベック環境総局次長はブルームバーグ・ニュース の取材に応え、「セクター別アプローチの定義は国によって曖昧になる。日本と ヨーロッパの間でも定義の考え方に違いがある。セクター別アプローチの詳細を 明らかにする機会として、今回の会合はとても有益な場だった」との見解を示し た。また、インド電力省エネルギー効率局のアジャイ・マスール長官は「まだ具 体的な手法は明確ではなく、もう少し議論が必要。データの入手可能性に問題が ある」と指摘した。

           G8洞爺湖サミットでの課題

  甘利氏は7月の洞爺湖サミットに向けた取り組みのひとつとして、「全員参 加で取り組まないと地球環境は守れないという考え方の共有。成長と環境の両立 は可能との考え方を共有することが必要だ」と訴えた。また、共同で会見した鴨 下一郎環境相は「先進国と途上国のそれぞれの立場を認め合い、サミットで途上 国に明確に支援のメッセージを送ることが大事」との考えを明らかにした。

G20会合は05年7月のG8グレンイーグルズ・サミットから始まり、第4 回目の今回が最終回。G8(日・米・英・独・露・仏・伊・加)のほか、中国、 インド、ブラジルなど主要排出国(12カ国)を合わせた計20カ国のエネルギ ー・環境相や、国際エネルギー機関(IEA)や世界銀行などの国際機関の代表 者が参加した。

記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 岡田雄至 Yuji Okada yokada6@bloomberg.net    佐藤茂   Shigeru Sato ssato10@bloomberg.net

更新日時 : 2008/03/16 15:55 JST

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