北京オリンピックを控えた中国、なぜ、この時期に暴動が起きたのでしょうか。北京からの報告です。
折りしも北京で全人代=全国人民代表大会が開かれている最中に暴動が起きた背景には、政治的な意図が感じられます。
中国の国家主席に再選された胡錦濤氏は、チベットで党書記を務めていた1989年に起きた暴動の際に武力鎮圧した実績を評価されて、最高指導者に抜てきされた経歴があります。
その2期目の指導体制を決める全人代と時を同じくして、チベットでまた大規模な暴動が起きたことは、胡錦濤氏、ひいては中国政府のチベット政策に対する不満や抗議を示す意図があるものと見られます。
胡錦濤主席は、今後もチベットに対する強硬路線は変えないと見られますが、夏にオリンピックを控える中国にとって、事態のこれ以上の悪化は避けたいところです。(15日18:32)