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中国残留孤児訴訟:京都訴訟が終結 「新支援策、裁判したから」 /京都

 ◇原告ら、改善へ運動続ける

 京都など2府4県の中国残留孤児109人が、長年放置されたことや帰国後の支援の不十分さを問う集団訴訟が13日、京都地裁で終結した。旧満州(中国東北部)への「棄民」から62年半。新たな支援策を勝ち取って訴えを取り下げた原告らは、運動の継続と団結を誓った。

 「新支援策は裁判なしに実現されなかった。(03年9月の1次提訴から)4年半の間に原告6人が亡くなり、無念でならない」。原告らで埋め尽くされた法廷で、団長の奥山イク子さん(75)=伏見区=は語った。

 その新支援策も、資産の保有制限などの課題が残る。弁護団は「支援・相談員の人選などで不十分な運用がなされる可能性もあり、監視・改善など粘り強い運動を続ける必要がある」と指摘した。

 言葉の壁も依然深刻だ。孤児の大半は日本語が不自由で、法廷でのやりとりも通訳なしには理解できない。公営住宅に住む孤児に「なぜ中国人を住ませるのだ」との中傷が寄せられることもある。

 閉廷後の集会では、原告副団長の金井睦世さん(66)=同区=が「府、市の新支援策実行を充実させなければ」、竹田順子さん(67)=奈良市=が「日中友好のためにもがんばろう」と呼びかけた。

 奥山さんは「戦争が引き起こしたことを風化させず、次世代に語り継ぐ使命がある。これで終わりではありません」と結んだ。

 支援者からも「闘いはこれから。子や孫が同じ目に遭わないように団結しよう」との声が上がった。【太田裕之】

毎日新聞 2008年3月14日

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