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別添

不法就労等外国人対策について

平成15年3月5日
警察庁
法務省
厚生労働省

 警察・法務・厚生労働の三省庁は,これまでも相互の協力を深めながら有効かつ適切な不法滞在・不法就労外国人対策を推進してきたところである。  しかしながら,我が国の雇用情勢が低迷する中においても,近隣諸国との賃金格差等を背景に本邦での就労を企図する者は後を絶たず,国内には約22万人の不法残留外国人がいると推測され,依然として高水準で推移しているほか,各種偽変造文書の行使,日本旅券の不正取得や日系人を偽装するなどして不法入国を図る外国人,船舶を利用して密入国を図る外国人も増加する傾向にある。
 これら不法滞在外国人の多くは,我が国において不法就労に従事しているとみられ,その定着化傾向も益々強まりつつあるところ,こうした状況は新たな不法就労外国人の流入を誘引し,我が国労働市場に与える種々の悪影響を増大させている。このように不法就労外国人の存在は,我が国社会において看過できない問題となっており,国際化の進展に伴い様々な場面で外国人と日本人との関係が密接となる中で,この問題の与える影響が一層増大することが懸念される。
 さらに,これら不法滞在外国人は,多発する国際組織犯罪等の温床になっていると目され,我が国治安に重大な悪影響を与えていると懸念されているところ,政府は,平成13年8月,内閣官房長官を本部長とする「国際組織犯罪等対策推進本部」において「国際組織犯罪等対策に係る今後の取組みについて」を決定し,政府として,関係行政機関の緊密な連携を確保するとともに,有効適切な対策を総合的かつ積極的に推進しているところである。
 かかる状況のなか,警察庁,法務省及び厚生労働省の三省庁は,より一層の連携強化を図ることとし,また,各分野における関係各省庁の協力も得ながら,下記事項に重点を置いて悪質・巧妙化する不法滞在・不法就労外国人対策への取組みを強力に推進していくものとする。

 不法就労外国人及び悪質なブローカー・雇用主等に関する緊密な情報交換
 事業主・団体に対する行政指導及び啓発活動の強化
 就労資格を有する外国人による資格外活動の防止対策の強化
 悪質な不法滞在・不法就労事犯等に対する取締り等の強化
 不法就労防止に向けた国内及び海外広報の積極的実施


(別紙)

不法就労等外国人対策について

 不法就労外国人及び悪質なブローカー・雇用主等に関する緊密な情報交換
 具体的事案の捜査・調査に当たる都道府県警察,法務省及び厚生労働省の各第一線機関による緊密な情報交換
 警察庁,法務省及び厚生労働省による各第一線機関での情報交換実施状況のフォローアップ

 事業主・団体に対する行政指導及び啓発活動の強化
 都道府県等を単位とする警察,入国管理局及び労働局による事業主団体に対する説明会の開催

 就労資格を有する外国人による資格外活動の防止対策の強化
 同上

 悪質な不法滞在・不法就労事犯等に対する取締り等の強化
 警察,入国管理局による合同摘発及び労働局による強制捜査等との連携の強化
 警察による不法入国あっせん組織,不法滞在を助長する事犯等の徹底取締り
 入国管理局による,悪質なブローカー,雇用主及び不法就労者の警察に対する告発・通報の強化

 不法就労防止に向けた国内及び海外広報の積極的実施
 警察,入国管理局,労働局等による広報啓発活動の推進


外国人労働者数等の推移

(推計:単位 万人)
  平成2年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年
外国人労働者(A) 26 58 61 62 61 63 66 67 67 71 74
  不法残留者 10.6 29.2 29.7 28.8 28.5 28.3 27.7 27.1 25.2 23.2 22.4
労働力人口(B) 6,384 6,578 6,615 6,645 6,666 6,711 6,787 6,793 6,779 6,766 6,752
  雇用者(C) 4,835 5,119 5,202 5,236 5,263 5,322 5,391 5,368 5,331 5,356 5,369
外国人労働者比率
(A)/(B)

0.4%

0.9%

0.9%

0.9%

0.9%

0.9%

1.0%

1.0%

1.0%

1.1%

1.1%
  (A)/(C) 0.5% 1.1% 1.2% 1.2% 1.2% 1.2% 1.2% 1.2% 1.3% 1.3% 1.4%

(資料出所)法務省入国管理局
 (注)  外国人労働者数のうち、一部(日系人等)については、厚生労働省が推計。
 平成2年以前は、厚生労働省として推計を行っていない。また、平成3年については、法務省入国管理局発表の統計が存在しない。


我が国で就労する外国人(推計)

  在留資格 外国人数
就労目的外国人
(専門的・技術的分野)
教授 7,196
芸術 381
宗教 4,948
報道 348
投資・経営 5,906
法律・会計業務 99
医療 95
研究 3,141
教育 9,068
技術 19,439
人文知識・国際業務 40,861
企業内転勤 9,913
興行 55,461
技能 11,927
小計 168,783
特定活動(注1) 37,831
アルバイト(資格外活動)(注2) 65,535
日系人等(注3) 239,744
不法就労 不法残留者数 224,067
資格外就労、不法入国等 相当数(=α)
合計 約74万人+α

(資料出所) 法務省入国管理局
 (注) 1  特定活動とは、ワーキングホリデー、技能実習等を指す。ワーキングホリデーのうち、就労していると考えられる者の数は、厚生労働省が推計。
 2  アルバイトは、「留学」等の在留資格で在留する外国人がアルバイトをするために資格外活動の許可を受けた件数。
 3  日系人等の労働者とは、「定住者」、「日本人の配偶者等」、及び「永住者の配偶者等」の在留資格で日本に在留する外国人のうち、日本で就労していると推定される外国人を指す。日系人等の労働者数は厚生労働省が推計。
 4  資格外活動者数は1年間の許可件数、不法残留者数は14年1月現在の数、その他の数は13年末現在の数。


国籍(出身地)別 不法残留者数の推移

国籍(出身地)別 不法残留者数の推移図(グラフ)

資料出所:法務省入国管理局



入管法違反事件(不法入国)による被退去強制者数の推移

入管法違反事件(不法入国)による被退去強制者数の推移の図


(単位:人)
  平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年
総数 3,459 5,227 5,598 4,663 4,827 7,117 7,472 9,337 9,186 8,952
航空機利用 2,715 4,269 4,492 3,861 3,757 4,382 4,916 6,281 6,828 6,299
船舶利用 744 958 1,106 802 1,070 2,735 2,556 3,056 2,358 2,653
※ 各年の数は、各暦年中の数。

(資料出所:法務省入国管理局)


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