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10代の性犯罪:「インターネット王国」が「性犯罪王国」に(上)

 米国や日本とは違い、韓国ではなぜ10代の性犯罪が急増しているのだろうか。専門家らは「韓国の10代はインターネットを通じ、あまりにも早くから性的なものに接する機会が増えたこと」「学校の勉強や受験によるストレスを解消するはけ口がないこと」「現行法が10代の性犯罪者に対し非常に甘いこと」などを背景に挙げている。つまり、韓国の10代による性犯罪は、もはや無法地帯と化したインターネットの弊害、公教育や家庭教育の失敗、そして法制度の不備によって生み出された一種の社会病理現象だというわけだ。

◆10代の性犯罪の温床となった「ネット」 

 延世大キリスト相談センターのオ・ウォンウン幹事は、「世界のどの国よりも発達した韓国のインターネットが、10代の性犯罪の急増という副作用をもたらしている。韓国の10代は今や、両親や学校、公権力による統制が行き届いていないインターネットの世界を通じて、さまざまな性犯罪に手を染めるようになった」と話す。

 また、受験競争から脱落した子どもたちを十分に管理できない教育システムの問題も指摘されている。「学校を愛する保護者の会」ソウル地区代表のチェ・ヘジョンさんは「韓国の10代は強迫観念が特に強い上、両親が忙しいために対話する時間も十分になく、ストレスを解消できる場所といえばインターネットカフェやカラオケボックスしかない。結局、問題を抱えた10代の青少年たちが一線を越えた行動に及んだ結果が、性犯罪という形になって表れている」と指摘した。

◆学校・家庭での性教育の失敗 

 米国などの先進国では、学校や家庭での性教育が公開的かつ体系的に行われているが、一方で韓国では依然として性教育が十分に行われていないのが実情だ。先月、校内で集団性的暴行事件が発生した京畿道加平郡の中学校では、性教育をこれまで1度も行っていなかったことが判明した。両親が子どもと性の問題について討論することを避ける保守的な家庭が多い上に、離婚など家庭の解体によって家出する青少年たちが増えていることも原因として指摘されている。

 建陽大心理相談治療学科のソン・ウォンヨン専任講師は、「学校と家庭は子どもたちの性犯罪を未然に防ぐ役割を果たさなければならないが、韓国ではこうした機能が十分に備わっておらず、10代の性犯罪者を量産する結果につながっている」と話している。

朴蘭姫(パク・ランヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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