中田2軍落ちの日に夢の開幕4番…漫画で鮮烈デビュー
2008年3月14日(金)16:54
(夕刊フジ)
日本ハムの期待のルーキー、中田翔の2軍落ちが明らかになった13日、この日発売の『週刊少年チャンピオン』で連載中の「ドカベン」で、なんと中田は開幕戦で4番デビューしていた。現実世界で開幕1軍が絶望となったからには、せめて漫画でド派手に活躍してもらうしかない!?
「きのうのゲームが終わった段階で会議をして、今日からファームでやると(中田)本人にも伝えました」
中田が出場した13日の2軍教育リーグ、湘南戦を観戦後、梨田監督は前夜のうちに2軍行きを通告していたことを明らかにした。
最大の問題は「なかなか上達しない」守備。売りである打撃についても、「難しいとは最初から思ってました。はっきり言って」と、梨田監督はこれまでの“営業マン”の顔を捨てた。
中田自身も「自信を持って守ることができなかった。速い球が飛んできたらどうしようとか考えて、打つことに影響した部分もあった」と、2軍落ちに納得の表情。
「1軍の打球は全然違うし、まして人工芝(でさらに速くなる)。もっと早い段階で気づけば…。ちょっと遅かったですね。悔しさというか、後悔してますね」と勘違いのまま過ごしたキャンプを悔いつつも、「天狗(てんぐ)になる前に1軍の厳しさを知らされて、自分にとってはよかった。性格的にこのままで終わりたくない」と前を向いた。
開幕2軍が決まって吹っ切れたか、この日は14打席ぶりにヒット。それもバックスクリーン左に飛び込む2ラン本塁打だった。
試合前には、自分の写真が載った漫画誌に目をとめていた。この日発売の『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)は中田を大特集。巻頭カラーグラビア、インタビュー、そして水島新司氏の野球漫画「ドカベン」で中田が初登場しているのだ。
ざっとあらすじをつづると、パ・リーグの開幕戦で日本ハムは、ドカベンこと山田太郎らが所属する架空チーム「東京スーパースターズ」と対戦。中田はなんと4番サードでプロデビューを飾っている。
デビュー戦に「涙が出るくらい感無量です」と梨田監督に話すなど、ホンモノの中田よりも新人研修で受けた話し方講座の効果(?)が出ているもよう。
ホンモノの中田は悪戦苦闘の日々に、「今のうちにプロの厳しさを知っておけってことですかね、神様が。ふざけるなよ、神様!」とほえたが、作品中では中田のつたない守備がなぜか全部アウトにつながり、ファンから「野球の神様 お前のもんだー」と声援が飛ぶ。
そして、中田が初打席に向かうシーンで次週へ続く。
それにしても、「ドカベン」で中田がデビューを果たした日に、中田の2軍落ちが明らかになるとは、なんたる皮肉。 水島氏は14日朝、中田の2軍降格について、「いささかショックです。私は1軍の控えと考えていた。2軍は下がるところがないので難しい。1軍なら失敗したとき、2軍という逃げ道があった」と語った。
漫画で登場する中田については「現実の選手ではなく、私の作り出したキャラクターで動いているのでまったく影響はない」としながらも、ドカベンファンも「開幕2軍は8割が想定していなかったのではないか」とも。さらに現実の中田には「環境にベストを尽くせ」とエールを送った。
小学生から「ドカベン」を愛読する中田としては、一刻も早く漫画に追いつきたいところだが、梨田監督は「ファームでずっとやってもらう。期限を設けず、本当にやれると判断できるまで。稲葉が五輪に行くあたりに帰ってきてくれれば」という姿勢。
来週の「ドカベン」での初打席も気になるが、現実世界の中田は当分、千葉・鎌ヶ谷で地道に守備を鍛える毎日となる。
関連ニュース
編集部のチェック
過去1時間で最も読まれたスポーツニュース
過去24時間にブログで話題になったニュース
- 今週のおすすめ情報
-
1万円からの安全性の高い投資?1万円から購入でき、安全性の高い「個人向け国債」の募集がついに開始!はじめての資産運用にもおすすめ。<野村>では口座管理料が無料で、パソコン・携帯からでも手軽に購入可能!
最新のスポーツニュース